ロック史上に燦然と輝くパンクロックにおける名盤年に数回、どうしても聴きたくなる曲があります。それがピストルズの「
Anarchy in the UK」。あの強烈なイントロに続く、躍動感溢れるリズム・・・。 ♪ I am an antichrist I am an anarchist ・・・ ♪ と歌いだされる強烈な歌詞。どれを取っても刺激的です。
この超名曲を含む名盤が、1977年発表の邦題「勝手にしやがれ」。
今更何の説明も要らないでしょう。昨年のレココレ70年代ベスト100でも第一位に輝いた作品。もちろんジョニー・ロットンのアナーキーな歌詞と歌い方が多くの若者に支持されたのは言うまでもありませんが、このピストルズの楽曲の良さも見逃すことは出来ません。その核となったのはベースのグレン・マトロック。グレンは本作レコーディング中にポール・マッカートニーが好きだったばかりに脱退させられます。彼が脱退したために、ピストルズのセカンドアルバムというものは、ついに発表することは出来ませんでした。
もう10年近く前、自分にも厳しい紳士然とした当時の支店長がご栄転でロンドンへ転勤となり、その最終日の2次会、いつものように支店長も含めてカラオケへ繰り出しました。皆、多くの方々が酩酊状態となったなか、突然、あのイントロが・・・。
一体誰が・・・。そしてマイクは私の前に向けられたのでした。悪ふざけの過ぎる上司が選曲したらしい。そもそもその2次会で洋楽を歌う社員は私しかおらず、その曲の歌詞を瞬時に理解したのは上司と私と、そして支店長だったのでした。絶対にハメを外さない支店長は、ただただ失笑するばかり。私も私で最後まで歌いきってしまいました^^。
そのパンクの名曲、冒頭ご紹介した「Anarchy in the UK」がコレ。ジョニー・ロットンの超個性的なヴォーカル・スタイルは堪能できると思います。
④「God Save the Queen」もあまりにも有名な1曲。セカンドシングルとして発表されてますが、メロディといい詞といい、ピストルズらしい楽曲。
⑨「Pretty Vacant」もポップなパンクソングとして有名。自分もバンドでやった記憶があります…。
グレンの後釜に座ったのが、ピストルズの親衛隊だったシド・ヴィシャス。一番パンキッシュでルックスのなかなかのシド、ただ残念ながらベースはあまり弾けなかった・・・。
シドといえば「
My Way」。あのフランク・シナトラで有名なマイ・ウェイを見事なまでに歌いきってます。これはデビューアルバムには収録されてません
https://www.youtube.com/watch?v=rDyb_alTkMQこの映像、最後はあまりに有名な衝撃的シーン。恐らくマネージャーであるマルコム・マクラーレンが制作した映画「The Great Rock 'n' Roll Swindle」でのシーンだと思われます。
最近ピストルズのベスト盤を購入したのですが、ある曲に驚愕してしまいました。その曲とは「(I'm Not Your) Stepping Stone」。
それにしてもデビューアルバムにして、ラストアルバムとなったこの名盤、気持ちの落ち着いた状態では1枚通して聴けません(笑)。あまりにノイジーなので・・・。しかし何か気持ちが高ぶっていたりするときに聴いてしまうと、物凄くハイになってしまいます。未だにそんなエネルギーの詰まったアルバムです。
確か和久井光司氏は「英国ロック史において、時代をブッた切ったのはビートルズとピストルズだけ」と指摘されていましたが、その通りでしょうね。
それから今年のサマソニ、ピストルズが来日するんですね~(
サマーソニック・ゼロエイト)。相変わらずジョン・ライドン、はじけまくるんでしょうね。見たいような、見たくないような。
白いスティーヴィーと云われたAORの名盤ジョン・ヴァレンティ、もともとはモータウンの白人バンド、パズルのドラマーであった人物。その声はスティーヴィー・ワンダーそっくりで、自身初のソロアルバムとなる本作では、そのソウルへの傾倒振りが窺い知れます。
2006年にようやくCD化が実現された幻の名盤。随所に最良なソウルポップが聴けます。またこのジャケットもいいですね~。
なぜ本作がそれほどまでにCD化を熱望されていたのか? それは1曲目の「
Anything You Want」をお聴き頂ければすぐご理解頂けるかと思います。私は試聴時に、この1曲目のフィリーソウル系AOR的イントロと、思わずスティーヴィー・ワンダー??と思ってしまうジョンのヴォーカルに完全にノックアウトされ、即買してしまいました^^。
ホーン・アレンジもいいですね~。
本作演奏メンバーはドラムにJim Gorden、Ed Greene、ベースにJim Hughart、ギターはDean Parks、Jay Graden(正しくはJay Graydon、表記違いですね)等。悪い筈がありません。
②「Was It Something I Said」でのシンコペーションの効いたドラムもいいですね~。
ジム・ゴードンか、エド・グリーンか? どちらにしてもドシッと来るパラディドルを効かせたドラムはこの曲のアクセントになってます。
この曲なんかフィリーですね~。このフィリーらしいホーン、そしてクラビネットは最高です。よく考えたらこの曲こそスティービー・ワンダーそのものですね。
そして個人的に大好きな③「I Wrote This Song For You」。
ラジオから流れてくるようなイントロのメロディ・・・、そしてちょっとキーを変えて曲は始まります。このドラムのスネアはAメロ部分では4泊目を打たない珍しいことをやってますね。
どこかパイロットを思わせるようなポップス。この曲は本作中、一番のポップスですね。
①と同様に人気の高い⑥「Why Don't We Fall In Love」も跳ねるリズムが気持ちいいAOR系ポップスです。
また⑧「Save Me」はジャクソン5が歌いそうな楽曲ですね。
ギターがワウワウをかけたようなカッティングでベースが跳ね回るようなソウル・ポップス。これも好きです。
本作はシカゴ出身のジョンらしいソウル色満載の楽しいアルバムです。アルバムにも「p.s. i Still love you chicago」とクレジットされてます。フィリーとはカテゴリーは違いますが、シカゴソウルが大好きだったのでしょう。
ちなみに本作、USブラックチャートで51位、①はシングルカットされ最高位37位を記録しております。個人的名盤が必ずしも商業的にはヒットしていない典型例ですね(特にAORの名盤はその傾向が顕著です)。
スタジオミュージシャンのオリジナリティ溢れるデビューアルバム個人的にはTOTOはデビューアルバムから「Ⅳ」までが大好きで、特にデビューアルバムは未だによく聴いてます。なぜこのアルバムをアップしていなかったのか、不思議なくらいです。
ボズ・スキャッグスの1976年発表の名作
「Silk Degrees」でのプレイが大きな話題を呼んだスタジオ・ミュージシャン。それがTOTOの原型です。
「Silk Degrees」に参加したデビッド・ペイチ(Key)、ジェフ・ポーカロ(Ds)、デビッド・ハンゲイト(B)に加えて、スティーヴ・ルカサー(G)、ボビー・キンボール(Vo)、スティーヴ・ポーカロ(Key)の6人が集結し、TOTOを結成、衝撃のデビューアルバムを発表します。
とにかくアルバムトップを飾る①「Child's Anthem」は衝撃的でした。スタジオ・ミュージシャンならではの演奏テクニック、キメの嵐。静と動が折り重なったハード系インストであり、AOR系インストモノでは最高峰の楽曲と思ってます。
この激しい興奮が余韻を残しつつ、②「I'll Supply the Love」のイントロ、ルカサーの軽やかなギターのカッティングが心地いいですね。またボビーのハイトーンヴォーカルが映える1曲です。間奏のギターソロ、このバッキング演奏がまたスペーシーでいいんですよね。
非常に聴きやすく、またエンディングはインプロビゼーション(即興でもないですが)が繰り広げられ、いかにもTOTOらしいです。
従前記事にアップしたことのある貴重なTOTOの映像をアップしておきます。この映像、TOTOは8人おります?? 当時は分からなかったのですが、この+2名、コメントを頂いた方からレニー・カストロ(Pre)とトム・ケリー(G)であることをご教示頂きました。レニーは本作にも参加してます。またトム・ケリーってバックコーラスで有名ですが、ギターで参加している映像は初めて見ました。
①②の流れから、また一転、メロウなファンクチューン③「Georgy Porgy」。これはヒットしたのでTOTOのなかでは有名な曲のひとつですね。ルカサーがいい声を聞かせます。ルカサーの声はその激しいギタープレイとは違い、マイルドですね。またシェリル・リンのソウルフルなヴォーカルもかっこいい。
私にとってTOTOといえばジェフです。ジェフ・ポーカロのプレイは本当に刺激的です。本作でいえば⑥「Girl Goodbye」なんかジェフのプレイが炸裂してます。特にトップシンバルをアクセントに用いたプレイはかっこいいですね~。ルカサーも弾きまくってます。
下の映像は前述の映像と同じステージで、間奏に邪魔なナレーションが入ってますが、あまりにかっこいいのでアップしておきます。エンディング最後、ジェフが興奮のあまり立ち上がってシンバルミュートしているのが印象的です。
本作ではあまりにポップなので人気がないかもしれません。
でも私は実はこの⑧「Rockmaker」が一番好きだったりします^^。
ヴォーカルはデヴィッド・ペイチ。ちなみに本作中8曲がペイチの作品なんですよね。実はルカサーは本作では1曲も書いてません。初期TOTOはデヴィッド・ペイチが音楽的なイニシアティブを握っていたと思われます。
さて「Rockmaker」ですが、メロディが単純そのものなので、ジェフ等もテクニックを披露している訳でもなく、TOTOファンからしてみると物足りないかもしれません。でもこうした楽曲にこそTOTOがやりたかった音楽性が現れているような気がします。テクニックならもう何度も披露してきたが、そんなことより音楽を楽しみたいんだという感じですね。
しかしデヴィッド・ペイチの髭面ルックスは愛くるしい(笑)。
それぞれが個性的な楽曲で散漫な印象を与えてしまうといった批判も聞かれる本作ですが、AORファンを狂喜させた、紛れもない名盤ですよね。