先日アップしたB.J.トーマスの記事の中で、キャロル・キングが提供した楽曲「A Fine Way To Go」が随分ソウルフルであると言及しましたが、その当時、実際にキャロルがソロでどういう音楽をやっていたのかちょっと気になり、彼女の作品を紐解いてみると、1971年に発表された本作「Music」がそれに該当します。
少し前にJTはキャロルのピアノをバックに「Long Ago and Far Away」という曲を発表しておりますが、ひょっとしたらそのアンサーソングかもしれません。キャロルとJTの関係というのは友人という枠を超えて、盟友という感じなんでしょうね(決して恋人という関係にはならなかったところも盟友・戦友という感じがします)。
イントロから軽快なラス・カンケルのドラミングがカッコいい⑫「Back to California」。
今もたまにキッスは聴き返すのですが、1982年の「Creatures of the Night」から「Lick It Up」「Animalize」「Asylum」までのメタル期の4枚のアルバムは、ちょっと敬遠していたときもありました。ただこの時代のキッスが時代をキャッチアップし、「俺たちだってそれくらい出来る!」と言わんばかりの内容に感動。ここ数年は結構愛聴しております。
この作品はキッス三代目のギタリスト、マーク・セント・ジョンが参加した唯一の作品です。二代目のギタリスト、ヴィニー・ヴィンセントはメンバーと意見が合わず、「Lick It Up」1作のみの参加で敢え無く解雇。そこで伝手を辿って急遽メンバーに抜擢されたのがマーク。但し後のインタビューでマークは、自分の扱いは酷く、いい思いはない…的な発言をされておりました。確かに全く曲作りには参加しておらず、代役的にギターを弾かされただけ…にも見えます。しかしながら、そのギタースタイルはエディ・ヴァン・ヘイレンを思わせるトリッキーなもので、それだけで十分凄いプレイが堪能出来ます。
キッス史上、恐らくメタル指数が最高値の⑥「Under the Gun」。ポールとデズモンド、そしてドラムのエリックの共作。 https://www.youtube.com/watch?v=Gy8AmZiae0U エリックが共作者にクレジットされているのは、やはりドラムがキーとなっているからでしょう。ここでのマークのプレイも圧巻ですが、こうしたメタル・サウンドとエリックのドラムは合ってますね。
さて、本作の主人公、B.J.トーマスですが、一般的には「Raindrops Keep Fallin' On My Head」の人ですよね。映画「明日に向かって撃て」の挿入歌、バカラック・メロディが美しい名曲ですが、B.J.は本来はメンフィス・ソウル的な曲を得意としていたシンガーでした。ところが「雨にぬれても」の思わぬ大ヒットで、世間一般的に(スティーヴ曰く)ダサいイメージで捉えられてしまいました。「この当時、世間でウケていたのはレッド・ツェッペリンやボブ・ディラン、ジミー・ウェッブ、キャロル・キングといった方々の楽曲。だったらそういう人たちの楽曲を集めて、作者本人にも参加してもらおう」とスティーヴは考え、当時としては時代のずっと先をいくような作品、すなわち本作を仕上げたとのこと。
まずはこの素晴らしい作品から最初にご紹介する楽曲は、本作中一番有名な②「Rock And Roll Lullaby」。バリー・マン&シンシア・ワイル作の超名曲ですね。ここではバリー・マンがエレピで参加。非常に印象的なギターはトワンギン・ギターの名手、デュアン・エディ。そして中盤からのビーチボーイズ風のコーラスが最大の聴き所。実際にビーチボーイズに打診したようですが、断られたみたいですね(そんなビーチボーイズも後にピンクレディーの作品にコーラスで参加するという実績はあるのですが)。ということでコーラスはブラッサムズ等が担ってますが、このコーラス、いいんですよね。曲そのものいいですが、そのアレンジが素晴らしい楽曲です。
スティーヴィー・ワンダーの名作、③「Happier Than The Morning Sun」はニック・デカロのバージョンでも有名ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jadzFq-_2ao こちらはカントリー系ミュージシャンのウェイン・カーソンの作品。ウェインはエルビスの代表曲のひとつ「Always On My Mind」をマーク・ジェームス等と作った方。そしてこのアルバムにはマークも2曲提供してます。ウェインはギターで参加。硬いベースはジョー・オズボーンを思わせますが、カーク・ハミルトンのプレイです。
最初の ♪ Don't you go crying ♪ の歌詞から引き込まれます。メロディがいいんですよね。実に味わい深い…。