アルバムトップの①「Sweet Country Air」からそれらの魅力が溢れ出てます。ギターこそスティーヴ・ルカサーとかジェイ・グレイドンではないので、AOR色は感じさせないのですが、イントロの力強いピアノからAOR感たっぷり。もちろんフォスターの演奏です。そして聴いただけで彼と分かるジェフのドラミング、ハイトーンなコーラス、これらすべてがAORを感じさせます。ベースはマイク・ポーカロ。
一転、②「I Can Hear the Whistle」は往年のファンを喜ばすような軽快なカントリーロック。カントリーも大好きな私にとっては、こちらも魅力あふれる楽曲に狂喜乱舞(笑)。それにしてもこのカントリー系のドラムはジェフが叩いているのでしょうか。あまりタイトにも聞こえないし、クレジットにはありませんが、ひょっとしたらオリジナルメンバーのロン・グライネルが叩いているのかもしれません。
イントロもなく始まる③「Wouldn't I Love to Love You?」はトム・ケリー単独の作品。トムは後にAOR界では最も売れっ子のコーラスのひとりとして名を馳せていきますが、以降もコンポーザーとしても実力を発揮。マドンナの「Like A Virgin」やバングルスの「Eternal Flame」等、ヒット作を生み出していきます。この曲はそういったトムの才能を如何なく発揮した名バラードです。イントロこそちょっとカントリーっぽい味付けが感じられますが、コーラスなんかが入ってくる辺りから、AORっぽいバラードに。名曲ですね~。
またカッコいいAORチューンが来ました。④「Runnin' and Hidin'」もポーカロ兄弟が紡ぎだす強力なファンクに、キーボードやトムとデニーのヴォーカルも力強いものが感じられます。土臭いスライドギターはワディ・ワクテル。
ホール&オーツの作品の中でも人気が低く、問題作としてファンの間では認知されている「Beauty On A Back Street」。というかホール&オーツ自身がこの作品については酷評しております。
RCA移籍後の前2作「Daryl Hall John Oates」「Bigger Than Both Of Us」のプロデューサーであったクリストファー・ボンドは、これらアルバムのヒットに気をよくしたせいか、自分の考えるホール&オール像を押し付けてくるようになったそうです。そうした中で制作されたのが本作。ホール&オールも当時の不満を歌詞にそのままぶつけてしまってます。後で振り返って歌詞を見返すと、当時を思い出してしまうんでしょうね。
ただ②「Why Do Lovers Break Each Other's Heart?」はノスタルジックな3連バラード系で、ちょっと心が和みます。コーラスもドぅーワップ調で愛らしいですね。唯一ギターだけが浮いているのが難点。クリストファー・ボンドが弾いているのでしょうか。
それからこの曲、ひょっとしたらヒューイ・ルイス&ザ・ニューズの「If This Is It」の元ネタかもしれません。曲の構成がそっくりなんですよね。
ちなみにこの曲は本作唯一のシングルヒット曲で、全米73位を記録するに留まってます。
③「You Must Be Good For Something」あたりが、ホール&オーツらしい曲かもしれません。ちょっとロック色が強いですが、適度にポップだし、捻ったアレンジもあったりして。もうちょっとフォスターっぽくアレンジすれば80年代に発表しても通じる楽曲かもしれません。
アルバムタイトルトラックでもある名曲①「Boats Against The Current」。フィッツジェラルドの名作「グレート・ギャツビー」から取られたタイトル。
「So we beat on, boats against the current, borne back ceaselessly into the past」という文章から取られたと思われます。
そしてこの曲、ラズベリーズ時代、ファーストソロと永年のパートナーだったJimmy Iennerとの決別を歌ったものなんですね。エリック自身、この曲が自分のベストソングと語っています。
後にオリビア・ニュートンジョンもカバーしてますが、やっぱりこのエリックのヴァージョンが一番。最初聴いたときは単純なバラードと思ったのですが、何回も聴いているうちに胸に染みてきました。ちなみにドラムは何とジェフ・ポーカロです。
ラズベリーズ時代のパワーポップを感じさせる④「Take It Or Leave It」。というかこれはローリングストーンズやフェイセズを連想させます。気のせいか、エリックのヴォーカルはロッド・スチュアートを真似しているようにも思えますね。カッコいいロックなんですが、エリックの気負いぶりが気になります。
本作中、唯一といっていいポップなエリックの楽曲が⑥「She Did It」。この曲こそ、私が待ち望んでいたエリックなんです! このビーチボーイズ風のコーラスアレンジはブルース・ジョンストン(もちろんビーチボーイズのメンバーのブルースです)。コーラスはブルース(目立ってます)、カート・ベッチャー、ナイジェル・オルソン等。ドラムはジェフ・ポーカロ、ギターソロはアンドリュー・ゴールドです。
ポップスの極みですね。こんな曲が書けるエリックはやっぱり天才です。イントロがなんとなくキャプテン&テニールの「愛ある限り」にそっくりですね。キャプテン&テニールはビーチボーイズのコンサートに参加していたりしていたので、ひょっとしたらブルース繋がりで似たようなアレンジになったのかもしれません。
一般的にはこのアルバム、①「We Will Rock You」~②「We Are the Champions」があまりにも有名になってしまい、この曲を中心に語られることが多いと思われます。
特に「We Will Rock You」はドラムのみをバックに力強く、そして高らかにフレディが歌いあげるイントロに、多くのロックファンの胸を躍らせことでしょう。このアルバムをリアルタイムにレコードで聴いた方々は羨ましいですね。
でも私はこのアルバム、お気に入りはやっぱりロジャーの③「Sheer Heart Attack」。
パンク・ムーブメントが勃興する状況下、クィーン(というかロジャー)は反骨精神からか、この曲を発表します。俺達も実はパンク精神を持っているんだと・・・。
このヴォーカル、ずっとロジャーが歌っているものと思ってました。でも実はもともとの原曲はロジャーが歌っていたらしいですが、それをフレディが歌いなおしたと(wikiにもそう記述されてますね)。
でもやっぱりロジャーの声に聞こえてしまうんですよね~。特に2番(1番はフレディかなと思うのですが)。フレディ、ロジャーのヴォーカルスタイルを真似たのかな。
ここはあえてライブ映像ではなく、スタジオ録音音源をアップしておきますので、皆さんも聴いてみて下さい。
(ちなみにアップした静止画、サードアルバム「Sheer Heart Attack」のジャケが・・・。もちろんホントはこの頃に作った曲なんですが、お蔵入りとなって、この「News of the World」でめでたく発表されることとなった楽曲なんですね)
⑤「Spread Your Wings」も語られることが多いですね。これはジョンの楽曲。私はこの名曲、てっきりフレディの作った楽曲かと思ってました。フレディに影響を受けたのかな。
アップした映像は所謂プロモーションビデオ。もちろん口パクですが、イントロでジョンがピアノを弾いてます。
フレディ、相変わらず奇抜だな~(サングラス)。ロジャー&ブライアンは相変わらずカッコイイ!
そして私の大好きなクィーンのメンバーは申すまでもなくジョン・ディーコン。
で、そのCDですが、昨日の記事にも書いたとおり、裏ジャケには「Digital remasters 2009 The copyright in this recording is owned by DH records Ltd」と記載がありました。ホントにリマスターされているかどうかは分かりませんし、アナログ盤から音を録ったのかもしれませんが、それにしては結構イイ音してますね。
取り敢えず彼等のセカンドアルバムをじっくり聴いてます。
フェードインしてくるファンキーな音、地下から上がってくるような足音・・・、そして軽快に4人の共作である①「Being Here With You」は始まります。単調なコード進行乍らもグイグイと押してくるファンク。ホーンはTower of Powerでしょうか。
さらにファンク指数は上がってきます。強烈なベースのアタック音の②「Drink My Water」。すごいファンキーですね~。これはブレンダ・ラッセルと旦那のブライアンの共作。どちらかというとベースのポール・ストールワースの見せ場的楽曲。リード・ヴォーカルもポールでしょうか(??)。
さて話題をこのアルバムに移します。このアルバムの聴きどころは①~③にあります。そのどれもが中心人物はジャコなんですね。ウェザー・リポートというスーパーバンドに後から加入した若造が、いきなり中心人物なんです。すごいですね。
②「Remark You Made」は①「Birdland」から一転、名バラードです。ウェインの泣きのプレイが素晴らしい。それと呼応するようなジャコのエモーショナルなベースプレイ。ジャコは暴れまくるだけのプレイではないんですね。
③「Lay Down Sally」は当時全米3位のヒットを記録したそうです。軽快なカントリーナンバーなんですが、全米3位というビッグヒットを記録した楽曲にしては地味ですね。それだけ当時のクラプトンに勢いがあったのでしょうか? カントリー好きな私としては、この曲、かなり好みです。
この曲に続いてクラプトンのオリジナルである④「Next Time You See Her」もレイドバック感覚溢れるカントリースタイルのナンバーですね。そしてしっとりとしたナンバーの⑤「We're All the Way」はカントリー界のスターであるドン・ウィリアムスのカバー。
この辺の感覚は、多少プロデューサーのグリン・ジョンズの影響もあるのかもしれませんね。
⑧「Mean Old Frisco」の作者、Arthur "Big Boy" Crudupはエルビス・プレスリーのデビュー曲「That's All Right, Mama」の作者としても知られるブルースマン。1974年に亡くなられているようですが、クラプトンのカバーはかなり骨太な、ドブロを用いた強烈なサザンブギー溢れる仕上がりになってます。まだまだ硬派なクラプトンですね~。
そしてエンディングは非常に穏やかな⑨「Peaches and Diesel」。インストナンバーですが、マイルドなクラプトンのギターが心落ち着かせます。このアルバムでのクラプトンのギターは実に多彩ですね。
ちょっとAOR的なピアノ、撥ねるようなピアノがこれまた心地いい④「I Want to Sing It to You」。効果的にブロウしてくるサックスはデヴィッド・サンボーンです。彼らしいサックスを聴かせます。
⑥「Who You Want Me to Be」の感覚はどこかで聴いたような・・・。そうそうローレン・ウッドの名曲、「Fallin'」です。しっとりくる曲調に、やさしく切り込んでくるパーカッション。スローなAOR。
後で分かったのですが、ローレン・ウッドのプロデューサーもバネッタ&チューダコフでしたね。
エモーションズは「Best of My Love」の強烈なイメージがあるためか、一発屋のイメージが付きまとっているようです。正直私もその1曲しか知らず、このアルバムにも大きな期待はしていなかったのですが、実際に聴いてみるとかなりいいですね。レオン・ウェアやフィニス・ヘンダーソン、スティーヴィー・ウッズ等に代表されるアーバン・ソウルとまではいかないまでも、かなりAOR的要素も漂う好盤です。
参加メンバーはモーリスのほか、Al Mckay(Guitar)、Fred White(Drums)、 Verdine White(Bass)等が参加。アレンジはTom Tom 84。EW&Fに通じるサウンドというのはよく理解出来ますね。
エモーションズといえば①「Best of My Love」でしょう。アル・マッケイとモーリスの共作。後にEW&Fはデヴィッド・フォスター等と共作した「September」が大ヒットしましたが、その曲調はどことなく「Best of My Love」に似ています。ディスコソウルがAORに近づいた瞬間です。
タイトなリズム隊にトム・トム・84の軽快なホーンが素晴らしい。今聴いても全く色褪せてない名曲ですね。
アルバム中一番メロウな⑦「Don't Ask My Neighbors」も人気の1曲。この曲は①と同様にシングルカットされR&Bチャートで最高7位を記録してます。
作者はSkip Scarborough。EW&Fの「Can't Hide Love」の作曲者として有名な方で、後にアニタ・ベイカーの「Giving You The Best That I Got」で作曲者としてグラミー賞を受賞します。ただ残念ながら2003年に58歳の若さで亡くなられているようです。
ここではボビー・コールドウェルのヴァージョンをアップしておきます。エモーションズのヴァージョンと基本的にはあまり変わりませんので。