音楽の杜:20102023-10-15T22:34:06+09:00240_850代の洋楽フリーク。AOR、ソフトロック、フュージョン、ハードロック等、よい曲なら何でも聴きまくる雑食派。好きな音楽を徒然なるままに書き綴っていきます。Excite BlogJimmy Webb「Just Across the River」(2010)http://y240.exblog.jp/33114792/2023-10-09T06:59:00+09:002023-10-09T06:59:29+09:002023-10-09T06:59:29+09:00240_82010
そして関東は朝から雨…。こういう時はハートウォームな曲が聴きたくなります。連休でもあるし、まさにこういう時にピッタリな1枚。
チョイスしたのは私の大好きな作曲家、ジミー・ウェッブ。ジミーといえば1967年に発表されたフィフス・ディメンションの「Up,Up And Away」。ジミーの曲が詰まった素晴らしいアルバムでした。
本作はジミー自身、1996年発表の「Ten Easy Pieces」に続く二作目のセルフカバー・アルバムです。しかも今回はジミーの曲を愛するミュージシャン達がそれぞれデュエットしております。彼のために参加したミュージシャンが凄いのです。
本作のハイライトは何と言ってもジャクソン・ブラウンと歌う⑤「P.F. Sloan」でしょう。
この曲は1970年発表のセカンド「Words and Music」にて発表され、1977年発表の「El Mirage」で再度採り上げられている名曲。タイトルの通り、P.F.スローンを歌ったもの。
♪ I have been seeking P.F. Sloan
But no one knows where he has gone ♪
P.F.スローンは知らなくても、1965年のバリー・マクガイアの大ヒット曲「Eve Of Destruction」はご存じの方も多いのではないでしょうか。この作者がP.F.スローン。当時、彼はダンヒルの専属ライターで、この翌年にもジョニー・リヴァースに提供した「Secret Agent Man」が大ヒットを記録します。そしてスローンは自ら歌う活動も同時に行っていきます。そんな活動をダンヒルは苦々しく思い(彼を専属ライターとしておきたかったため)、ダンヒルはシンガーとして独立をするなら過去の作品の著作権を放棄し、また過去の曲も歌うことを禁じることを条件とする旨申し入れし、なんとスローンはそれを了承した上で独立します。それほどSSWとして自立していきたかったんですね。
カントリー界の大御所、ウィリー・ネルソンとの③「If You See Me Getting Smaller」。
https://www.youtube.com/watch?v=o1x3RBcnriQ
ウィリー・ネルソンとの活動でも有名なカントリーシンガーのウェイロン・ジェニングスが1977年に歌ったナンバー。
ネッドはちょうど本作発表に合わせて来日してます。本当は大手レコード会社から本作を発売する予定だったようですが、案の定、いつもの通り話が不調に終わり、なんとネッド自身が自主プレスしてライヴ会場で発売されたという強烈なエピソードがあります(笑)。結局本作は、AORといえば金澤さん、金澤さんのお力添えもあり、2018年のヘイミッシュ・スチュアートとの来日公演に合わせて、再発売されております。
内容はインタビュー記事の通り、90年代以降の作品のセルフカバーとなってます。参加ミュージシャンはドン・グルーシン、グレッグ・マティソン、デビューアルバムからの付き合いのゲイリー・マラバー、マイケル・ホワイト、コーラスにレスリー・スミス、ジョセフ・ウィリアムス、マリリン・スコット等が参加。かなりいぶし銀的な内容になっております。
オープニングは1993年発表のアルバム・タイトル・トラックの①「Between Two Worlds」。乾いたアコギとちょっとブルージーなオルガン、そしてコーラスが心地いいナンバー。決して派手じゃないんですが、最初のメロディラインでなぜか引き込まれてしまいます。たぶん大手レコード会社はもっとポップな曲も収録して欲しいといったリクエストもしたんだろうなあと想像します。
打ち込み音みたいなイントロの②「Perish The Thought」は1991年発表の「Love Like Ours」からの1曲。ドラムとベースがかなり重たいリズムを刻むので、ちょっとダークな印象。サビは、ネッドのいつものハイトーンが効いたもの。落ち着いた大人のサウンドですね。
⑥「Rear View Mirror」は「Between Two Worlds」からのナンバー。ここでもアコギがカッコイイ。すごく緊張感のあるイントロのカッティング。ネッドならではですね。
本作は基本的には「Life After Romance」「Love Like Ours」「Between Two Worlds」の3枚のアルバムからのセルフカバーですが、⑨「In A Perfect World」だけは違います。コレ、日本のコーラスグループのAMAZONSが、1995年に発表したアルバム「divine DESTINY」に収録されていたもの。「divine DESTINY」はジョルジオ・モルダーのプロデュースによるLA録音で、ネッドは曲の提供のみならず、歌も歌ってます。全く知らなかった~。AMAZONSの音源はこちらに、そして本作収録音源はYouTubeを貼り付けておきますが、結構この曲が一番お気に入りだったりします。乾いたアコギと豊潤なコーラス。ゆったりした時間が流れます。
かなり地味な内容ですが、ネッドらしい味わい深いメロディを持つ珠玉の楽曲集。そんな印象です。ネッドは本国よりも日本での人気の方が高いようです。こうした渋い音楽を評価出来る方々、この日本にそんなにいるのか…と結構頼もしく思えますね。
]]>Larry Carlton 「Plays the sound of Philadelphia」 (2010)http://y240.exblog.jp/26438083/2017-02-19T13:45:00+09:002023-10-06T23:29:25+09:002017-02-19T13:45:18+09:00240_82010まずは1曲目、①「Could It Be I'm Falling in Love」、最初はスピナーズでしょ(笑)。フィリー・ソウルの代表選手ですね。そもそもこの曲の邦題が「フィラデルフィアより愛をこめて」ですからね。この曲をトップに持ってきた意義はよく分かります。
メロディを優しくラリーが弾き語ってくれてます。やっぱりラリーのスムージーな奏法、またどことなくねっとりとしたプレイは、フィリーにピッタリ。
⑤「I'll Be Around」もスピナーズの代表曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tj3_scMPA_s
⑨「Mama Can't Buy You Love」は意外にもエルトン・ジョンのカバーです。
https://www.youtube.com/watch?v=VK5o7v8LM8g
フィリー・ソウルの多くはシグマ・スタジオで収録されたものですが、そのシグマ・スタジオには、そのサウンドに魅了された多くの白人アーチストもこぞって収録しに来ました。エルトン・ジョンもその一人で、1975年には「フィラデルフィア・フリーダム」なんていうヒット曲も生み出してます。この曲自体はシグマ・スタジオ収録ではありませんが、1977年にはシグマ・スタジオにてトム・ベルにプロデュースを全面的に委ねた「トム・ベル・セッション」を制作。この「Mama Can't Buy You Love」はその中の1曲で、フィリー・ソウルらしい重厚なオケ・アレンジが、甘酸っぱいメロディを盛り上げてくれます。
個人的に好みを言えば、このアルバム、かなり大好きです。玄人受けするような、そんなジミな印象のアルバム。
キャロル・キングの2001年発表の「Love Makes The World」に似ています。
キャロルも詞が素晴らしいし、アデルもまた同様。かつアデルは実体験に基づいた歌詞なんですね。
ただアデルとキャロルの違いは、アデルは相当歌が上手いこと(笑)。実にソウルフルな歌声で、あの歌声で本作のような歌詞を歌われたら、歌詞をダイレクトに理解出来る人々は大いに共感が持てるでしょう(もちろん私はダイレクトに共感はできないのですが・・・^^)。
①「Rolling in the Deep」。アデルは知らなくても、この曲は聴いたことがあるという人は多いかもしれません。私もそうでした(笑)。そうか、この曲がアデルだったのか、と。
ファンクチューンのアレンジとアデルのソウルフルなヴォーカルがスゴイ迫力です。でも迫力の割には、よく聴くとバックの演奏は極めてシンプルで、アコースティック。
それにしてもアップした映像の再生回数が半端ない数字ですね。
次はこれまたカッコイイアレンジの②「Rumour Has It」。ライナーノーツにはKT.タンストールが歌っても似合いそうな・・・とありますが、そう、確かに①や②は私の好きなKT.タンストールのようなカッコよさがあります。
アデル初心者にとっては、彼女は①や②のような楽曲を歌うアーチストなのか・・・と勘違いしてしまいますが、どうも違うようです。
私のかなりのお気に入りの④「Don't You Remember」。やっぱりデビュー当時はこうしたアコースティックな楽曲を得意としてきたアーチストなんですね。ノラ・ジョーンズのような面も持ってます。
「忘れちゃったの??」・・・、この歌詞・・・、この迫力あるアデルの歌声に引き込まれます。
⑦「Take It All」はどことなくキャロル・キングの楽曲に思えてきます。でもアデルのヴォーカル、実にゴスペル・ライクでスゴイですね。
アップした映像の冒頭のアデルのMC、彼女の人気の高さが理解出来ます。ファンとの関係が近い!貫禄があり過ぎて23歳には思えないんですけどね(笑)。
恐らく長く聴き続けられる素晴らしいアルバムです。①「Rolling in the Deep」に興味を持ち、このアルバムを購入した方々は肩透かしを食らうと思いますが・・・。
でもこうしたアルバムが評価されることは嬉しいですね。
アデル、まだ23歳。しかもアルバムは2枚しか発表しておりません。今後が楽しみなアーチストですね。
アデルは飛行機嫌いで有名らしいですが、日本にも来て欲しいものです(無理かな~)。]]>Frank Weber「Before You」(2010)http://y240.exblog.jp/16749844/2011-08-20T17:04:00+09:002023-10-15T22:34:06+09:002011-08-20T17:05:11+09:00240_82010
昨年、約30年振りに発表されたフランク・ウェーバーのサードアルバム。恐らく殆どの方がフランク・ウェーバーをご存知ないと思われますが、拙ブログでは既に彼のファーストアルバムとセカンドアルバムはご紹介済。またコアなAORファンにとっては馴染みの深いアーチストかもしれません。
私ものっぼのサリーさんと同様に、⑦「Everything We Used To Be」がお気に入りです。
フランクは語ってます。「絶対に失いたくないものを失ってしまう。きっと誰もが経験していることだろう。・・・人々は何かをなくした時に、それがどんなに大切なものだったかに気づくんだよ。」(ライナーノーツより)
胸に染み入るバラードです。やっぱり彼のメロディとヴォーカル、素晴らしい。
こうしたずっと聴いていると、本作、実に味わい深いアルバムであることがよく分かります。YouTubeには本作からの音源はないようなので、ここで実際にご紹介できないのが残念ですが、ピアノ主体のじっくり聴きたい音楽をお探しの方はぴったりかもしれません。
夏休み、自宅で過ごす最後の夜は本作をまたじっくり聴こうかなと思ってます。
(↓私の大好きなセカンドアルバム収録の「Between NY and LA」をアップしておきます)
]]>Jimi Hendrix 「Valleys Of Neptune」(2010)http://y240.exblog.jp/14043033/2010-03-28T12:52:00+09:002021-12-04T21:46:32+09:002010-03-28T12:52:57+09:00240_82010
このリマスター盤の発売に合わせて、未発表音源アルバム「Valleys Of Neptune」も注目を集めてます(多分)。
本作の詳細な解説はレココレの特集記事に詳しく記載されていますが、本作は主に1969年2月から5月に録音された楽曲が中心に収録されてます。活動的にはジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの活動を終了し、次なる飛躍に向けた、ジミの脂の乗り切った時期といえるかと思います。その収録された楽曲何れもが、非常に魂のこもったものとなっており、その迫力に圧倒されますね。エディ・クレイマーの仕事振りにも感謝です。
さて、このアルバム、1曲目の①「Stone Free」からシビれます。もちろんこの曲、1966年のシングル曲ですが、ベースはエクスペリエンスのノエル・レディングではなく、昔からの盟友ビリー・コックス。
音はタイトで、♪ I've Got to Move on ♪のジミのシャウトにノッてしまいます。
タイトルトラックの②「Valleys of Neptune」。イントロは何やら神秘的な雰囲気。初期の派手でアグレッシブな楽曲ではないものの、間奏部分の感情的でスリリングなジミのギタープレイは、やっぱりついつい聴き入ってしまいますね。
⑤「Mr. Bad Luck」も大好きなナンバー。レココレにもありますが、ベースが「サマータイム・ブルース」的で、ハードなナンバーに仕上がってます。とにかくジミのヴォーカルとギターの音がかっこいい。
もともとは「Look Over Yonder」として知られたナンバー。
そしてこの後続くのが⑥「Sunshine Of Your Love」。あのクリームの名曲です。このアルバム、1曲目からここまで、とにかく一気に聴かせてくれます。音に迫力があるし、スゴイプレイにただただ聴き入るばかりです・・・。
アレンジ的にはクリームとそんなに変わりませんが、ギターはかなりアグレッシブ。インプロビゼーションも非常にスリリングです。
当時、ライヴではこの曲、結構やっていたようですね。当時のスゴイライヴ映像をアップしておきます。こんな映像を見れるなんて、いい時代になったものです。
歌のバックに流れるスリリングなギターワークが魅力的な⑧「Ships Passing Through The Night」。これ、歌いながら弾いているんですよね。う~ん、すごいなあ~。
早弾きだけがギターのテクニックではない、それがよく分かるギターワークですね。
名曲⑨「Fire」も収録されております。この曲を知らない方のためにライヴ映像をアップしておきます。
未発表曲の⑪「Lullaby For The Summer」はインスト。ツインギターがしびれます。これまた、つっこみ気味のリズムがかっこいい。ジミのギターが堪能できます。