ロマン・アンドレンをご存知でしょうか。意外と知らない方も多いのではないでしょうか。私も最近まで知らず、つい最近ラジオで彼の名曲「Bumblebee」を偶然耳にし、一発で気に入ってしまったアーチストです。その「Bumblebee」は、チック・コリアの「What Game Shall We Play Today」っぽい曲といえばイメージが沸くでしょうか。
ちょっと毛色の違う楽曲もピックアップしておきます。ファンキーな⑦「If Tomorrow Will Come」。ロマンが弾くフェンダー・ローズの響き、ファンキーな楽曲にもぴったりです。ここでもヴォーカルはミリアム・アイーダです。インコグニートなんかのファンキーかつフュージョンタッチな世界ですね~。
ホーンアレンジが熱いジャズを連想させる⑩「Vasto Como o Céu」。間奏のサックスソロ、それを煽りまくるドラムが素晴らしい。全編に亘って素晴らしいドラムを叩いているのはハンガリー出身のゾルタン・クゾーツ・Jr。スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドのThe Flower Kingsのドラマー。プログレッシブバンドらしく、本作でも手数の多いドラミングを聞かせてくれてます!
なんと言っても本作、①「Nothing Too Much Just Out of Sight」の激しいブルースロックに度肝を抜かれるでしょう。66歳のシャウト、スゴイです。ビートルズの「Helter Skelter」を連想させますね。これがアンビエント・ミュージックを発表し続けていたファイヤーマンとは思えません。逆説的に言えば、だからこそポールのソロ作品と見做していいのでしょう。
往年のポール大好き人間にとっては③「Sing the Changes」や、ベースの動きが凄い⑦「Sun Is Shining」、フィル・スペクター風の⑧「Dance 'Til We're High」辺りが気に入ると思います。「Dance 'Til We're High」なんかは久しぶりのポール節を聴く思いですね。映像をアップしておきます。
牧歌的なリコーダーの音色が印象的な⑩「Is This Love?」は完全なアンビエント・ミュージックですね。最初にこの曲を聴いたときは戸惑いました。これがポールなのかと・・・。ところが、ある日、精神的に疲れていたときにこの曲が耳に入り、「無」の感覚に陥るような気がしました。これもまたポールのやりたかったことなのかと・・・。
賛否両論あると思いますが、これもまたポールの多彩な一面を現した1曲ですね。
う~ん、⑪「Lovers in a Dream」まで来るとちょっと着いていけません(笑)。⑫「Universal Here, Everlasting Now」も同様ですが、非常に前衛的な音楽であり、ジョン・レノンが「Revolution9」、ジョージ・ハリスンがシンセサイザーミュージックで見せたようなアプローチと似ています。底の浅いポールの作品・・・、従来からポールはそう見られかねないポップスを発表してきていますが、そういった意見への反発を感じさせる楽曲です。
JTはオリジナルアルバムに結構カバー曲を収録していたりします。「How Sweet It Is (To Be Loved By You)」、「Handy Man」、「Up on the Roof」、それから「You've got a friend」もカバーですね。
ここに収録された12曲は、それら過去のカバー曲に負けず劣らず、珠玉の12曲です。そして12人の凄腕ミュージシャン達がリラックスムードで音楽を楽しんでます。ドラムはスティーヴ・ガッド。ギターはマイケル・ランドゥ・・・。
意表をつく選曲は⑤「Some Days You Gotta Dance」。なんとディクシー・チックスのカバーです。ディクシー・チックスを知らない?? 女性3人組のカントリーバンドですが、2004年にブルース・スプリングスティーン等が参加した反ブッシュ・ツアー・コンサートにディクシーとJTは共演。それ以来の仲だと思われます。
この映像がありました。JT、風貌はともかく、楽しそう・・・^^。