まずは彼等の2枚目のシングルで、最大のヒット曲でもある「Go All The Way」をどうぞ。この曲、福山雅治がDJを務めるFM番組のオープニングテーマにもなってます。
ヘビーなギターと、妙にポップなメロディが絶妙なバランスで、いいですね~。
「Go All The Way」、実にヘビーなサウンドですが、コーラスが甘酸っぱいですよね。
今度はそのコーラスを生かしたナンバーの「Let's Pretend」。コレ、ベイ・シティ・ローラーズもカバーしてます。この曲はポップでキャッチーなBCRの音楽の原点なのかもしれません。
私の大好きなナンバーです。
本作には①と⑫にミニーのショウでの語りが収録されてます。特に①では「I'm one of those kinds of persons that much rather look at the glass half full,rather than half empty」というあまりにも有名なセリフが聴けます。
つまり「私のグラスは半分空なのではなく、半分いっぱい」という意味なのですが、これは自分の胸が半分ということと掛けている訳です。非常にポジティブですよね。
今更ですが、B.J.トーマス、いいですね~。
つい最近までB.J.といえば映画「明日に向かって撃て」の主題歌である「RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD」しか知りませんでした(この曲は私がカラオケでよく歌う歌でもあります)。
だからB.J.のスタイルがフォーク系であると思ってました。
でも違うんですね~。
これはB.J.初期のセプター時代のベスト盤ですが、①「I'M SO LONESOME I COULD CRY」して土臭い、南部系の音を醸し出してます。
⑦「THE EYES OF A NEW YORK WOMAN」(1968年:28位)、⑧「HOOKED ON A FEELING」(1968年:5位)辺りからB.Jの黄金期が始まりますが、これらはメンフィス・サウンド。メンフィス・サウンドで思い出すのが、エルビス・プレスリーの「サスピシャス・マインド」。この曲の雰囲気、分かりますか??B.J.のこの当時の音は、まさにエルビスの「サスピシャス・マインド」と同じですよ。
B.J.トーマスで名曲といえば、もう1曲「ROCK AND ROLL LULLABY」があります。
これは⑱曲目に収録されてますが、バリー・マン、シンシア・ウェルの名曲ですね。
デュアン・エディの”トワンギー・ギター”、バリー・マン自ら弾くエレピ。コーラスはビーチボーイズ風(本当にブライアン・ウィルソンに依頼したらしいが、断られたそう)。
アメリカ人が好きそうな曲ですね。
ここまで書いていて恐縮ですが、このアルバムで一番好きな曲が⑳「HAPPIER THAN THE MORNING SUN」。そうです!!スティービー・ワンダーの名曲です。
これを軽快なギターをバックにB.J.がさらっと歌います。
そしてなんとスティービーがハーモニカで参加してます。この曲は後にAOR史上の名作、ニック・デカロ「イタリアン・グラフィティ」でもカバーされてますが、ここでのこの曲のグルーブ感は最高ですよ。スティービーのハーモニカが抜群にいい味だしてます。
「ROCK AND ROLL LULLABY」「HAPPIER THAN THE MORNING SUN」を収録した、1972年発表の「Billy Joe Thomas」は他にポール・ウィリアムス、キャロル・キング等が参加した名盤です(私は未聴ですが…)。
エリック・カルメンはご存知ですか?ソロ以降のカルメンは、けだるいポップスを歌うシンガーソングライターになってしまいましたが、このラズベリーズ在籍時のエリック・カルメンは輝いていた。本当に。
エリックはクラシックの影響(特にラフマニノフ)を強く受けたアーチストで、そのセンスがビートルズ、フーといったロックと融合し、センス溢れるパワーポップをラズベリーズでは聞かせます。このベスト盤でいえば⑳「Starting Over」あたりはアレンジにその影響が見られます。ちなみにこの曲、彼等のラストアルバムの最後に収められた恋愛の歌ですが、♪I'd start all over with youとはバンドのメンバーに訴えかけていたのでしょう。
ギター、ドラムは「フー」に近いサウンドで、メロディ・コーラスはビートルズ、ビーチボーイズに近い。ビーチボーイズをぱくったと思われる⑩「Drivin' Around」、⑲「Cruisin' Music」。福山雅治のFM番組のオープニング曲①「Go All the Way」、初のシングルヒット⑤「I Wanna Be with You」、名曲⑥「Let's Pretend」、エリックのカウントで始まるハードな名曲⑪「Tonight」。
ところで本作品、やっぱりCDⅡをよく聞いてしまいます(CDⅠは初期のブルースハードロック中心)。CDⅡは「移民の歌」「天国への階段」など収録されてます。でも全体的にパワフル。CDⅡの「胸いっぱいの愛を」なんて、演奏者3人+Vo1人とは思えない、凄い演奏です。
あと個人的には「Going to California」のようなフォークも好きなんですが。