昨日は生まれて初めてジャズバーへ行ってきました。場所は表参道の
JAZZ BIRD。実はお取引先の社長が出演するというので、興味半分で行ってみたのですが、ロックのライブとは全く違う洒落た雰囲気に参ってしまいました。音楽に酔いしれるとはこのことですね。
JAZZ BIRDで音楽に浸りながら、真っ先に思い浮かんだのがビル・エバンスの
「Waltz For Debby」というアルバムです。これは私の大好きなジャズアルバムなんですが、イントロのピアノとベース、ドラムがジャージーな演奏を聴かせているなかで、後ろで観客のざわめきやグラスの音が聴こえるんですね。その雰囲気が、まさにJAZZ BIRDでの雰囲気と同じように感じられたんです。
その「Waltz For Debby」は以前ご紹介しているので、今日はAnother Side Of Waltz For Debby的な「Sunday at the Village Vanguard」をアップしておきます。
この当時のビル・エバンスは、盟友スコット・ラファロ(Bs)とポール・モチアン(Ds)を率い、ジャズ史上、最高のトリオを組んで活動しておりました。特にスコットのベースは縦横無尽に泳ぎ回るもので、楽曲に効果的に躍動感を与える技術に長けたものでした。
そのトリオの、1961年6月25日、ニューヨークのthe Village Vanguardで行われたライブを収めたのが「Waltz For Debby」と本作です。名曲が並ぶ「Waltz For Debby」のほうが人気は高いのですが、本作ではスコットのオリジナル曲(①「Gloria's Step」、⑥「Jade Visions」)が聴けるという意味で、価値ある一枚ですね。
本作では④「Alice in Wonderland」が有名でしょう。もちろんディズニー映画の楽曲です。イントロのリリカルなビルのピアノが堪りません。しかしその張り詰めた雰囲気のなかでも、バックの喧騒は聴こえてきます。グラスの音とか、談笑とか・・・。今だと考えられませんが、当時のビル・エバンス・トリオの知名度はその程度だったのでしょうか?
また間奏のスコットのベースソロは強烈ですが、ソロが終わった後の拍手すらありません。だからこそリアル感が伝わってくるのかもしれませんね。
この当時のここでの観客は、このライブが後に重要なものになるとは全く認識していなかったでしょうね。もちろん演奏している本人達も・・・。
この11日後、スコットは交通事故で他界してしまうのです。麻薬の常習者で、常日頃メンバーとは喧嘩をしていたらしいのですが、ステージ上では感性のぶつかり合いという感じでスゴイですよね。
YouTubeには、なんと私の大好きな「Waltz For Debby」がアップされてました。このリリカルなビルのピアノ、なんて素晴らしいのでしょう。当ブログのご訪問者は、ジャズを聴かれたことがない方は多いと思いますが、まずはこの映像を見てください。ビルのうつむき加減でピアノを弾く姿が堪りませんね。
(しかしポール・モチアン、イントロで腕組するのは勘弁してください^^)
またまたじめっと暑苦しい夏が来ましたが、冷えたギネスビールを飲みながらジャズを聴くというのもいいですね。