炎のヴォーカリスト、グラハム・ボネットは1979年、あのレインボーに迎え入れられ、名盤「Down to Earth」発表。もともとポップスシンガーであったグラハムは、彼の新境地でもあるハードロックという世界に身を置き、見事にブレイクを果たしたのは周知の通り。 しかし1980年8月、あの伝説のモンスターズ・オブ・ロックを最後に盟友、コージー・パウエルがレインボーを脱退。その最後のステージ、コージーのドラムソロのエンディングで、グラハムがコージーの名を連呼、絶叫したのは有名な話ですね。そしてもともとへヴィメタルが嫌いなグラハムも自然の流れで脱退をしてしまいます。
そして本作は2曲目から段々とポップ色が強くなってきます。②「S.O.S.」はラス・バラードの作品。ジョン・ロードがポップなキーボードを弾いてます。レインボーの「All Night Long」と同系色的楽曲です。
しかし何より驚きなのが4曲目です。恐らく当時本作を購入した多くの方が同じ思いだったのではないでしょうか? その楽曲とは・・・「Be My Baby」です。そう、あのフィル・スペクター・プロデュースのロネッツの「Be My Baby」です。 ただドラマー好きな私としては、このロネッツの名曲のドラムがハル・ブレインであり、彼が名実共にこのイントロで第一級のスタジオミュージシャンとなったことを知っているので、コージーの叩きっぷりを堪能してます。よく考えるとコージーのドタバタ的なドラムスタイルは、ハルと非常に似ているような気がします。 それにしても、敢えてこの楽曲をカバーするあたり、よほどグラハムはポップス好きなんですね。ミッキーもジョンもコージーもよく付き合った!
あと70年代ポップス好きの私としては6曲目も聴き逃せません。それは「Liar」です。 もちろんスリー・ドッグ・ナイトの大ヒット曲ですね。この曲、実は②と同様ラス・バラードの曲だったんですね。ラス・バラードとはもちろんレインボーの「Since You've Been Gone」や「I Surrender」といったポップ路線の作曲者です。ここではかなりスリリングな演奏を聴かせてくれます。
⑦「Anthony Boy」はチャック・ベリーの楽曲。ここまでくると完全にグラハムの趣味の世界ですね~。あと⑪「Set Me Free」はキンクスのカバー。