J-POPとソウルが融合した名盤“オザケン”こと小沢健二ほど、好き嫌いが大きく分かれるアーチストもいないのではないでしょうか? いや、嫌いな方の方が多い筈。しかし私は敢えて言う、オザケンが大好きである。ただし私が聴きまくったのは本作のみ。次作のジャズ風な「球体の奏でる音楽」にはがっかりした記憶があります。

フリッパーズ・ギター時代のオザケン(左)。この渋谷系音楽の火付け役のフリッパーズ・ギターも大好きでした。「カメラ カメラ カメラ」なんか最高でしたね~。
叔父に小澤征爾を持つオザケン、華麗なる一族かつ東大卒。私とは全く住む環境も違いますが、私と同い年、かつ生まれた日は私と3日しか違わない。妙に親近感がありました。
そのオザケン、本作がビッグヒットとなりました。

①「愛し愛されて生きるのさ」、このイントロを聴くだけで何か妙にワクワクしてきます。この曲、下手くそなオザケンヴォーカルと甘ったるいタイトルに騙されそうですが、実は音楽自体は中村キタローの粒の立ったベース等、かなりファンクっぽい音作りになってます。これぞJ-POPとファンクの融合ですね(と思っているのは私だけですかね?)。
そうそう、余談ですがこのアルバムタイトル、どこかで聴いたことがありませんか。ファンクといえばスライ・ストーン・・・、そうです、スライの「ライフ」なんです。下にスライのジャケをアップしておきます。しっかりロゴが一緒ですね^^。

多くの硬派な音楽ファンからヒンシュクを買いそうな②「ラブリー」。甘ったるい声で ♪ Lovely ♪と歌われてしまっては閉口するしかありません(笑)。しかしこれもよく聴くと終始中西康晴の弾くクラビネットがファンキーですよね。そしてホーンも決まってます。
(アップしたのはライブバージョンです)
③「東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー」。長いっ! う~ん、次はサルサですか。当時はこの音楽センスに感激していたものです。洋楽的センスを見事に昇華したオザケンワールドに脱帽です。
と思いきや結構フォーキーな④「いちょう並木のセレナーデ」は、ちょっとノスタルジックな甘酸っぱいバラードです。
以下は武道館ライブの映像。間奏の口笛に思わず拍手。
オザケンソングでもかなり有名な⑤「ドアのノックするのは誰だ?」。これなんかモロにフィリーソウルですよね。そう聴こえませんか? それはオザケンワールドに騙された証拠です(笑)。
私の大好きな曲です。
スチャダラパーとの共演で話題を振りまいた⑥「今夜はブギー・バック」。個人的には楽曲自体に興味はありません。しかしオザケンにラップといった組み合わせのセンスにこれも脱帽ですね。
ここまで長々と綴ってきましたが、実は一番好きな曲は⑦「ぼくらが旅に出る理由」なんです。当時からこの曲は私のドライヴソングでした。このイントロ、車を走らせたくなりませんか?
このストリングスとハープ、そしてホーンの疾走感が堪りません。詞もいいんですよね~。
この曲のキーとなるストリングス・ホーンの無いギター、ベース、ピアノ、ギターのスリーピースのスタジオライブ映像がありました。しかしこの最小限のバンドスタイルでも、この曲の持つ緊張感が伝わってきますね。
オザケンを敬遠していた方々、如何だったでしょうか? コアな洋楽ファンほど虜になっていくような気がするのですが・・・。
この後オザケンはまた違う姿を見せていきます。ブラックミュージックや環境音楽への傾倒等等。そして自ら世間から姿を消してしまいました。
渋谷系と騒がれ、また王子様と呼ばれていた時代・・・、あまりにもビッグになり過ぎ、自己矛盾を起こしていったのかもしれません。今の彼に、この当時の素晴らしいJ-POPをもう一度、と期待してはいけないのでしょうか?