バカラック=ディオンヌの珠玉の名曲集
以前キャロル・ベイヤー・セイガーをご紹介しましたが、キャロルの良さを再認識。そこからキャロル繋がりで本作を聴いてます。
AORファンの間では、ディオンヌ・ワーウィックというと、1982年発表のジェイ・グレイドン・プロデュースの「Friends In Love」が有名ですが、今回はバート・バカラック=キャロル・ベイヤー・セイガーの楽曲が5曲も収録された本作をご紹介したいと思います。

本作(旧盤)のライナーノーツには「バカラックとワーウィックは、ざっと25年近く、共に歌手、作曲家として多くのヒットを生み続けてきた仲であるだけに・・・」とありますが、正確には10数年間仲違いした時期があります。

バカラック=ハル・デヴィッド=ディオンヌというゴールデン・トリオは60年代に良質なヒット曲を量産。そして1971年に3人はワーナーへ移籍します。しばらくはうまくいっていましたが、やがてバカラックとデヴィッドが決裂し、2人はワーナーを離れます。そこでバカラック=デヴィッドの素晴らしい楽曲を歌うことを前提に移籍したディオンヌは、契約違反として2人を訴えたのです。
もう2度とバカラック=ディオンヌの楽曲は聴けないのかと思ったら、1983年、バカラックがディオンヌへお願いする形でテレビドラマの主題歌を制作。それが「心の冒険者/Finder Of Lost Loves」です。
そしてこのセッションを契機に再びバカラックはディオンヌのアルバム制作に携わることとなります。バカラック夫人であったキャロル・ベイヤー・セイガーは以前ロッド・スチュアート(!)が歌った「愛のハーモニー」をディオンヌに歌ってもらうよう提案。そしてあの名曲が収録されたのです。
多くの方はこの楽曲をご存知だと思いますが、ご存知ない方のためにYouTubeをアップしておきました。この映像はディオンヌ、スティービー・ワンダー、そしてルーサー・ヴァンドロスにホイットニー・ヒューストンの豪華コラボですが、エンディングのアドリヴは流石ですね。圧巻です。
本作①「That's What Friends Are For(愛のハーモニー)」のスタジオ録音バージョンはスティービー、エルトン・ジョン、グラディス・ナイトが参加してます。今更云うまでもない永遠の名曲。そしてバカラック=セイガーの代表曲ですね。スティービーのハーモニカが心に染みますし、バカラックとの絶縁状態を考えると興味深いタイトルです。
1曲、ディヴィッド・フォスターの曲が収録されてます。それが④「Love at Second Sight」。いかにもディヴィッドらしいメロディラインが魅力的なバラードです。
またスティーヴィー・ワンダーも⑤「Moments Aren't Moments」を提供してます。淡々とした曲調はどちらかというと渋い1曲です。
後半5曲は甘いバラードが続きます。⑥「Stronger Than Before」はあのキャロルの名作
「SOMETIMES LATE AT NIGHT」にも収録されていたバラード。
バラードとしてはかなりハイクオリティと思われる⑧「No One There (To Sing Me a Love Song)」。これは今や大御所の感もあるナラダ・マイケル・ウォルデン作。こんな感動的な曲を作るナラダ、実はジェフ・ベックの名作「Wired」では激しいドラムを叩いてましたっけ^^。
本作、かなり甘いMORに仕上がっており、王道ロックファンにとってはとっつきにくいアルバムかもしれませんね。キャロル・ベイヤー・セイガーの「SOMETIMES LATE AT NIGHT」が好きな方であれば違和感はないと思いますが。音作りの感じは似ています。
バート・バカラックも、キャロルとパートナーを組み、1982年に彼女と結婚。再びシーンにカムバックし、ディオンヌと和解。名曲「愛のハーモニー」が見事に大ヒットし、至福の時だったのではないでしょうか?