クイーンらしさが光る歴史的名盤レココレ11月号はクイーン特集でした。なぜ今更クイーン特集なのか疑問に思っていたら、1981年のライヴCD/DVDが発売されるからなんですね。
和久井光司氏がセレクトしたクイーン名曲ランキングBest25も興味深いです。なぜ「Don't Stop Me Now」「Seaven Seas Of Rhye」が漏れているのかetc・・・。
記事を読んでいたら、ロック史上に残る名盤「A Night at the Opera(オペラ座の夜)」を聴きたくなり、最近ヘビロテ化してます。
この気品に満ち溢れたジャケットの作品、一般的なイメージでは「Bohemian Rhapsody」のアルバムという位置付けかもしれません。しかし実際は本作、非常にバラエティに富んだもので、どの曲もクイーンらしさが滲み出ている名曲ばかりです。
オンタイムで本作を聴いた方は①「Death on Two Legs」のイントロに驚かれたことでしょう。華麗なフレディのピアノに続いて、おどろおどろしいギターとスクリーム音。サビのコーラスのぶ厚いこと。ヘビーなクイーンが堪能できます。
この曲、前のマネジメント会社のことを強烈に皮肉ったものであることは有名な話ですね。
このヘビーな曲からメドレー的に②「Lazing on a Sunday Afternoon」へ続きますが、あまりの曲のギャップに驚いてしまいます。わずか1分少々の小作品ですが、ヴォードヴィル調で、ここでもエンディングはブライアンの見事のギターが聴けます。
③「I'm in Love With My Car」はロジャーの作品ですが、ハイトーン&ハスキーヴォイスのロジャーを堪能できます。ファンの間では人気の高い曲のようですが、正直、私はロジャーの作品は苦手ですね~。彼のドラムとコーラスは非常に大好きなんですけどね。
愛すべき人物、ジョンの作品である④「You're My Best Friend」。これもシングルカットされた名作。本作のB面にはブライアンとフレディの超大作が控えていますが、ポップス好きなジョンとしては、「そんなに難しい曲など作らず、肩肘張らずに楽しくやろうよ」、なんて思って作ったのかもしれません。本作中、かなり浮いた作品ですが、やはり本作には清涼剤のような存在でなくてはならない名曲。大好きな1曲です。エレピはジョン。
意外感があるのが⑤「'39」、⑦「Seaside Rendezvous」、⑩「Good Company」。カントリー調あり、ヴォードヴィル調あり、クイーンがとても器用であることがわかります。声やギターで違う楽器を表現するところなんか、クイーンっぽいです。特に⑦の声によるオーケストラ!、結構笑えます^^。⑤はライヴではアコースティックセットでお馴染みの曲ですね。
ある意味⑥「Sweet Lady」が一番クイーンらしいかもしれません。というかこの曲が浮いてしまうくらい本作は多様で複雑な音楽が詰まってます。ギターのリフがかっこいいナンバー。ブライアンらしい曲。
そしてアルバムでいうとB面にあたるトップナンバー、⑧「The Prophet's Song」。私のイメージでは、フレディの「Bohemian Rhapsody」に対抗すべく(?)、ブライアンが書いた8分以上にわたるブライアンの力作。「Bohemian Rhapsody」が華麗なピアノが中心であるのに対して、この曲は力強いギターが中心。
間奏の怒涛のコーラスの洪水、凄いですね~。「Bohemian Rhapsody」もそうなのですが、今から30年以上前(!)という1975年という時代背景を鑑みますと、ものすごいレコーティング技術ですよね。
この大作に圧倒されるも、呆然とするまもなく美しい⑨「Love of My Life」へ突入します。やさしいハープの調べ。クイーンの一番美しいバラードではないでしょうか?
この、曲の強弱・静動のコントラストがはっきりしているところが本作の聴きどころでしょうね。
そしてもう紹介するまでもない歴史的名曲⑪「Bohemian Rhapsody」。恐らく最初にこの曲を聴いた殆どの人が、ガリレオ・パートに驚くでしょうね。そしてガリレオに続く、ハードロックのクイーン。ガリレオ・パートのラスト、
♪ For me ~、For me ~~~! ♪
の後に続くロジャーのスネア1発!
このロジャーの、これだけの、たった一発のスネアプレイに何度鳥肌が立ったことか!
このハードロックパートは、ホントしびれます。
この曲、一体ライヴで出来るのだろうか? 最初そう思いましたが、さすがクイーン。間奏のガリレオ・パートはテープを流して対応してますが、後は完璧にライヴでやってました。
PVはフレディの顔が清川虹子に見えて失笑モノなので、ライヴ映像をアップしておきます。観客との大合唱に感動です(涙)。
クイーンのメンバー全員が知的レベルの高い人達であることも有名な話ですが、⑫「God Save the Queen」はそうした知的な雰囲気を漂わせるエンディングです。
4作目にしてサウンド的に頂点を極めたクイーン。ここで失速することなく、新たにクイーンは進化していくのです。