カントリーロックの名盤、イーグルスのセカンドアルバム木村拓哉主演のTBSドラマ「華麗なる一族」の挿入歌として、「Desperado」が使われてますね。なぜ「Desperado」が使用されたのか、よく分かりませんが、イーグルスのなかでも地味な本作が注目されることは嬉しいですね。

イーグルスって「ホテルカリフォルニア」のイメージが強いので、彼らのファーストや本作を初めて聴く人にとっては、「??」って感じかもしれません。個人的にはこれら初期のカントリータッチ、そしてそのカントリーフレイバーの中心人物であるバーニー・レドンが大好きです(しかもジャケは彼が一番大きく写ってます〈一番右側〉)。
本作は19世紀末に実在した強盗団であるダルトン一味をモチーフとしたコンセプト・アルバムです。イーグルスは2作目にして、こんな素敵なアルバムを作ったんですね。
そのダルトン一味を歌ったのが①「
Doolin-Dalton」。
グレン・フライの渋いハーモニカから始まるこの曲は、決して派手な曲ではありません。ファーストアルバムのオープニング「Take It Easy」のような能天気さは全くないのです。こうした曲をオープニングに持ってくるあたり、イーグルスの自信が表れてます。
またこの曲はグレン・フライ、ドン・ヘンリーに加えてJ.D.サウザー、ジャクソン・ブラウンが曲作りに参加してます。この4人は70年代ウエストコーストロックを支えた重鎮たちですね。
そして曲は一転、私の大好きなカントリーフレイバー溢れるバーニー作の②「Twenty-One」。
イーグルスといえば今でこそ、グレン・フライやドン・ヘンリーの名前がすぐに出てきますが、結成当時はバーニー・レドンが一番知られた存在でした。それもそのはず、彼はギターとバンジョーを得意とし、1968年にバーズを脱退したジーン・クラークと、バンジョー奏者であるダグ・ディラードが結成したディラード&クラークに迎えられ、その後グラム・パーソンズ率いるフライング・ブリトー・ブラザーズに加入。カントリーロック界では著名な存在でした。この「Twenty-One」はバーニーのバンジョープレイが冴え渡る1曲です。

カントリーロックといえば④「
Tequila Sunrise」も有名ですね。
これは②ほどのカントリー度はありませんが、イーグルスの豊潤なハーモニーが味わえます。初めてイーグルスを知ったとき、この曲の良さに感動した記憶があります。
そして永遠の名作⑤「Desperado」。リンダ・ロンシュタットやカーペンターズ等多くのアーチストにカバーされたフライ&ヘンリー作の名曲。この曲がグレン・フライ&ドン・ヘンリーのソングライティング・センスを確立させたのかもしれません。この曲はなぜかシングルカットされていないのですが、あまりにも有名ですね。
ハスキー・ヴォイスのドン・ヘンリーのヴォーカルが堪りません。彼のドラムは好きになれないのですが、ヴォーカルは天下一品ですね。
本作にはもう1曲、影の名曲(?)、⑨「Saturday Night」が収録されてます。
イーグルスの曲のなかで、実は唯一のメンバー全員(グレン、ドン、バーニー、ランディ)の共作なんです。後の「Hollywood Waltz」を彷彿させるワルツ調のアコースティックな曲。イーグルスのハーモニーの素晴らしさが堪能できます。
この曲が好きなイーグルスマニアは結構いらっしゃるのではないでしょうか?1980年に発表された「Eagles Live」でも収録されてます。
こうして聴いていくと味わい深いアルバムです。このアルバムがイーグルスのなかで一番好きだという方も結構いらっしゃるようです。
内容が地味な印象なのか、当時セールス的には全米最高41位と不調だったのですが、永遠に記憶されるべき名作ですね。