J-POPの良心が見て取れる名盤新年早々AOR、ブルースロックと紹介してきたので、やはりここはJ-POPで正月三が日を締めくくりたいと思います。
昨年最後に購入したCDで、オフで250円で放置されていたもの。ナイアガラが250円なんて寂しすぎますね。
1982年3月リリースの大滝詠一、佐野元春、杉真理によるコラボレーションアルバム。大滝がナイアガラ、佐野がエピック、杉がCBSと各々所属レーベルが違うのですが、同じソニーグループということで実現したもの。
当時大滝詠一は前年に世紀の名作「A LONG VACATION」を発表し、乗りに乗っていた時期。かたや佐野元春、杉真理は売り出し中の若手シンガー。しかしこの三者三様の音楽性の違いが、まさにいい形のトライアングルとなってます。
本作は3人が4曲ずつ持ち寄ったもの。大滝詠一がフィル・スペクター・サウンド、佐野元春がロックンロールやビートルズ、杉真理がマージービート・サウンド、それぞれ多大な影響を受けたと思われますが、見事に自分たちの音楽に消化してますね。
①「
A面で恋をして」のみ大滝詠一作で、3人がヴォーカルを取るもの。シングルカットもされ、かつCMソングにもなりましたが、そのCMに出演していたモデルがスキャンダルに巻き込まれ、あえなくCMは1週間でお蔵入りとなったようです。
パーカッションを鳴らしまくり、エコーを思いっきりかけたサウンド。これぞ大滝サウンドの決定打という感じです。
♪クラクションを鳴らして 今夜君を奪いにゆくよ♪ By 杉真理
♪夜明けまでドライブブブ~ 今夜 君を帰さないさ♪ By 佐野元春
2人のキャラクターの違いをよく現している歌詞ですね。
②~④・⑨が佐野元春ワールド。②「彼女はデリケート」、名曲です。
この軽快なドラムが大好きなんです。エンディングのバスドラの連打も素敵ですし、そのエンディングの「ツイスト&シャウト」を交えたコーラスもいかしてます。
余談ですが、彼のデビュー曲「アンジェリーナ」のイントロは震えが来るほどかっこいいですね。
③「Bye Bye C-Boy」のベースラインは明らかに後期ビートルズにおけるポール・マッカートニーのベースラインですね。こうしたアットホームな佐野さんもいいですね。
この曲、通常の男性アーチストが歌ったら気持ち悪いでしょうね。杉真理の声は永遠の青年声ですからぴったりくるんだと思います。個人的には彼のポップスセンスが大好きです。
そして⑩~⑬が大滝詠一ワールド。なんの説明も要らないでしょう。皆名曲です。特に大好きな曲が⑬「ハートじかけのオレンジ」。これもシングルカットされたと思います。