一般的に本作を名盤たらしめている所以は④「Acadian Driftwood」と⑥「It Makes No Difference」の存在でしょう(本作を紹介している殆どの記事は、この2曲を紹介してますね)。 ④は邦題「アケイディアの流木」。1759年にカナダのノヴァ・スコシアを追われたアケイディアの農民を描いた作品で、ザ・バンド自身を重ね合わせたもの。 初期作品の香り漂うダウンアース的な作品ですが、ガース・ハドソンのピッコロ、ゲスト参加のバイロン・バーラインのフィドル等音作りは多様性を見せてます。 そしてザ・バンドには3人の素晴らしいヴォーカリストが存在しますが、この作品はその3人、リヴォン・ヘルム、リック・ダンコ、リチャード・マニュエルが歌い回しをします。これがまたいい。 こうした南部の香り漂う作品を見事なまでに仕立て上げる技は、超一級品ですね。
ザ・バンドはこの後崩壊していきます。完成された作品を発表すると、多くは崩壊の道を進んでいきますね。もうリックもリチャードもこの世には居りません。④「Acadian Driftwood」や⑥「It Makes No Difference」のような素晴らしい楽曲を聴かせてくれるザ・バンドのようなバンドがなかなか現れないのが寂しいですね。