ベン・シドランのアリスタ移籍第一弾アルバム。名盤!ベン・シドランは本当に日本では知名度が低いですね。ソウル、フュージョン、もっと具体的にいえばスティーリーダンが好きな方であれば、絶対に気に入るアーチストであると思われますが、ベン・シドランが好きだ、という方をあまり聞いたことがありません。
以前小生のブログでは
別のアルバムを紹介済ですが、本作はその「Kiss in the Night」の2年前に発表された、ベンのなかではポップな部類に入るアルバム。

本作にはMichael Brecker、Randy Brecker、Phil Upchurch、Richard Tee等が参加していますが、基本的なコアの演奏はツアーメンバーが行ってます。
それにしても相変わらずベンの複雑なメロディー展開はここでも健在です。
⑧「The Cuban Connection」はインストナンバーですが、完全にフュージョンですね。ラテン系リズム全開で、ベンのピアノが華麗にメロディラインを紡いでいきます。
この同じ路線が④「Let's Make a Deal」。これもメロディ展開が読めない、ベンらしい1曲。
これらフュージョンサウンドとは別に、もうちょっとソウルッフルなのが①「Feel Your Grove」、⑤「Beg For It (The Real Thing)」、⑨「Free In America」。
①は1971年のベンのデビューアルバムに収録されていたリメイク。ちょっとベンにしてはポップ過ぎますね?
⑤こそ、フルートがうまい味付けで入っているシドラン・ミュージック。ノリのいい、ソウル・フュージョンであり、ベンにご興味のある方は是非聴いて頂きたい曲。
本作中、一番有名な曲は⑥「New York State of Mind」でしょう。そう、あのビリー・ジョエルの「ニューヨークの想い」のカバーです。ベン特有の語り口調で歌われたら、ビリーの曲とは分からないでしょう。思いっきりジャージーにカバーしてます。
『ドクター・ジャズ』と呼ばれるベン・シドランの、特に70年代のアルバムは全て刺激的です。もっともっといろいろな方に聞いて欲しいアーチストですね。