GW明けから2週間、ようやく精神的にも日常モードに戻ってきました。ルーティン作業というのは大事ですね~。
さて、最近ちょくちょく聴いていたのがアヴェレイジ・ホワイト・バンド(以下AWB)の誉れ高き名盤のセカンド。過去にこの後のサード「
Cut The Cake」はご紹介済ですが、ファンク&メロウ指数は本作が一番高いと感じてまして、既にこの時点でAWSサウンドが完成されていたことがよく分かります。
AWSは英国のバンドですが、本作で米国に活動の場を移します。ジェームス・ブラウンやスライ・ストーンに憧れていた彼等とすれば、ファンクの本場米国での活動は自然の流れだった筈で、名手アリフ・マーディンがプロデュースした本作は、水を得た魚のようなAWBの躍動感を感じさせます。
全10曲、1曲を除き全てメンバーのオリジナル作品。どれも素晴らしい作品ですが、敢えてトップにご紹介するとしたら、アイズレー・ブラザーズのカバーの⑤「Work To Do」でしょうか。オリジナルを紹介しろ…とヤジられそうですが(苦笑)、こちらがあまりにもソウルフルな出来で、AWBの凄さがよく理解出来ると思います。原曲はアイズレーの1972年発表の「Brother,Brother,Brother」に収録されていたもの。アラン・ゴリー(Vo,B)とヘイミッシュ・スチュアート(Vo,G)のソウルフルなツイン・ヴォーカルが素晴らしい。本作ではドラムはロビー・マッキントッシュが叩いてますが、動画ではスティーヴ・フェローンがファンキーなドラムを披露しております。ロビーも実にタイトに叩くドラマーでしたが、彼は本作発表の翌月、パーティにおいてヘロインの過剰摂取で亡くなります。ちなみに同じ場でアランも過剰摂取したものの、同席していたシェールに介抱され、無事であったとのこと。この危機にスティーヴが後釜に座り、動画の通り、AWBの持ち味は維持されていきました。
ロジャー・ボール(Key,Sax)とアラン、ヘイミッシュ共作の①「You Got It」がオープニングナンバーです。
皆さん、ご存じの強烈なインストナンバーの③「Pick Up The Pieces」。バンド全員の共作。
ファンク・ナンバーの極みですね。これに対して、ジェームス・ブラウンは翌年「
Pick Up The Pieces One By One」というアンサー・ソングをA.A.B.B(Above Average Black Band)名義で発表してます。バンド名も洒落てますね。JBも称賛した「Pick Up The Pieces」、凄い曲です。メンバーもこの洒落たJBの対応に狂喜したことでしょう。
ロジャー、アラン、ヘイミッシュの共作の⑥「Nothing You Can Do」はスィート・ソウルですね。
アラン単独作の⑧「Keepin' It To Myself」を聴いて、おやっ?っと思われた方はなかなかのAOR通です。
J.P.モーガンの作品は1976年ですので、このご縁でフォスターはAWBの1980年発表の「
Shine」をプロデュースするに至ったのかもしれませんね。
ソウルフルなヴォーカルって、本来もう少し太い声であって然るべきで、その点AWSの2人の声は頼りないところもあったりしますが、うまくファルセットを駆使して、見事に黒人ソウルっぽく聴こえますね。
AWSはオリジナル・メンバーはアランとオニー・マッキンタイア(G)のみとなってしまいましたが、まだ現役で活動されております。