アル・クーパーって、どうも捉えどころのない方です。BS&Tを結成し、素晴らしいアルバムを発表したと思ったら、すぐに脱退し、マイク・ブルームフィールド、スティーヴン・スティルスと「
ですからアルに対する評価、興味はかなり分かれるのではないでしょうか。というかかなり玄人好みなアーチストなので、好きな人ってかなり少ないんじゃないでしょうかね(苦笑)。私自身も「奇人」アルに対しては、どうもとっつきにくいイメージがあったんですよね。
ということで今回は、多少でもアルのそのイメージが払拭出来ればと思い、ご紹介するアルバムです。
私は基本はポップスが好きな人間なので、60年代後半のモンキーズに代表されるポップスが好きなんですよね。そういう観点から申すと、このアルバムはエルトン・ジョンのカバー1曲、エルトン・ジョン人脈のミュージシャンを起用した2曲を含む3曲のロンドン録音がポップス指数が高く、いいんですよね~。
1971年発表のアル・クーパー、4枚目のソロアルバム。プロデューサーはアル自身。前述の通り、3曲がロンドン録音、残り8曲がLAのコロンビア・スタジオでの録音。
まずは私のお気に入りの、めちゃめちゃポップな⑦「Back On My Feet」をどうぞ。
ロンドン録音以外の参加ミュージシャンはベースはなんとキャロル・ケイ。レッキング・クルーのメンバーで、ペット・サウンズの女性ベーシストとしてあまりにも有名ですね。ギターはルイ・シェルトン。この人もレッキング・クルーのメンバーでモンキーズの多くの作品に参加されてますね。ドラムはジャズ、R&B系のポール・ハンフリーです。
次にロンドン録音の3曲をご紹介致します。まずはアルバムトップの①「New York City (You're A Woman)」。
ちなみにエルトン・ジョン人脈のミュージシャンとして、ハービー・フラワーズ(B)、ロジャー・ポープ(Ds)、カレブ・クゥエイ(G)が参加してます。
そしてこちらもメロディアスな⑤「Going Quietly Mad」。
この奇人、こんなに感傷的なメロディを書く人なんだなあと、ちょっと意外な気も。こうした一面もお持ちな方なんですよね。ここでもメロトロンが効果的に使われてます。どなたかのコメントには「同時期のジョン・レノンの作風」とありました。確かに納得。
でも最後の最後のヴォーカルのアレンジ、声にエフェクトをかけて、おどろおどろしい感じにしたのは本人の照れなのか、アルらしいといえばアルらしいアレンジです。
エルトン・ジョン作のカバーの⑧「Come Down In Time」
原曲は1970年に発表されたエルトン・ジョンの3枚目のアルバム「エルトン・ジョン3」に収録されていた楽曲。なかなか渋い曲をカバーしたものです。
原曲もフォーキーですが、アルはより一層フォーキー&メロウに仕上げてます。本作ではこの曲がハイライトと評する方も多いですね。アルの頼りないヴォーカルが、この曲の繊細さにマッチしてます(それにしてもアルのヴォーカルは好きになれない方、多いでしょうね)。
後段からはゴスペル・タッチなコーラス&メロトロンも入ってきて、しかも最後はラテン・タッチなアレンジに…。もちろん原曲にはない展開です。これはいい!フリーソウルな感じですね~。
最後はかなりソウルフルな⑥「Medley~Oo Wee Baby, I Love You~Love Is A Man's Best Friend」を。
https://www.youtube.com/watch?v=gqTrEsp8M_k最初のパートはFred Hughesが1969年に発表したものが原曲。そのサビのメロディを上手く引きついた後半はアルのオリジナル。意識していないとメドレーとは気づかないですね。しかしこの曲は実にソウルフル。エンディングにかけての熱い女性コーラスが曲を盛り上げていきます。もっと声質の太いソウルなヴォーカルであればもっと盛り上げるんですけどね~(笑)。
後にアル・クーパーは1973年、レーナード・スキナードを見出し、デビューアルバムをプロデュースし、見事に大ヒットさせます。今回ご紹介したアルバムの内容と、レーナード・スキナードの音楽が、どうも一致しないのですが、そこは鬼才アルのこと、とても引き出しが多いということなのでしょう。
ただこの奇人も自身のソロ作品となると、1973年発表の「Naked Songs」以降は失速。ヒットには恵まれておりません。
ちなみに1982年発表の「Championship Wrestling」というアルバムはジェフ・バクスターをフューチャーしており、リード・ヴォーカルをアル、ミッキー・トーマス(スターシップ)、そして私の大好きなヴァレリー・カーターが分け合う形で歌ってます。アル・クーパーとヴァレリー・カーター、どういう繋がりがあるのか、興味があったのですが、実はお二人、同じ誕生日(2月5日)だったんですよね(笑)。
(ヴァレリー・カーターの未発表レア音源集の第二弾が4月に発表されるらしい。その第一弾「
The Lost Tapes」は以前ご紹介しておりますが、その第二弾は先日亡くなられた盟友ジョン・リンドやジャクソン・ブラウンとのデュエット、アル・クーパーとの共演等、収録されるとのこと。こちらも追ってご紹介致します。)