長年気になっていたアーチスト、ジュディ・シル。それは私の大好きなアサイラム・レコードの最初にリリースされたアルバムのアーチストだったから。以前にブログ仲間のnaruruさんも
記事にされ、その時も聴こう聴こうと思いつつ、ついつい最近まで先延ばしになっておりました。
ちなみにアサイラム・レコードとはデヴィッド・ゲフィンが立ち上げたレコード・レーベルですね。
ローラ・ニーロのマネジメントを担当し、そこそこの成功を収めたデヴィッド・ゲフィン。そこにジャクソン・ブラウンのデモテープに可能性を見出し、アトランティック・レコードに売り込みを図るのですが、敢え無く却下されてしまいます。但し社長のアーメット・アーティガンは「そこまで言うなら自分でレコード会社を作ってみてはどうか?」と逆に提案され、立ち上げたのがアサイラム・レコードなんです。ですから最初のアーチストはジャクソン・ブラウンと思いきや、ジュディ・シルだったんですね~。
恐らく単純にレコード会社の立ち上げのタイミングとジュディとの契約が合っていたから…という理由だけだと思いますが、その時点でレコーディングは終了していたジャクソン・ブラウンのファーストはプロモーションに入念な準備を重ね、翌年1月、満を持してアサイラム3人目のデビューとなりました(ちなみに2人目はデヴィッド・ブルー)。
さて、そのジュディのファーストアルバム、これがまたいいんですよね。彼女曰く「影響を受けた音楽はバッハ、宗教音楽、レイ・チャールズ」と語ってます。その発言からもお分かりの通り、彼女が奏でる音楽は独特の世界観が拡がってます。彼女は幼少時代から不遇な生活を強いられ、刑務所生活を過ごすなど、相当荒んだ人生を歩んできた方です。彼女のキリスト教的な詞の世界は、そういったことが背景にあるんですね。
デヴィッド・ゲフィンはジュディを第二のジョニ・ミッチェルとして売り出したかったようです。ですからプロデュースはジョニ・ミッチェルのエンジニアとして知られたヘンリー・レヴィーを起用。他、タートルズのジム・ポンズ、ジョン・ベックがプロデューサーに名を連ね、更にグラハム・ナッシュも1曲プロデュースしております。ただ、ジュディの音楽があまりにも個性的なので、ひょっとしたらプロデューサーとしての仕事はそれ程でもなかったのではないか…と推測します。
歌い方がどことなくジョニに似ている③「The Archetypal Man」。
スティール・ギターも加わるカントリー・ワルツですが、途中からオーケストラも加わったりして、ジュディ独特の楽曲に仕上がってます。間奏のクラシカルなスキャット風コーラス、これがまたデビューしたてのアーチストとは思えないアレンジ。達郎さんの「クリスマス・イヴ」は案外これがモチーフになったかもしれませんね。メロディも味わい深いし、恐らくこの曲なんかは、アレンジも含めて彼女が実質1人で仕上げていったのではないでしょうか。
軽快なフォークタッチの④「The Lamb Ran Away with the Crown」。
こちらはポール・サイモン=S&Gなんかを彷彿させる楽曲。音は小さいですがホーンなんかもイイ感じで鳴ってます。途中でそのホーンに絡むコーラス、エンディングでの圧倒的で眩いコーラス。これも素敵なフォーク&ソフトロック。
下にアップしたのは1973年の南カリフォルニア大学のキャンパスで行われた野外ライヴの貴重な映像。彼女の歌・演奏の上手さは、音が悪くても素晴らしいものだったということが分かります。
タートルズに提供し、彼女の名を一躍有名にした⑤「Lady-O」。
タートルズのアレンジとそっくりなセルフカバーです。でもコレ、ひょっとしたら元々がこういうアレンジだったものをタートルズがカバーした…とも解釈出来ます。ジュディの才能を鑑みると、きっとそうなんだろうなあと。プロデューサーにタートルズのジム・ボンズが名を連ねているのも、そういった関係だったのではないでしょうか。弦楽四重奏(だと思うのですが)が美しい調べを奏でます。メロディも美しい…絶句。
グラハム・ナッシュがプロデュースしたシングル⑥「Jesus Was a Cross Maker」。
この曲を最初に聴いたとき、あまり印象に残らなかったのですが、仕事で疲れたとき、ふっとこの曲を聴くと、実に味わい深い楽曲に聴こえたんですよね。この曲に救いを求めるわけではありませんが、ジュディの音楽にはそういった、人の心に何か訴えかけるものがあるような気がします。
J.D.サウザーとのロマンスの破局がきっかけとなって生まれた曲とも云われてます。ちょっとゴスペルタッチな楽曲。特にエンディングでの徐々に盛り上がってくるコーラスはかなりゴスペル色が濃い。リタ・クーリッジがコーラスで参加。
フォーキーな⑧「My Man on Love」。
アコギ1本の地味なフォークタッチの楽曲ですが、出だしから1人多重録音のコーラスが素晴らしい。しみじみと聞かせるメロディも素敵です。そして曲が進むにつれ、コーラスが盛り上げてくれます。途中からチャイムがアクセント鳴りますが、これも素晴らしいアレンジ。心が落ち着く、癒しの曲…。
ちょっとブルージーな⑩「Enchanted Sky Machines」は本作では異色の曲。
ピアノはもちろんジュディ自身が弾いているもの。力強いドラムは誰が叩いているのでしょうか?本作にはミュージシャンのクレジットが全くないので誰が参加しているのか良く分かりませんが、デヴィッド・クロスビーとかグラハム・ナッシュとの交流を考えるとダラス・タイラー辺りでしょうか。サックスもフューチャーされた力強いスワンプ・ロックですね。
ジュディは1973年にセカンドアルバムを発表するのですが、一説にはデヴィッド・ゲフィンを冒瀆するような発言(敢えてボカシて書いてますが)を公の場でしてしまい、それがデヴィッドの逆鱗に触れ、このセカンド、全くプロモーションされずに終わったらしい。
その後、ジュディは交通事故に逢うのですが、犯罪歴のある彼女には合法的な処方薬(鎮痛剤)が与えられず、結局麻薬に溺れていってしまい、1979年11月、ドラッグの過剰摂取により35歳という若さで亡くなってしまいます。その高い音楽性は後世認められていくのですが、才能溢れる方だったので、もっと多くの楽曲を発表していってほしかったですね…。
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