すっかり春めいて来ましたネ。ただ今日明日は天気が悪いようで…、寒いのはどうも苦手です…。
さて、今回はまたAOR、直球のAOR、ペイジスです!
ペイジスといえば3作目のアルバム「
Pages」が有名ですが、このファーストも実に味わい深い。実は私、長らく本作をスルーしていたのですが、ちょっと気になってチェックしてみたら、これが実にいいのです。セカンド、サードと較べて、ちょっとフュージョン・テイストが増している印象ですね。
サードアルバムでは完全にリチャード・ペイジとスティーヴ・ジョージのユニットになってしまいましたが、デビュー当時は完全なバンドでした。あ、ちなみにペイジスの作詞はジョン・ラングが務めてますが、彼は楽器が弾けなかったものの、メンバー扱いされてます。なぜならジョンはリチャードの従弟で、メンバーの誰よりもリチャードと付き合いが長いし、実際素晴らしいライターですから。
リチャードとジョンの関係は別にすると、ペイジスはリチャードとスティーヴがアリゾナのハイスクール時代からのクラスメートであったことからスタートします。1975年にLAに出て、バンドを結成した際も、このアリゾナ時代のメンバーがベースとなってます。一度は挫折するも、再び1977年にデモテープを複数の事務所に送り、それがボビー・コロンビーの目に留まり、本作にてデビューを果たします。デビュー前にこのバンドでアンディ・ギブのバックバンドを務めたことも良かったのかもしれません。
メンバーはリチャード・ペイジ(Vo、Key)、スティーヴ・ジョージ(Key)、ピーター・ラインハイザー(G)、ジェリー・マンフレディ(B)、ラッセル・バテリーン(Ds)。他にゲスト参加でフィリップ・ベイリー、ヴィクター・フェルドマン、マイケル・ブレッカー等。プロデューサーはボビー・コロンビー。
デビュー前、このメンバーでアンディ・ギブのバックバンドを務めていたことは先に述べた通りですが、その時代の「I Just Want To Be Your Everything」のライブ映像がありました。
確かにハイトーンコーラス…、バリー・ギブっぽいですが、コレ、リチャード・ペイジなんでしょうね。下の写真、左から2人目がアンディ・ギブ。左からピーター、アンディ、スティーヴ、リチャード、ジェリー、ラッセル。なんかいい感じですね~。
そういえば名盤と呼ばれているサードアルバムも「
Pages」。そしてファーストアルバムも「Pages」。実にややこしいですね。ファーストとセカンドはボビー・コロンビーがエピック所属のプロデューサーだったから、2枚ともエピックから発表されたもの。但しボビーがエピックを退社したことから、ペイジスもキャピタル・レコードへ移籍。こうしたことからサードアルバムも心機一転「Pages」としたものと思われます。
まずはメロウな②「This Is For The Girls」をどうぞ。
こちらも素敵なメロウチューンの③「Let It Go」。
リードヴォーカルはスティーヴ・ジョージ。シンセ音も素敵です。スティーヴがリードした作った曲でしょうか。ジェリー・マンフレディのベースもいいですね。全体的に肩の力が抜けたようなリラックスした感じのサウンドが実に心地いい。
ちょっとメロウでポップな⑥「If I Saw You Again」。
イントロのシンセ音、ペイジスらしいサウンド。スティーヴが弾いているムーグ・シンセですね。落ち着いた中にもポップなところもあったりして、なかなかなAORソング。
感動的なバラードの⑧「
It's Alright」。本作のハイライトでしょうか。7曲目にはドン・グルーシン作の「Interlude」がいいタイミングで収録されており、その流れからこの曲が始まります。アップした音源もそのような流れとなってます。グランド・ピアノはリチャード自身が弾いてます。朗々と歌い上げるリチャード、いいですね~。女性ヴォーカルはラニ・グローヴス。ブロウするサックスはマイケル・ブレッカーです。
ベースが唸っている⑨「Room At The Top」。
これはちょっと好き嫌いがあるかもしれません。フュージョン・ライクな楽曲。中段の展開はジェイ・グレイドンがやりそうな感じに聴こえなくもない。ただ全体的にはフュージョンっぽいサウンド。
当時はサードアルバムが日本でのデビューアルバムだったペイジス。つまりエピック時代の2枚は日本での発売は見送られていたんですよね。そんなイメージもあったので、このファーストは長らくスルーしていたのですが、ひょっとしたらサードよりもいいんじゃないかなと思ったりしてます。
そういえばリチャードとスティーヴはMr.ミスターで大成しましたが、なぜか私、Mr.ミスターのアルバムは全く聴いたことがありません。こちらもチェックしてみようかな。