梅雨の合間、素晴らしい天気ですね~。
まだビーチボーイズには早いですね(笑)。意識した訳ではありませんが、邦楽アーチストが続きます。
ハマショーこと浜田省吾。学生時代にハマショーのコピーバンドをやってまして、当時バイトしていたレンタルビデオ屋でハマショーのデビューアルバムからJBOYまで、すべて借りて聴きまくってました。特に印象的なアルバムが「Sand Castle」。初期のバラード集なんですが、ハマショーが素晴らしいメロディーメーカーであることがよく分かる1枚でした。
そのアルバムの中でも大好きだったのが「君に会うまでは」と「丘の上の愛」。「君に会うまでは」はハマショーのセカンドアルバムに収録されたフォーキーな名曲。そして「丘の上の愛」はハマショーの第二のデビューアルバムと呼ばれている「Home Bound」に収録された名バラード。
ってことで、今回は1980年に発表されたハマショーの初の海外レコーディングアルバム「Home Bound」をご紹介致します。
70年代のハマショーの音楽は、完全なフォークでもなく、ロックでもなく、どこか中途半端な感じのするサウンドでした。それが1979年、カップヌードルのCMソングとなった「風を感じて」がハマショーにとっては初の大ヒットを記録し、それでハマショー自身も自分の意見が言えるようになっていきました。ちなみにこの「風を感じて」は作詞に三浦徳子が一部手伝っております。殆どすべての楽曲の作詞作曲を自身が手掛けているハマショーとしては珍しいことです。キャッチーな「風を感じて」は、当時小学生だった私も曲を覚えてました。CMはすっかり忘れていましたが、YouTubeにその映像がありましたので、アップしておきます(ハマショーの音源が公式以外にYouTubeにアップされているのは極めて珍しいのですが)。
もともとジャクソン・ブラウンのようなロックが好きだったハマショーはロサンゼルスでの録音を決行し、そのサウンドも前作「君が人生の時」から比べても全く別物、かなりロック色の濃いものに仕上げます。自身が「第二のデビューアルバム」と呼ぶ所以ですね。
当初ハマショーは、憧れのザ・セクションのメンバーとのレコーディングを希望していたのですが、スケジュールの都合が付かず、その代わりに来たのがスティーヴ・ルカサー(!!)、ニッキー・ホプキンス、マイク・ベアード、フレッド・タケット、グレッグ・マティソン等。凄い!! だから本作の音もこんなロック色の濃いものになったんですね。
そのサウンドを象徴するのがオープニングナンバーの①「終わりなき疾走」。音源をアップ出来ないのが残念…。このサウンドの骨格を成すのはもちろんルークのギター。カッコいいハモンドオルガンはグレッグ・マティソンです。イントロから全開のサックスソロはラリー・ウィリアムス。この曲、ルークのバリバリのギターソロもしっかり収録!是非、スタジオレコーディングされた音源を聴いてほしいですね~。ここから第二のハマショーの黄金時代が始まります。
先に言及した名バラードの③「丘の上の愛」。メロウなギターソロはフレッド・タケット。イントロのピアノはニッキー・ホプキンスですからね~。ニッキーはこのレコーディング終了後、一緒にツアーに出ないかと再三ハマショーを誘ってきたらしい。ハマショーのメロディーに惹かれたらしいですね。アップした音源、すみません、本人の声ではないのですが、あまりにも似ているので(お聞き苦しくはないとは思うのですが)。
④「あばずれセブンティーン」は山口百恵に提供しようと思い書かれたものですが、結局採用されず。自身がライブで歌っていたところを甲斐よしひろが聞き、気に入ったことで、甲斐よしひろが先行して発表したもの。豪快なロックンロールです。コレ、歌詞もユニークだし、百恵さんが歌っても面白かったかと思うんですけどね。甲斐さんのライヴバージョンをアップしておきます。
⑨「明日なき世代」も、後の重要なライブレパートリーになる楽曲。アメリカンロック的なアプローチが成功した1曲。ギターはジェフ・バクスター。ジェフは他にも⑥「今夜こそ」、⑦「反抗期」、⑧「ガラスの部屋」でギターを披露し、各々3曲でギターソロを披露しております。
ハマショーの音源って、公式以外は殆どなく、本当は全曲紹介したいくらいなのですが…。他、エンディングトラックの⑩「家路」も素晴らしい。最初こそピアノだけのバラードですが、途中からルークのヘビーなギターが絡んできて、アメリカンロックへ変貌していきます。間奏のルークの長尺ギターソロもカッコいい!ゲスト参加でよくここまで弾いてくれました(って当時はハマショーも思ったのではないでしょうか)。
次作「愛の世代の前に」でブレイク…。その前夜の、スティーブ・ルカサーやフレッド・タケット、ジェフ・バクスターのギターソロが堪能出来る、洋楽ファンも納得のアルバムです。名作ですね~。
本作を聴いて感じるのは、ハマショーってやっぱり稀代のメロディメーカーじゃないかってこと。あと長年のパートナーである町支寛二のコーラスワークも見逃せません。ロス録音、かつ海外ミュージシャン器用で、この面子だったら、やっぱりコーラス隊はリチャード・ペイジとかビル・チャンプリンとか呼ぶでしょ。でも本作のコーラスは町支寛二ひとりなんですよ。これって凄くないですか?