昨日の帰省は見事に新幹線の人身事故に引っ掛かってしまいました。
退社時間を1時間早めて、早々に名古屋を出発したものの、熱海駅辺りで急停車、缶詰状態に。結局2時間20分遅れで東京駅に到着。金曜日の夜って、だいたい満車状態なのですが、幸いにも16時台の新幹線に乗車したこともあり、私の隣席は空車で、缶詰状態といってもあまりストレスなく過ごせたので、まだ良かったんですが、これがいつも通りの18時台に出発していたら、どうなっていたことか...。
ってことで繋がりはないですが、今回は私の大好きなザ・バーズです。バーズって、その時その時でやってる音楽が変わってくるんですが、今日ご紹介の10枚目のアルバムはR&B、カントリー、ブルーグラス、アメリカンロック…、まあ節操ないですね(笑)。そんなこともあり、恐らくザ・バーズのアルバムの中でも、最も評価の低いアルバムじゃないでしょうか。
プロデューサーはテリー・メルチャー。テリーはバーズのファースト、セカンドもプロデュースしており、前々作の「Ballad of Easy Rider」からは、引き続きテリーがプロデュースしております。メンバーの馴染みのプロデューサーってことなんですが、本作に限っては、メンバーに了解なく、オーバープロデュース気味なサウンドに仕立ててしまってます。
メンバーはロジャー・マッギン、クラレンス・ホワイト、スキップ・バッテン、ジーン・パーソンズの4人。結成当時のバーズはスタジオミュージシャンを起用していたりしてましたが、もうこの頃はライブバンドとして実力は相当なものでした。そして後期バーズを支えていたのはギターの名手、クラレンス・ホワイト。彼のバイオグラフィを拝見すると、モンキーズのレコーディングに参加…ってあるのですが、私の記憶する限り、彼はモンキーズの未発表曲「Steam Engine」にしか参加していないと思われます(違ってたらすみません)。カントリー・ロックの牽引者であるモンキーズのマイク・ネスミスとは接点があったんだろうなあと想像します。
シングルカットされた①「Glory, Glory」は、ゴスペルタッチな女性コーラスをフューチャーしたメンフィスソウルを思わせる1曲。メリー・クレイトンも女性コーラス隊の一員として参加してます。イントロの力強く撥ねているピアノはラリー・ネクテル。
④⑤とスキップ・バッテンの作品が続きます。④「Tunnel of Love」はバーズらしからぬブルースタッチなR&Bソング。バーズの楽曲とは思えませんね。ジャグ・バンド・スタイルの⑤「Citizen Kane」もバーズっぽくない。
ブルーグラス調のインストの⑦「Green Apple Quick Step」はクラレンス・ホワイトとジーン・パーソンズの共作。
ジーンのバンジョーとクラレンスのギタープレイが堪能出来ます。フィドルはディラーズにも在籍していたバイロン・バライン。
②「Pale Blue」と同様の路線のロジャー作の⑩「Kathleen's Song」。
これもまたオーバープロデュース気味なサウンド。これはもうちょっとフォーキーに仕上げても良かったのかもしれません。
本作中の白眉は間違いなく⑪「Jamaica Say You Will」。もちろんジャクソン・ブラウンの有名な1曲ですね。
但しこの時はジャクソン・ブラウンもデビュー前の無名な存在。そんな中でこの作品を採り上げたクラレンスのセンスが素晴らしい。クラレンスのヴォーカルも味わい深い。
通してじっくり聴くと、かなりいいアルバムなんじゃないかなと思ったりしてます。ウエストコースト・ロックは、本作を境に、バーズからイーグルスに、リード役がバトンタッチされていきます。