本作中、一番有名なトラックは何と言ってもムソルグスキーのクラシック「禿山の一夜」を大胆にアレンジしたものでしょう。④「Night on Bald Mountain」、このトラックではドラムスのスティーヴ・ガッドが暴れまくってます。彼のシンバルワーク、タムワーク、すべての「らしさ」が詰まっているような名演。またタイトなドラミングが、この曲が持つダイナミックな曲調にマッチしてますね。この当時、ガッドは29歳。前年にチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエバーに加入しますが、短期間で脱退。スタジオミュージシャンとしては駆け出しの頃で、まだヴァン・マッコイの「ハッスル」やポール・サイモンの「恋人と別れる50の方法」、ましてやスティーリー・ダンの「Aja」の名演を披露するずっと以前。但しもうこの時点でガッドのドラミングは完成していた訳ですね。
本作には3曲のオリジナルと3曲のカバー(ウチ2曲はクラシック)が収録されてますが、もちろんボブのオリジナル作品が秀逸であることは言うまでもありません。アルバムの幕開けとなる①「Valley of the Shadows」はボブのオリジナルです。オープニングとしてはかなり難解、かつ9分強と長尺な演奏。ロックではプログレが流行っていましたが、それに対抗するように、ジャズサイドからアプローチしたようなクロスオーバーサウンド(今でいうフュージョンでしょうか)。実にスリリングで、緊張の糸が切れることはありません。
その緊張感あるサウンドから一転して穏やかなエレピが心地いい②「In the Garden」。これはオルガン奏者だったパッヘルベルのカノンという作品をアレンジしたもの。ハーモニカやスティール・ギターまで加わるアレンジ…、すべては1曲目との対比、そのギャップを感じるからこそ、本作が生きてくるような気がします。
⑤「Feel Like Making Love」は同じ年にロバータ・フラックが発表した名作。一般的にはボブがロバータの作品をカバーした形となってますが、実際はボブはこの曲を4月にリリースしてるのに対して、ロバータは6月にリリースしているんですね。ちなみにロバータの同作収録のアルバムにボブは参加してます(本作に参加しているラルフ・マクドナルドも参加してますね)。この時代のニューソウルの面々とジャズ(特にクロスオーバー)の面々は、かなり交流がありましたからね。
こんちは、ボブジェームスファン歴40年です
ボブの最高傑作はOneだと思います。
特にValley of the shadows、
これを聴いて感動しないとボブの音楽は理解できない❗と断言しちゃいます(笑)
学生時代、部屋で寝てたら、ジャズ通(今70代か)の叔父が入ってきてボブのLPを見るなり
「ボブジェームスか?ちゃんとしたジャズ聴かなあかんぞ!」と、言われました(笑)
通には「まともなジャズではない」と認識されてましたけどボブを知っていたのはチョッと嬉しかったですね。