このグレイスが、新たにバンドに変化をもたらします。彼女が持ち寄った曲は3曲。その内の2曲が②「Somebody To Love」と⑩「White Rabbit」で、この2曲がバンドのイメージを決定付けてしまいます。
②「Somebody To Love」は見事にシングルヒット作となります。しっかりヒッピーなサイケ感を盛り込みつつ、力強いロックな演奏、実はサビのメロディもキャッチーと、時代の流れを読んだヒット曲をいえるかもしれません。一度聴いたら忘れられないような楽曲です。
そして⑩「White Rabbit」。White Rabbitって麻薬の隠語らしいのですが、歌詞は「不思議の国のアリス」をモチーフとしたもので、楽曲自体も「Somebody To Love」よりサイケしてます。アップした映像も見事にサイケサイケで、実にスリリング! それにグレイス、凄みがありますよね。
それにしてもこのバンド、イメージ先行でじっくり聴くと、実はイメージとは違うバンドであることが分かってきます。アルバムトップの曲、①「She Has Funny Cars」はスペンサー・ドライデンのリズミカルで軽快なドラムソロから始まる曲。ヴォーカルが入る前のギターのリフは、どことなくモンキーズのデビュー曲「恋の終列車」を連想させます(時期的には合っているし)。バックの演奏は、恐らくこの当時のバンドの中でもかなり上手いと思います。しっかりした演奏、男女混合ヴォーカルの、この当時らしいロックナンバー。
それにしても意表を付かれたのが③「My Best Friend」。この作品はデビューアルバムでドラムを叩いていたスキップ・スペンスの作品。実にフォーキーで、これこそ男女混成コーラスが冴えていて、ママス&パパスっぽい。サイケなイメージでこの曲を聴くと、ジェファーソン・エアプレインの曲??って思ってしまいますね。当時のウエストコーストロックって、ジェファーソン・エアプレイン、ママス&パパス、グレイトフル・デッド、ドアーズなんかが活躍しており、当然ながら彼らの中でも交流はあっただろうなと思われます。
ポール・カントナーの曲もご紹介しておきます。⑧「How Do You Feel」。これもフォーキーで、コーラスが生かされてますね。印象的にメロディを奏でているのはフルートでしょうか。フォーク好きのポールらしい1曲。