アルバムタイトルトラックの①「Good Times 」はハリー・ニルソンの楽曲。1968年1月のセッションで、既に収録されていたもの。ハリーの歌うデモバージョンは既に一部公開されてましたね。ここではその音源を使ったのでしょうか、ハリーのヴォーカル、当時のドラム、ベースが使われてます。ドラムは当時のモンキーズ・セッションでは御馴染みのエディー・ホー。ニルソンにしては珍しく、R&B調の楽曲。当時からミッキーはよくこうした楽曲を歌っていたので、彼のヴォーカルはぴったりですね。
②「You Bring the Summer」からが、今のモンキーズのサウンドといえるかもしれません。XTCのアンディ・パートリッジ作の、完全なポップス。ミッキーがリードヴォーカル、ピーターはヴォーカルとオルガン、マイクがヴォーカルとギターで参加。タイトル通り、夏を運んでくるような楽曲で、本作からのセカンドシングル。
③「She Makes Me Laugh」はウィーザーのリヴァース・クオモの作品。楽曲はポップスですが、ギターの音色なんかは、どことなくバーズを思わせます。ここではピーターがバンジョーを弾いてます。本当はこうした楽曲は間違いなくディビーが歌うとぴったりくるんですけどね。
④「Our Own World」はプロデューサーのアダムの作品。リズム自体はビートルズの「With a Little Help from My Friends」そっくり。恐らくアダムにはそんなイメージがあったのかもしれません。間奏のギターソロはラガロックを思わせるもの。 ②~④はバックのミュージシャンもほぼ同じ。今の等身大のモンキーズですが、私はこの3曲を聴いて、ブライアンが参加したビーチボーイズの「That's Why God Made the Radio」をすぐに想い出しました。同じような手触り・・・といいましょうか、ポップス感覚がいいんですよね。明らかに当時のモンキーズとは違うんですが、ブライアンっぽいポップスが、今のモンキーズにぴったりのような気がします。
⑤「Gotta Give It Time」は当時のモンキーズ作品の御馴染みライター、ジェフ・バリーの作品。一部1967年1月の音源を使ってます。また本作の聴き所のひとつ、⑧「Love To Love」はニール・ダイヤモンドの作品で、なんとディビーのヴォーカルが堪能出来ます。つまりこちらも音源は当時の、1967年1月のセッションのものを使ってます。⑤も⑧も同じセッションで、ギターにはヒュー・マクラッケンが参加。彼は既に亡くなっているので、当時の音源なんでしょうね。 また⑪「Wasn't Born to Follow」は1968年3月のセッションのもので、キャロル・キングがシティで演奏していたもののカバー。確か当時、バーズもカバーしていましたね。ギターにアル・ケーシー、ベースはマックス・ベネット、ドラムはアール・パーマー、ヴァイヴはミルト・ホーランド。当時の黄金セッションメンバーですね。フォーキーなサウンドといい、ピーターのヴォーカルといい、どれもいい味だしてますね。
意外と本作で好きなのはノエルとポール・ウェラーが共作した⑩「Birth of an Accidental Hipster」。かなり強力なロックナンバーで、マイクも歳を感じさせない力強い声を聞かせてくれます。後期ビートルズフリークのノエルらしいナンバー。途中、リズムが変わるところとか、随所に凝ったアレンジが施されてます。②~④と比べると、ちょっと違和感はありますが、私の好みですね。
真のモンキーズファンにとっては、メンバーのオリジナル作品が気になるところですが・・・。ピーターは⑨「Little Girl」というワルツ調のピーターらしい落ち着いた楽曲を提供。ディビーのことを思いながら作った作品とのことで、ピーター曰く「自由になりたい(I Wanna Be Free)」のフォローソングとなって欲しい由。またマイクは⑫「I Know What I Know」を提供。マイクのことだから、こってりしたカントリーかなと思ったら、比較的地味なスローバラード・・・ですね。ピーターもマイクも、アルバムの中の1曲として聴く分には味わい深い楽曲を提供してます。一方ミッキーはアルバムエンディングの⑬「I Was There」をアダムと共作。こちらは力強いロックナンバー。歌詞もカッコよく、ミッキーだけはロッカーとして未だに現役(笑)・・・と思わせる仕上がりです。
TVはよく見ていました。ドタバタコメディではありますが、今でいうところのプロモーションビデオでもあり、私は彼らが劇中で演奏するシーンが好きでした。特に印象に残っているのは、イギリス出身のD,ジョーンズの御祖父さんが、アメリカで頑張っている孫に会いに来るということで、デイビーが、祖父の来訪を心待ちにしている時にバックで流れた「灰色の影」Shades of Grayです。