まずはアルバムトップのハードな①「Had To Cry Today」。これこそブラインド・フェイスのサウンドかもしれません。イントロは完全にクリームの世界。力強いエリック・クラプトンのギターリフに、ジンジャー・ベイカー特有のドタバタしたドラム。でもスティーヴのヴォーカルが入ってくると、やっぱりトラフィックの香りが…。スティーヴ作です。
アルバム作品中、唯一のカバーが③「Well All Right」。バディ・ホリーのカバーです。この作品を収録した時点では、まだリックは参加しておらず、よってここでのベースはスティーヴです。曲はポップだし、恐らく本作の中では、すんなり馴染める曲なのではないでしょうか。個人的には結構好きな1曲です。エンディングでのピアノのグルーヴ感も素晴らしい。でもよく聴くとベースがカッコいいですね。やっぱりスティーヴは天才です。
本作中、恐らく最も有名な曲がエリック作の④「Presence Of The Lord」でしょう。後のスワンプへ傾斜していくエリックの前途を感じさせる1曲です。アーシーなバラード調から、一転して激しいギターフレージングから繰り出されるパートも大好きです。個人的にはこの流れは、後の名曲レイラを感じさせる展開ですね。
ここまでがA面。そしてB面はたった2曲。勘の鋭い人はもうお分かりかと思います。ジンジャー・ベイカーの悪い癖がまたここでも出てしまってます(笑)。まあそれは6曲目なんですが、その前にB面トップの⑤「Sea Of Joy」は、間奏のリックのヴァイオリンがひとつのハイライトで、そこだけはなんとなくのどかな雰囲気が漂うのですが、それ以外はなかなか緊張感のあるスリリングな演奏が楽しめます。スティーヴの熱唱を煽るようなエリックの力強いギターリフとジンジャー得意のタムでのドラミング、どれもが素晴らしいです。
アルバム最後を飾るのはジンジャー作の⑥「Do What You Like」。邦題「君の好きなように」。そう、誰もが「ジンジャー、お好きなように」と突っ込みを入れたくなるような1曲です(笑)。これ1曲で15分強。もったいない…(失礼)。
こんな素晴らしい作品を残したブラインド・フェイスですが、結局ジンジャーとエリックが仲違いして、敢え無く空中分解してしまいます。この後スティーヴはなぜかジンジャーのバンドに加わるのですが、その後ソロアルバムの制作に入り、そこにクリス・ウッドとジム・キャパルディが加わったことで、トラフィックとして名盤「John Barleycorn Must Die」を発表します。エリックの活躍も皆さん、ご存知の通りですね。