以前から交流のあったブロガーさんが、ある理由から突然ブログを閉鎖され、音信不通となってしまいました。もちろん音楽ブログを通じた交流しかなかった訳ですが、改めてネット上でのお付き合いの限界を感じさせられました。何のしがらみも無い訳ですから、お互い別にそんなことを気にすることもない、でもいざ姿を消されてしまうと言いようのない寂寥感が私を襲ってきました。
今回はそのブロガーさんに対する感謝の念をこめて、彼女が大好きだったカーペンターズを採り上げてみました。
ポップスが大好きな私もカーペンターズは大好きなんですが、彼らに対する音楽評論家の評価はきわめて低いですね。ああした音楽(ポップス)というのは難しく感じることもない、単純なもの、と評論家は捉えるのでしょうか。残念な話です。実はカーペンターズほど、緻密に計算されたポップスはないと思っていて、それは今回紹介する彼らのラストアルバムでも感じられます。
70年代後半のカーペンターズは人気も下降線、リチャードは睡眠薬中毒、カレンは拒食症に悩まされておりました。カレンは心機一転、ソロアルバムの制作に取り掛かりますが、これも結局オクラ入り(後に発表されましたが、これが結構いいアルバムなんです)。そして本作の制作に取り掛かる過程で、カレンは結婚。恐らくこのアルバムの制作過程において、カーペンター兄妹の状態も良好なものだったと推察されます。なぜなら本作はそういった良好な状態が反映されているようで、クオリティが相当高い内容となっているからです。
アルバムトップを飾るのは①「
Those Good Old Dreams 」。シングルカットもされたジョン・ベティス/リチャード・カーペンターのゴールデンコンビによる軽快なポップナンバー。スティール・ギターが入るところやリズムパターンは「Top Of The World」とソックリ。80年代の幕開けに相応しく、昔懐かしい夢の新しい日を歌ったナンバー。今、聴くとこうした王道のポップスはエバーグリーンな香りがしますが、当時はジャーニーやTOTOに代表される商業ロック、デュランデュランやアダム&ジ・アンツに代表されるニューロマンティックが台頭してきており、こうしたポップスは見向きもされていなかった・・・というのが正直なところだったと記憶してます。
アップしたのは当時のPV。バンドのメンバーが映ってますね。ギターはトニー・ペルーソ、ベースはボブ・メッセンジャー(この人は本来フルートを吹いている人)、ドラムはコビー・オブライエン。ちなみに本作、レコーディングメンバーはベースはジョー・オズボーン、ドラムはロン・タット(プレスリーバンドのドラマー)です。それにしてもカレン、見ていて痛々しい。この後拒食症で急死してしまいますが、もうガリガリですね。
80年代サウンドといえば、この③「(Want You)Back In My Life Again 」は以前のカーペンターズには見られなかったAORサウンド。
リズムアレンジはマイケル・マクドナルドが得意としていたシンコペーションを用いたもの。もちろんAORが大好きな私にとっては、この曲は大好きな1曲です。カーペンターズが歌う必然性はないのですが、これも時代の流れでしょう。この作者のクリス・クリスチャンって、同年にAORの名盤「クリス・クリスチャン」を発表しているクリスのことでしょうかね?曲調からすれば彼でしょう。
アップした映像はカレンのドラムプレイがフューチャーされたもの。
カーペンターズといえばロジャー・ニコルスの作品を好んで歌っていました。この復帰作にも彼の作品が収録されているのはファンとしては嬉しい限りです。それが④「When You've Got What It Takes 」。
「人生はただ何気なく生きるだけじゃなくて、生きているのが素晴らしいことだと、きっと感じるわ」
カレンを励ます意味合いもあったのでしょうか。この歌詞はビル・レインという方のもの。その歌詞に、ロジャーが素敵なメロディを付けます。これこそカーペンターズ・ワールド!当時の時代の流れからは取り残されたような音かもしれません。でも私はこの楽曲に代表されるように、このアルバムが後世に残る素晴らしい作品であることを確信してます。
⑤「Somebody's Been Lyin'」はキャロル・ベイヤー・セイガーとバート・バカラックのスィートなバラード。これは正直キャロルのオリジナルバージョンの方が素晴らしいと思います。余談ですが、このオリジナル曲が収録されたキャロルの「Sometimes Late At Night」というアルバム、AORの屈指の名盤だと思ってます。
⑧「When It's Gone (It's Just Gone) 」も①④の流れを汲むカーペンターズ流ポップス。
優しく、心に染みるメロディが堪りません。ランディ・ハンドレィという方の作品。ここでもスティール・ギターがいい味を出してますね。この楽曲にはカレンもドラムで参加しているようです。
このアルバムは私が洋楽を聴き始めた頃に発表された作品なんです。そして当時ラジオから流れてきていたのが⑨「Beechwood 4-5789 」。
邦題は「恋のビーチウッド」。正直アルバムの中のこの曲の立ち位置は、かなり浮きまくってますね。70年代のカーペンターズが得意としていた60年代アメリカンポップスのカバーなんですが、①~⑧までが80年代カーペンターズサウンドとすれば、この曲は70年代カーペンターズの王道。昔のファンもこうした音を求めていたし、アルバムタイトル「Made In America」のイメージとしても、この楽曲を収録する必要があったのかもしれません。
こちらも当時のPVをアップします。映像からも60年代アメリカングラフィティの臭いがプンプン漂ってきますね。スタジオ収録バージョンのサックスはトム・スコット(映像ではボブ・メッセンジャーが吹いてますが)。それにしても何度も申しますが、カレンの痩せた姿が痛々しい。こんなに底抜けに陽気なポップスなのに・・・、余計にそのギャップを感じてしまうのは私だけでしょうか。
⑩「Because We Are in Love (The Wedding Song)」は①と同様、ジョン・ベティス/リチャード・カーペンターのゴールデンコンビによる作品。これはもちろんカレンの結婚式用に書き上げたもの。オーケストラをバックにカレンが美しく、淑やかに歌い上げます。
カレンは1980年8月31に実業家と結婚。しかしその結婚生活も長続きはしませんでした。ただし離婚同意書にカレンが署名をする6時間前、1983年2月4日に、カレンは両親の自宅で倒れているところを発見され、32歳の若さで亡くなってしまいます。拒食症が原因とされ、当時中学生だった私もカーペンターズを好きになった直後だっただけに、大きな衝撃を受けた記憶があります。
このアルバムがカレンの生前発表された最後のアルバムとなってしまいました。個人的には本作、70年代に発表されたカーペンターズの名盤に匹敵する、素晴らしい作品だと思ってます。
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