柄にもなくクラッシュです。
洋楽を聴き始めた頃、彼等の「Rock The Casbah」がヒットしてました。彼等がパンクバンドであったことは後から知ったこと。「Rock The Casbah」はパンク音楽とは違う、私にとっては大人のロックといった捉え方をしてましたね。
ただ雑食派の私でも、なぜかクラッシュのアルバムは未聴のままでした。ロック史上、パンクバンドとしては非常にクオリティの高い音楽を発表していったクラッシュ。今回、オフのバーゲンセールでついに名盤「London Calling」を購入。ここ数日、じっくり聴いております。
本作は1979年に発表された、クラッシュ3枚目のアルバム。発表当時は2枚組の大作でした(4枚目のアルバムは3枚組なんですが・・・)。レコード会社を騙して、2枚組として発表したクラッシュらしいエピソードもあります。
従来のパンク・ミュージックから完全に逸脱した、ロック史上に残る名盤。ジャケはプレスリーの名盤をモチーフとしたものですね。
アルバムタイトル曲でもある①「London Calling」から、ちょっとパンクとは違う香りを醸し出してます。それでもギターの音色はパンクだし、ジョー・ストラマーの遠吠えとか、もちろん歌詞もパンキッシュだし、ある意味、クラッシュらしい1曲。
それに続く②「Brand New Cadillac」はヴィンス・テイラーの1958年に発表したロカビリーナンバーのカバー。シングルB面の楽曲だったようで、それに目を付けたクラッシュのセンスに脱帽。このビンビン来るロカビリー色、かっこいいですね。
③「Jimmy Jazz」・・・、4ビート的なルーズ感覚で、途中にはサックスも。
クラッシュ流ジャズ・ナンバーでしょうか。ここまで来るとパンク音楽とはいえませんね。エンディング近くに流れるオルガン??とかも、いい感じです。もちろん歌詞は相変わらずパンキッシュですが。
ライブ映像をアップしておきます。
ポップチューンの⑥「Spanish Bombs」。
邦題は「スペイン戦争」ですが、歌詞もズバリ、1930年代のスペイン内戦を歌ったもの。曲はポップなのに、実は歌詞はパンク。これぞクラッシュの真骨頂ですね。
聴けば聴くほど名曲だなあと。
不思議な魅力の⑧「Lost in the Supermarket」。
イントロから16ビートを刻んで、メロディでは裏打ちのハイハットで・・・。淡々と歌われるメロディ。なんだか不思議な楽曲です。
このアルバムを最初に聴いたとき、この曲の持つシャープさが印象に残りました。いい曲ですね。
キタ、キターーー! 従来のクラッシュらしいカッコイイ1曲の⑨「
Clampdown」。ギターの使い方とか、かなり音楽的にもクオリティが高いです。
https://www.youtube.com/watch?v=_lt4O-EHNnw
このアルバムが面白いのはスカとかレゲエとかが、クラッシュの音として消化されているからなんですが、とてもスカしている⑪「Wrong 'Em Boyo」。
もう従来のパンクバンドのクラッシュはここには居りません。スカ特有のコーラスとか、メンバーは嫌がらなかったのかな。というか楽しそう・・・(笑)。
スカ・ミュージックをご紹介したのでレゲエもついでに・・・。⑱「Revolution Rock」はDanny Rayというミュージシャンのカバー。というか恐らくクラッシュのバージョンの方が有名でしょう。いい感じのレゲエですね~。
エンディングは⑲「Train in Vain」。
急遽収録されることになったことから、この曲だけアルバム歌詞カードがないんですよね。その急遽収録されることになったこの曲がシングルカットされ、クラッシュ初の全米TOP30にランクインされたというのもちょっと皮肉なエピソードです。
ホントはもっといろいろ紹介したい楽曲もあったのですが・・・。もともと2枚組作品なので、盛りだくさんの内容です。初めてこのアルバムに接した方は、これはパンクバンドの作品ではないと思われたと思います。
恐らくデビュー当時からのクラッシュファンは憤ったのかもしれませんね。