元々はジョージ・ハリスンの「Cloud Nine」からのシングル「This is Love」のB面に収録する新曲について、ジョージがプロデューサーでもあるジェフ・リン、そしてロイ・オービソンに相談。「Handle With Care」を収録することとなります。
収録はボブ・ディランのホーム・スタジオ。そしてたまたまジョージのギターを預かっていたトム・ぺティ。この2人も合流し、最終的には5人で「Handle With Care」を完成させますが、この楽曲があまりにも素晴らしいかった。その勢いでこの覆面バンドが結成されるに至ります。
(一説にはレコード会社がメンバーの権利関係から「Handle With Care」のジョージ名義での発表を嫌ったとの説も)
①「Handle With Care」、もうこの1曲だけでも聴く価値は十分あります。いかにもジョージの作品らしい作り、ジェフ・リンが料理したと思われるアレンジ、どれも音楽の魔法を感じさせます。特にジョージのスライド・ギター、ボブのハーモニカなんかは味わい深く、いつ聴いても心が動かされます。
ロイのハイトーン・ヴォーカル、ボブ&トムの投げやりなヴォーカルも味があります。気のせいかジョージのヴォーカルもボブ・ディラン調のように聴こえますね。
でましたジョージの⑦「Heading for the Light」。ちょっとシャッフル系のリズムはビートルズの「 I Want To Tell You」を思わせますが、もっと明るいムードの楽曲。間奏のサックスはジム・ホーン。ちなみにこのアルバムのタイトなドラムはジム・ケルトナーですね。
このアルバムのなかでは①に次いでお気に入りの1曲です。
エンディングの⑩「End of the Line」はジョージ→トム→ジェフ→トム→ロイとメンバーが交互にリードを取ります。カントリータッチの味わいのあるナンバー。
アップした汽車のなかでの演奏シーンのPVにはロイは映ってません。ロッキングチェアに彼のギターが揺れてます。そして彼の写真が・・・。
1988年12月、ロイは心筋梗塞で急逝してしまいます。このトラベリング・ウィルベリーズで奇跡の復活を遂げ、これから第一線で活躍していく直前での出来事でした。恐らく4人のメンバーのショック、相当なものだったのだろうと推察されます。ご冥福をお祈りいたします。
良いですよね、この「奇跡のバンド」。
Handle With Careの「これぞ、ジョージ!」なサウンドに顔がにやけてしまいます。
今考えると、ありえないメンツですよね。
リイシューされた時のDVD付きの箱を持っていますが、付属のDVDが中身が濃く、ドキュメンタリーとしてとても面白かったです。
もうジョージもロイもこの世にいないんですよね・・・
あぁ、Time Waits For No One・・・。
Vol.2が聴きたかった!
☆golden_70sさん、コメント有難うございます。
「Heading For The Light」・・・、ジョージのアルバム「クラウド・ナイン」っぽいというか。あっ、「クラウド・ナイン」はある意味プロデューサーのジェフ・リンのアルバムともいえますね(笑)。
一番年下のトム・ぺティ。堂々としてますが、さぞかし嬉しかったことでしょうね。
"Handle With Care"のビデオ、いいですね。
直訳すれば「気をつけて運べ」ってことでしょうか?(笑)
あるサイトによると、ジョージが「誰か歌詞を考えてくれよ!」って紙と鉛筆を持って言いながら、ボブ・ディランに「詞を書いてよ」って持ちかけると、ボブは気分転換を兼ねて、手を貸すことにしたそうです。そして、「それはどういう歌なんだ?タイトルは何だ?」と聞かれ、ジョージが辺りを見回すと、「こわれもの、取扱注意"Handle with care"」と書かれた段ボールがあったそうです。そして反射的に「"Handle With Care"という歌だ」とディランに告げ、「うんいい、気に入ったよ」と頷き、歌詞を書き始めたそうです。
1つのマイクで5人が歌っている映像が素晴らしいですね。ロイの声は特徴があるので、すぐ分かりますね。
デル・シャノンもアルバム"Rock On!"の制作が終盤にかかり、新たなキャリアを出発させようかという矢先の自殺だったんですよね・・・。アマゾンで見たら、表も裏もギターを抱えたシャノンの写真だったような・・・。