シブい1枚。さすがにこのアルバムをご存知の方は少ないと思われます。私もグラハム・グールドマンの名前くらいは知ってましたが、彼のソロアルバムとなると、その存在は全く知りませんでした。
先日オフで本作(日本盤・帯付)を発見。もちろん全く予備知識はなかったのですが、監修が長門芳郎氏であったこと、1968年発表と私好みの時代であったこと、「バス・ストップ」「フォー・ユア・ラブ」等、既に知っている曲が収録されていたことから購入を決意(といっても400円の代物だったのですが・・・)。
またこのジャケットも名盤っぽい気品が漂ってます。
グラハム・グールドマンはご存知、10CCのメンバー。この当時は職業ライターとして著名な存在だったようで、このアルバムのアレンジャーはなんとジョン・ポール・ジョーンズ。あのツェッペリンのベーシストですね。
それからプロデュースはグラハム自身とハーマンズ・ハーミッツのピーター・ヌーン(これは名前だけのようです)。そしてエンジニアはエディ・クレイマー!
ミュージシャンのクレジットは全くないので分かりません。渚十吾氏の素敵なライナーにも記載がありますが、一部ドラムはジョン・ボーナムのような気もします。わたしはこの時代のロンドンのピープルズ・ツリーはあまり詳しくないのですが、その辺りの繋がりを想像するだけでもワクワクしてきます。
このアルバム、約30分と非常に短い内容ですが、ジョン・ポール・ジョーンズがアレンジしたと思われるストリングスが非常に美しく、ゾンビーズの名盤
「Odessey and Oracle」を思わせるようなソフトロックの名盤だと思います。特に②「Bus Stop」はホリーズがヒットさせた誰もが知る名曲ですが、ここでのグラハムのセルフ・カバー・バージョンは弦楽四重奏が奏でる素敵なイントロを持ち、個人的にはホリーズ・バージョンよりもお気に入りです。
以下映像はこのアルバムから①「The Impossible Years」、⑦「No Milk Today」、②「Bus Stop」、⑩「Pamela, Pamela」をメドレーで繋いだものです。前述の華麗な「Bus Stop」は3分42秒あたりから聴けます。
グラハムはこのアルバムの発表と前後してマインドベンダーズへ加入。エリック・スチュアートと合流して10CCを結成することとなります。
グラハム、こんな素晴らしいソロアルバムを残していたんですね。