本作はポリスの衝撃のデビューアルバム。
私が洋楽を聴き始めた頃はポリスのよく分からない日本語の「De Do Do Do, De Da Da Da」が流行っていた頃で、その後発表されたアルバムの電卓みたいなジャケットに可笑しさを感じていたものです。
ただそのアルバムに収録されていた「Every Little Thing She Does Is Magic」のスピード感にはすっかり参ってしまい、特にシャープなドラムはエアドラミングをして真似したものです。
ですから後に大ヒットした「Every Breath You Take」には、「これはポリスではない」とがっかりしましたね。
やっぱり私のなかのポリスはシャープなロックなんですよ。そういった意味ではこのデビューアルバムが実はポリスのベスト作品とも思えてくるのです。
本作中、私のベストは①「
Next To You」。もういきなりデビューアルバム1曲目にノックアウトです。ひょっとしたらポリスの作品中、一番好きかもしれません。
ポリスはスティングだ、いやアンディ・サマーズだ、等々のご意見が多い中、やはりドラム経験のある私としては、やっぱりスチュワート・コープランドなのだと思ってしまいます。特にこの「Next To You」、明らかに走り気味のスチュワートのドラミングが曲中疾走していきます。相変わらずタムを効果的に織り込んだドラミングは小気味いい。もう名曲ですね~。
アップした映像、えらい狭いところでやってます。この当時はまだまだデビュー直後で、認知度も低かったのでしょう。でも演奏は熱い。しかも珍しくスチュワートのドラミング映像が堪能できます。
レゲエ感覚たっぷりの②「
So Lonely」。
アンディ・サマーズのギターの音色が非常に鮮やかで、彼のセンスが光ります。アンディはアニマルズやソフト・マシーンといった著名バンドに在籍していた人物。ポリス加入直前はカリフォルニア州立大学ノースリッジ校で音楽を勉強し直した学者肌で、ポリスがスリーピースバンドなのに実に味わいあるサウンドを聞かせるコア部分を担っています。
有名な都営浅草線の車内で撮影された映像をアップしておきます。
名曲にしてデビュー曲の③「Roxanne」。
これはよくドラムをコピーしました。ハイハットの使い方、タムとライドシンバルの効果的な組み合わせ方、どれも勉強になる楽曲です。サビも極めてシンプルですが、実にかっこいい。
⑥「Can't Stand Losing You」はセカンドシングル。
自殺を扱った楽曲で、BBCでは放送禁止となった由。「Roxanne」は娼婦を歌ったものだし、とにかくデビュー当時はパンキッシュなポリスだったんですね。
えらいスピード感のある⑦「Truth Hits Everybody」、ちょっとポップで間奏に台詞が挿入され、知的な感じを漂わせる⑨「Be My Girl - Sally」も魅力的です。
エンディングはエスニックな⑩「Masoko Tanga」。
レゲエからアフリカンまでこなすパンキッシュなポリスは他のパンクバンドとは一線を画す存在となっていくのでした。