なぜかこのアルバム、相当前にCDで購入したあったのですが、シールズ&クロフツについて詳しかった訳ではありません。恐らく名曲「Summer Breeze」を聴きたくて買ったと思うのですが、なぜこの1枚を購入したのか、正確には記憶にありません。ただアルバム全体を聴いた印象として、いい曲が詰まっているなあ、といった感想を持ったことはよく覚えてます。このアルバムがベスト盤だと思っていたくらいです。
シールズ&クロフツは1969年に結成されたフォークデュオ。マイナーレーベルから2枚のアルバムを発表し、その後ワーナーからメジャー・デビューを果たし、マイナーレーベルから通算して4枚目の本作が大ヒットを記録します。
このアルバム、プロデューサーはルイ・シェルトン。購入時は意識の外だったのですが、この人、モンキーズの影のギタリストだった人ですね~。
またバックのメンバーが錚々たる面々。
Louie Shelton (b,g,b-vo)
Red Rhodes (steel-g)
Harvey Brooks (b)
Wilton Felder (b)
Joe Osborne (b)
Jim Gordon (ds)
John Guerin (ds)
Jim Keltner (ds)
Russ Kunkel (ds)
Milt Holland (per)
John Hartford (banjo)
John Ford Coley (p,b-vo)
Larry Knechtel (p)
Clarence McDonald (p)
Michael Omartian (p)
Jim Horn (fl)
いやいや、すごい顔触れです。ちなみにジョン・フォード・コネリーとは、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コネリーの片割れで、何を隠そう(隠してない??)イングランド・ダン・(シールズ)はジム・シールズの実弟です。
なんで弟が参加してないのでしょうかね(笑)。
ついでながらこのアルバムの中ジャケ、レコーディングメンバーのピクニック風景が掲載されてます。正直誰が誰か、よく分からないのですが(笑)。
このアルバムのキーとなっている楽曲はもちろん④「Summer Breeze」なんですが、①「Hummingbird」も彼等の非凡な才能を感じさせます。哀愁漂うイントロ、一瞬禁じられた遊び風なギターに哀しみを誘うのですが、絶妙なシールズ&クロフツのハーモニーに続き、次のフェーズへ。
全く違う楽曲のようでいて、うまく繋がっています。アレンジもいいし、素晴らしい楽曲です。
④「Summer Breeze」については名曲であることに異論はないでしょう。学生時代、英語が大好きだった頃、この曲のサビの部分、
♪ Summer breeze makes me feel fine・・・ ♪
ここを聴き取れたことが妙に嬉しかったものです・・・。
哀愁漂うメロディ、焼け付くようなルイのギター、S&Cの素晴らしいハーモニー・・・、いいですね。
アップした映像は、ルイのエレキ部分をダッシュ・クロフツのマンドリンでカバーしてます。このダッシュのマンドリンもS&Cの特徴なんですよね。
アルバムなかでは異色のちょっと明るめの楽曲が⑥「Fiddle in the Sky」。タイトル通り、ジム・シールズのフィドルがフューチャーされたフォーキーかつカントリーな1曲。S&Cの多彩な一面を感じさせます。
⑨「Advance Guards」は個人的に大好きな1曲。静かなフォーキー調な部分と中ジャケのピクニックの際に合唱で歌われそうな部分と、うまく組み合わさった楽曲。
その後シールズ&クロフツはコンスタントにアルバムを発表するも、1980年「Longest Road」発表後、音楽活動を停止。後にジム・シールズはインタビューで「曲が尽きてしまった。僕らのファンは常に同じような曲を求めて来て、だんだんと創作意欲が失われて行ってしまった」といった類の回答をしております。
現在はジムは弟と一緒にシールズ&シールズ(笑)として活動しているようです。
(後からブログ仲間の方々より、イングランド・ダン氏が今年3月に亡くなられているとのご指摘を頂きました。心よりご冥福、お祈り申し上げます。)