偉大なるアメリカンバンドの4作目 先日
洋楽カラオケバーの記事 をアップしたところ、GREE仲間のWさんよりお誘い頂き、先日ご一緒させて頂いた仕事仲間の方と3人で、再びあの洋楽カラオケバーへ繰り出しました。
先客は1名、最終的には我々3人の他に6人の方々が来店、皆で堪能した次第。
私はなんと11曲を熱唱。特にCCRの「Lookin' Out My Back Door」は気持ちが良かった~。
という訳で今回は偉大なるアメリカンバンドのCCRに敬意を称し、彼等の4作目を紹介します。
正式名称はCreedence Clearwater Revival。略してCCR。ジョン・フォガティのワンマンバンドで、殆どの作品は彼の自作です。1968年にデビューし、7枚のアルバムを発表するも1972年に解散します。彼等がスゴイのはシングルヒットも確実に量産していくなかで、高品質なアルバムも発表していったところです。ブルース、C&W、スワンプ、アメリカの良心ともいえる音楽を発表していったバンドですね。
本作は1969年に発表。1曲目からCCRらしい曲でスタート。それが「Down on the Corner」です。ポップなんですが、スワンピーな感じで土臭い感じが堪りませんね。それからなんといってもジョンの豪快なヴォーカルが素晴らしい。
下の写真がCCRなんですが、実は当初私はジョンは左から2番目の髭オヤジだと思ってました。だってあんなに豪快なヴォーカルはこんな顔しているでしょ(笑)。ところが実際はジョンは一番左の線の細そうな御方。ちなみに髭オヤジはドラムのダグ・クリフォードです。
③「Cotton Fields」はレッドベリー作のフォークのスタンダード曲でCCRはカントリー臭く演奏してます。これがいいんですね~。幼少時代、これはよく聴いてました。ビーチボーイズもカバーしてますね。
④「Poorboy Shuffle」はアルバムならではの間奏曲。ジャケットのWilly and the Poor Boysバンドが演奏しているみたいなジャグバンド風な楽曲。それにしてもこのジャケットもいいですね。貧困層→労働者階級を標榜するようなジャケであり、彼等のストレートなロックに繋がっていきます。
彼等のアルバムには強烈なブルースやR&Bが数曲収録されてますが、本作でいえば⑤「Feelin' Blue」と⑩「Effigy」がそういった楽曲です。つまりA面、B面のラストトラックですね。
シングルに馴染んだ耳は、この2曲には違和感を覚えることでしょう。でもこうした粘っこいロックにも彼等の骨太な姿勢が現れているような気がします。またこうした楽曲が加わることで、彼等のアルバムの評論家からの評価は非常に高いものとなっていると思われます。
B面トップの⑥「Fortunate Son」が本作中、一番強烈なロックでしょうね。大好きです。
映画「フォレストガンプ」をご覧になった方も多いでしょう。ベトナム戦争のシーンで、この曲が効果的に使われてました。
この曲、当時のベトナム戦争推進派の政治家、軍部を強烈に皮肉ったもの。ホントにかっこいい曲なのでYouTubeをアップしておきます。見るたびに心が熱くなります。
またジョンの声を知らない方もこれを機会に是非彼の熱いヴォーカルを聴いてみて下さい。まさにジョンのヴォーカルが吼えるように聴こえます。
⑦「Don't Look Now」はなんとロカビリースタイルです。⑥でジョンは吼えていたと思ったら、ここではプレスリーのような唄い方をしています。
そして⑧「The Midnight Special」はトラディショナルソングですが、CCRが最高のアレンジをしてます。徹底的に土臭く、サザンロック的に演奏してます。こうした楽曲にジョンの声は合っているんですよね。
本作はアルバムのクオリティが極めて高く、CCRのシングルヒット的な要素と、アルバム全体を通じた聴き応えと両方堪能できるものですね。もちろん次作の
「Cosmo's Factory」 も超おススメです。
最後に私の熱唱した「Lookin' Out My Back Door」(「Cosmo's Factory」収録)をアップしておきます。これも名曲です。CCR最高!
エミルーとのデュエットが美しいカントリーロックの名盤 前項でモンキーズのMicheal Nesmithの素晴らしさを書きましたが、その影響で最近カントリーロックをよく聴いてます。カントリーロックで絶対に外してはいけないアルバム、それが本作です。
カントリーロックの祖、グラム・パーソンズは1973年9月にアルコールと麻薬の過剰摂取により亡くなってます。つまり本作は遺作であり、本作が発表されたときには既に彼はこの世にいなかったのです。
しかも26歳と短命で、ソロの作品も本作を含めて2枚しかありません。ソロとなる以前はインターナショナル・サブマリン・バンド→バーズ→フライング・ブリトー・ブラザーズとカントリーロックバンドを渡り歩いていますが。
若くして父親と母親に自殺されたという過去を持つグラムは、もともと精神が弱かったのかもしれません。
私の大好きなEaglesのバーニー・レドンはフライング・ブリトー・ブラザーズで彼と一緒でしたが、後にEaglesでグラムのことを歌った「My Man」という美しい曲を
「On the Border」 で発表してますね。この曲を聴くと、グラムってイイ奴だったんだなあと思ってしまいます。
1973年に彼の初のソロアルバムとなる「GP」をリリース。そして同年夏に本作のレコーディングを開始。9月、そのレコーディングの最終段階に彼はこの世を去ってしまいます。
本作からは、彼の当時の精神状態の不安定さを聴き取ることは出来ないくらい、良質なアルバムに仕上がっております。
典型的なカントリーソング①「Return of the Grievous Angel」。アル・パーキンスのスティール・ギターが心地よいですね。また殆どデュエットといってもいいエミルー・ハリス、グラムとの声の相性もぴったりです。リード・ギターはエルビス・プレスリーのバンドにいたジェームス・バートン。アコースティック・ギターはバーニー・レドンです。
VIDEO 軽快なカントリー版ロックンロールの③「I Can't Dance」はグラムのオリジナルではありません。トム.T.ホールの作品。
個人的にカントリーで好きなタイプは“哀愁漂う楽曲”ですね。その好例が④「Brass Buttons」と⑤「$1000 Wedding」。このアルバムのひとつのハイライトかもしれません。
④「Brass Buttons」は前掲の通り自殺した母親へのレクイエムソング。しかしまさか自らが同じような道を歩むとは、皮肉といえば皮肉です。やはりグラムは精神の弱い人だったのでしょう。
⑤「
$1000 Wedding 」は花嫁に逃げられたなんとも悲しい詞ですね。これって実話なんでしょうか?結構リアルに描写してあります。
いや本当にライヴヴァージョンに聴こえますね。後者の曲は言わずと知れたバーズ時代のグラムの代表曲です。当然の流れなんですが、最近またバーズの「ロデオの恋人」を聞き込んでます。こちらは来週にでもアップしようかなと思ってます。 エンディングトラックの⑨「In My Hour of Darkness 」はグラムとエミルーの共作だったんですね。
のどかなカントリーソングでドブロが印象的です。ちなみにドブロとはギターのメーカー名で、そのまま楽器の名前にもなってます(現在はドブロはギブソンの傘下に入っているとのこと)。ギターの中央部分にリゾネーターという共鳴板を持つところが特徴で、この曲ではまたまたバーニー・レドンがドブロを弾いております。 特にこんなのどかなエンディングトラックですと、彼の精神状態が不安定であったなんて全く想像がつかないですね。 カントリーロックに馴染みがない方は是非本作を聴いて、カントリーの良さを味わってみてください。
職業作家が練り上げたモンキーズのデビューアルバム 事あるごとに自分の原点に戻るために、私の大好きなモンキーズをよく聴き返します。
モンキーズは、英国のビートルズに対抗すべく、米国の音楽出版会社である「スクリーン・ジェムス・ミュージック」の主催者であるドン・カーシュナーが作り上げたグループです。
そのオーディションにはスティーヴン・スティルスやポール・ウィリアムス、ダニー・ハットンやジョン・セバスチャン等も来ていたらしいですが、なぜか合格したのはディビー・ジョーンズ、ミッキー・ドレンツ、スティーヴンの友人であったピーター・トーク、そしてマイク・ネスミスの4人。
スクリーン・ジェムスは映画会社の系列にあることを武器に、1966年9月からモンキーズをコメディタッチのTVショーという形で、お茶の間に洗脳させていきます。そして同年10月に発売されたデビューアルバムが本作です。
本作、バックの演奏は殆どがスタジオミュージシャンです。といってもJim GordonやHal Blaine、Glen Campbell、Louie Shelton等名うてのミューシャンばかりなのですが。また作曲陣も当時は無名であった
Boyce&Hart が大活躍。その他David GatesやCarole King、Russ Titelman等が曲を提供しております。 そんななかで一人気を吐いていたのがマイク・ネスミスです。ピーター・トークもミュージシャンであったのですが(ディビーやミッキーは当時は殆ど素人同然)、マイクの才能は並々ならぬものだったんですね。実は仕掛人のドン・カーシュナーもその点を大いに見誤り、後に音楽的な自立を求めたモンキーズ等に解任されることとなるのです。 本作にはまだまだ青臭いのですが、キラッと光るマイクの名曲が2曲収録されてます。それが⑤「Papa Gene's Blues」と⑪「Sweet Young Thing」です(ただし「Sweet Young Thing」はCarole King、Gerry Goffinとの共作です。後にマイクはこの共作は楽しかったが、彼等の取り巻きが最悪で、もう共作は勘弁してほしいと語ってます。)。 ビートルズの対抗馬として考えられたモンキーズなので、当然ビート系のポップミュージックが作られていったのですが、この「Papa Gene's Blues」、なんとカントリーロックなんです。 恐らく大御所ドン・カーシュナーに対しても物怖じせずに、マイクは自己主張したのでしょうね。通常では考えられません。しかもビートルズでさえもリンゴがお遊び程度にやっていたカントリーロックを大胆にもデビューアルバムに入れてしまったのです。 殆どの方が楽曲を知らないと思いますので、コレ(↓)で聴いてみて下さい。
映像は当時のTVショーの模様です(如何にドタバタ劇だったかお分かりでしょうか?)。 すごい音楽でしょう(と感じるのは私だけでしょうか)?? もちろんプロデュースもマイク自身。スタジオミュージシャンには「もっとラテンに・・・」と指示を飛ばしていたらしいです。凄い!! そして「Sweet Young Thing」も音は凝ってます。なんとこの曲にはフィドルが使われております。そのフィドルと競うようなギターソロがサイケっぽいです。 本作にはデビュー曲の⑦「Last Train to Clarksville」や彼等のテーマソングの①「(Theme From) The Monkees」も収録されてます。それらのクオリティが相当高いのは当たり前としても、これら以上にマイクの2曲はオリジナリティが光ってますね~。 あと忘れてならないのはディビーのヴォーカルがスィートな2曲、③「I Wanna Be Free」と⑩「I'll Be True to You」。「I Wanna Be Free」はイントロのアコギがなんとも物憂げで、楽曲として相当レベルが高い名曲。そして「I'll Be True to You」はあのラス・タイトルマンが作曲した甘いポップス。 モンキーズ自身が殆ど演奏していないとはいえ、本作、アメリカンポップス史残るに偉大なるアルバムです。ただ個人的にはこの後に発表されていくモンキーズのアルバムの方が大好きですね。 そうそう、下の写真は最近のマイクです^^。