収録曲は以下の通り全10曲。
1. "Handle With Care" ~ トラヴェリング・ウェルベリーズのカバー
2. "So Begins The Task" ~ スティルス「Manassas」(1972)
3. "River Of Gold" ~ コリンズの新曲
4. "Judy" ~ スティルス「Just Roll Tape(1968年のデモ集)」(2007)
5. "Everybody Knows" ~ レナード・コーエンのカバー
6. "Houses" ~ コリンズ「Judith」(1975)
7. "Reason To Believe" ~ ティム・ハーディンのカバー
8. "Girl From The North Country" ~ ボブ・ディランのカバー
9. "Who Knows Where The Time Goes" ~ サンディ・デニーのカバー
10. "Questions" ~ スティルス「Last Time Around」(1968)
本作はジュディの美しいヴォーカルと二人のハーモニー、そしてスティーヴンのギターを楽しむアルバムです。また皆さん、ご想像の通り、本作には派手さは全くありません。だから余計に1曲目のジョージ・ハリスンが結成したトラヴェリング・ウィルベリーズのヒット曲のカバーである①「Handle With Care」にはビックリ。地味な本作ではちょっと浮いちゃっているカバーですが、スティーヴン、ひょっとしたら合流したかったのでしょうかね(笑)。
本作は驚くほどYouTubeに音源がアップされてません。それだけ世間一般に認知されていないんですかね。アップしたのは当時のライブ模様。ちょっと見づらいシーンはありますが、二人が楽しそうに演奏していることはよく分かります。
サンディ・デニーが在籍していたフェアポート・コンヴェンションのカバーの⑨「Who Knows Where The Time Goes」。https://www.youtube.com/watch?v=IQa_utWHaPA
この曲はジュディが1968年に発表したアルバム「Who Knows Where The Time Goes」にも収録されてます。そして実はこの曲こそ、スティーヴンが正式にジュディと一緒にレコ―ディングした楽曲なんですね。二人の思い出の曲といったところでしょうか。こちらもライブ映像をアップしました。映像は荒いですが、音はクリアです。ジュディの澄んだ声が美しい。スティーヴンは後段から渋いギターを披露します。
そしてスティーヴンは、ジュディと「Who Knows Where The Time Goes」を収録した後、そのままスタジオに残り、④「Judy」のデモを収録しました。
https://www.youtube.com/watch?v=NlDRAjVyPrg
この時の音源は一時、行方不明になったのですが、2007年に他のデモ曲と一緒に発表されるに至ります。本作のバージョンは骨太なロックにアレンジされてます。サビでの二人のハーモニーが素晴らしい。
まずはアルバムトップを飾るWave Twoで発表された①「Still Feel Like Your Man」が非常にいい!
いきなりファルセットヴォイスを駆使したサビ…、ソフィスティケートされた演奏、実に洒落てます。ここにはブルージーなギターを弾きまくるジョンではなく、R&B系のオシャレなシンガーのジョンがいます。この曲、最初にラジオで聴いたとき、正直、ジョン・メイヤーと気付くのに時間がかかりました。
初期ジョン・メイヤーを彷彿させるフォーキーで素朴なメロディが魅了の②「Emoji of a Wave」。Emoji…??? 絵文字・・・、ですよね(笑)。歌詞にemojiという単語は出てきませんが、日本好きのジョンらしい。この曲、美しいハーモニーが魅力のひとつですが、これはビーチボーイズのアル・ジャーディンとその息子が参加したものです(たまたまスタジオに居たらしい)。
私の大好きな②「Castle on the Hill」。エド曰く「ブルース・スプリングスティーン的な青春もの」として書かれたらしい。歌詞には ♪ Singing To Tiny Dancer ♪ ってフレーズがありますが、このタイニー・ダンサーって、エルトン・ジョンの曲ですね。エド、本当にこの曲を口ずさみながら、ドライブしたことがあるらしい(笑)。そして歌詞を連想させるようなPVもいいですね。もちろんサウンド面でもリズミカルなドラム、カッティングし続けるギター、どれも疾走感を感じさせるもの。カッコいいです。
④「Shape of You」と前述の「Castle on the Hill」が、先行して配信された楽曲。「Shape of You」は単調で私好みの曲ではないんですが、妙に印象に残る楽曲です。間奏の手拍子だけとなるところとか、サウンド面も凝ってます。アップしたオフィシャル・ビデオにはお相撲さんまで登場します。