音楽の杜:2009
2024-03-09T22:45:53+09:00
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50代の洋楽フリーク。AOR、ソフトロック、フュージョン、ハードロック等、よい曲なら何でも聴きまくる雑食派。好きな音楽を徒然なるままに書き綴っていきます。
Excite Blog
Manassas「Pieces」(2009)
http://y240.exblog.jp/33278638/
2024-03-09T05:19:00+09:00
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2024-03-09T05:19:52+09:00
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2009
さて、今回は私の大好きなスティーヴン・スティルスです。
1971年にはCSN&Yの活動は終了し、各メンバーはソロ活動に注力していきます。スティーヴンは自身のセカンド「Stephen Stills 2」を発表し、プロモーションツアーを敢行。そのツアーも9月には終了し、スティーヴンは同ツアーメンバーだったダラス・テイラー(Ds)、カルヴィン・サミュエルズ(B)、ポール・ハリス(Key)、ジョー・ララ(Per)等と共にマイアミのクライテリア・スタジオに入ります。
そこで新たなプロジェクトの構想の一環として、パートナーにクリス・ヒルマンを招聘。クリスはフライング・ブリトー・ブラザーズのメンバーでしたが、この時点で解散を決めていたものと思われます(もともとクリスの方がスティーヴンに新たなプロジェクトを持ちかけたとの説もあります)。クリスは複数のメンバーと共にマイアミに合流し、マナサスが結成されます。そして発表されたアルバムが「Manassas」です。
マナサスは結局、セカンドアルバムを発表後に空中分解してしまうのですが、(前置きが長くなりましたが)今回ご紹介するアルバムは、そのマナサスの未発表音源集です。ですから発表された時期は2009年ですが、音源自体は1971年~1973年(一部1975年)のもの。
通常未発表音源集というと、中身が詰まらないものが多いのですが、本作はなかなかの良作。もちろんアルバムとしてのバランスは全く取られていませんが、1曲1曲は聴き所のあるものばかりです。
まずは個人的ハイライト・トラックからご紹介しておきます。それがクリス・ヒルマン作の③「Lies」。
https://www.youtube.com/watch?v=lKSIhK8CI4s
カッコいいロックナンバーです。まず印象に残るのがスライド・ギター。これはゲスト参加したジョー・ウォルッシュのプレイ。もちろん当時はジョーがイーグルスに加入するなんて、誰も想像すらしていなかったと思いますが…。
この曲のライヴ映像がありましたが、なぜかスティーヴンは演奏終了後に登場(笑)。しかも(恐らく)デヴィッド・クロスビーと共に登場してますね。
クリスとジョー・ララ(でしょうか)がフロント・マン扱いしたステージとなってます。いずれにしても貴重なマナサスの演奏シーンです。
「Stephen Stills 2」に収録されていた②「Sugar Babe」。https://www.youtube.com/watch?v=01TFP1xnrgQ
ソロのバージョンとテンポもそう大差ないのですが、マナサスの方がより、バンドサウンドに近いイメージでしょうか。但しダラスやポール、カルヴィンと同じメンバーでの演奏ですから、恐らくマナサスとしての肩慣らし的な楽曲だったのでしょう。個人的に好みの楽曲でしたのでチョイス致しました。
⑤「Like a Fox」も「Sugar Babe」と同様のミディアム・テンポのロックナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=hL1qTtmquRs
スティーヴンらしいナンバーですが、こちらはアル・パーキンスのスティール・ギターが効いており、よりカントリー・ロックに近いイメージです。
ボニー・レイットがコーラスで参加しております。
せっかくなのでクリス作のスワンプな楽曲⑨「Love and Satisfy」もご紹介しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=-Yr2yh9pjBE
イントロのギターは一瞬CCRと勘違いしてしまうくらいスワンピーで泥臭く、いいですね。
この曲は後にThe Souther-Hillman-Furay Bandで採り上げられます。そちらはJDサウザーやリッチー・フューレイの味付けもあり、スワンプというより、カントリー風味が効いております。
ヘビーなブルース・ナンバーの⑩「High and Dry」。https://www.youtube.com/watch?v=682SUPUNcAQ
たまにはこういうブルージーなナンバーもいいですね。
スティーヴンとアルのギターの応酬がスリリング。そしてスティーヴンの熱唱…、この辺りが聴き所ですが、2分30秒過ぎから、後から入れた歓声と共にテンポアップした後半の熱いジャムも、このバンドの熱い演奏が楽しめます。これがなぜお蔵入りとなったのか分かりませんね。
本作は①~⑩がロック、⑪~⑭がカントリー・ブルーグラス、⑮がスティーヴン単独という構成です。せっかくなのでブルーグラス調の4曲から1曲セレクトしておきます。セカンドアルバムでも披露されていたスティーヴン作の⑬「Do You Remember the Americans」。
https://www.youtube.com/watch?v=3h3LNE-2MqM
セカンドアルバム収録の正式なバージョンよりもかなりテンポアップしたアレンジ。こちらが原型ということです。
バンジョーはアル・パーキンス、マンドリンはクリス・ヒルマン。この二人のプレイが光ります。
個人的にはスティーヴンの音楽は、70年代前半からマナサス辺りが一番好みです。この作品集も、彼の良さが十分発揮された一枚。味わい深いですね。
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Ben Sidran「Dylan Different」(2009)
http://y240.exblog.jp/32263152/
2021-08-12T07:05:00+09:00
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2009
まず最初は、オリジナルはディランにしてロックチューンの①「Everything Is Broken」。1989年発表の「Oh,Mercy」に収録されていたナンバー。ちょっとブルージーなロックンロールを、ベンは予想通り、超クールにアレンジしてます。そもそもベンのヴォーカルも熱唱スタイルでない淡々と歌うスタイルですからね。もしこのアレンジがお気に召せば、本アルバムも「買い」だし、他のベンのアルバムもおススメします。
原曲はディランにしては陽気な楽曲の⑤「Rainy Day Woman」。
https://www.youtube.com/watch?v=E7sPwz2QmdU
こちらも完全にベン・シドランの世界。オリジナルの陽気さは影を潜めて、あくまでもクールに…。アクセントのオルガンだけがちょっと陽気な雰囲気。コーラス隊も気だるい感じを醸しだしてますね。
多くの方がにカバーされている名曲⑧「Knockin' On Heaven's Door」。
https://www.youtube.com/watch?v=W7DUMfT2ZnY
村上春樹氏の「村上RADIO」でもオンエアされました。その時の村上さんのコメント…。
「ベン・シドランとはコペンハーゲンのジャズクラブで会って仲良くなったんですよ。カフェ・モンマルトルという古いジャズクラブがあって、ベン・シドランがライブに出ているというので聴きに行ったんだけど、向こうも僕のことをたまたま知っていて、休憩時間に二人でずっと話してました。けっこう趣味が合うんです。」
あ~、ベンと村上さん、如何にも趣味が合いそう(笑)。その後、ベンは村上さんにCDを送ったそうです。その中にこのアルバムもあり、村上さんは「Knockin' On Heaven's Door」が一番のお気に入りとのこと。私がとやかくコメントするより、村上春樹さんの一番お気に入りといえば、それで十分でしょう(笑)。イントロのクールなトランペットはマイルスの世界。最初のヴォーカルはJorge Drexlerって方。めちゃくちゃいいですよ、このカバー。
オリジナルは紙芝居のように歌詞の単語をペラペラめくるPVで有名な⑨「Subterranean Homesick Blues」。
https://www.youtube.com/watch?v=GCZFMWXuGCU
これをベンはどう料理するのかなあと思ったら、やっぱり原曲とは違うアプローチ。クールでカッコいいなあ。これ、パッと聴いただけでは「Subterranean Homesick Blues」って分からないですね。ただ、ちょっとラップみたいな歌詞が「もしや?」と思わせるところかも。
⑨「Subterranean Homesick Blues」同様に名盤「Bringing It All Back Home」に収録されていた⑩「On The Road Again」。
https://www.youtube.com/watch?v=r1UOPr_Fkho
オリジナルはロック色の強い力強いナンバーですが、これもベン流に料理してますね~。確かに歌詞は一緒ですが、原曲をよく知らなければカバーとは分かりませんね。
最後は超有名曲の⑫「Blowin' In The Wind」。
https://www.youtube.com/watch?v=6horS8w01y8
個人的にはこのアレンジ、あまりベンらしくないなあと感じます。静かなピアノだけのイントロからは「風に吹かれて」とは全く分かりませんが、ベンが歌いだすとカバーだと分かります。ベンにしては珍しく、一聴してカバーと分かるアレンジ。これはこの曲の持つ普遍性を意識して、敢えてこうしたアレンジにしたのかもしれません。崩すに崩せないほどの名曲ということでしょうか。
もちろんベン・シドランはまだ現役。彼の70年代に発表したアルバムはどれもおススメですが、今も相変わらず洒落た音楽をやっております。
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Chris Botti 「Chris Botti in Boston」 (2009)
http://y240.exblog.jp/20526917/
2013-07-20T21:58:45+09:00
2013-07-20T21:59:03+09:00
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2009
ここ最近のお気に入りのジャズアルバムはクリス・ボッティの「In Boston」。これ、単なるライヴアルバムではありません。豪華な、超豪華なアーチストが参加しているんです。私が購入したのはDVD付のアルバムですが、これは間違いなくDVD付のものをお勧めします。DVDを観て、CDを聴くと、より一層このライヴの素晴らしさが理解出来ると思いますので。
(珍しくAmazonでもこのDVD付CDは好評価ですね)
なんといっても1曲目が素晴らしい。楽曲は①「Ellens Gesang III ("Ave Maria")」ですからね。映像をみてウットリ、CDを聴いてウットリ。
続いて②「When I Fall In Love」。この1,2曲だけでもこのCDは買う価値ありますよ。この「When I Fall In Love」、イントロ導入部分はバンドのアレンジが効いていて、この演奏が段々と熱を帯びていきます。ドラムのBilly Kilson、かなり凄いドラマーです。とにかくDVDで見ると、彼の熱いプレイがよく分かります。間違いなくこの曲を引っ張っていっているのはBillyのドラムですよ。
この熱い演奏の余韻冷めやらぬなか、エンディングではまたクリスがクールなメロディを奏でます。
3曲目の「Seven Days」はもちろんスティングの作品。そしてヴォーカルにはスティング本人が登場です。クリスはスティングのバンドでトランペットを吹いていたこともあるので、この二人、旧知の間柄ということですね。何も知らないと違和感を感じてしまいますが・・・。でもこの曲でのクリスのトランペットはやっぱり冴えています。
⑥「Cinema Paradiso」では世界的チェリストのヨー・ヨー・マが登場。ピアノとチェロのイントロが素晴らしいですね。それに続くクリスのトランペット・・・。実に落ち着きのある至福の時間です。
トランペットですから当然巨匠マイルスの曲も1曲収録されてます。それが⑧「Flamenco Sketches」。ここではクールジャズといった感じで、バックの演奏も4ビートジャズをしっかり演奏してます。
そして本作中、一番の聴き所は⑪「Smile」でしょう。ヴォーカルは・・・、あのスティーヴン・タイラー。そう、エアロスミスのスティーヴン・タイラーです。しかもあの容姿でジャズ・ナンバーを・・・。これこそ是非映像を見てほしい。結構イケテるんですよね(笑)。
言わずと知れた、エアロスミスはボストンを拠点に活動しているバンドです。ですから彼が登場したのでしょうかね。演奏最後に分かることですが、会場最前列にはスティーヴンの父親がいらしゃったようですね。
アルバムの最後を飾るのは⑬「Time to say goodbye」。サラ・ブライトマンが歌って有名になった曲ですね。楽曲も素晴らしいので悪い仕上がりになるわけがありません。
しっとりと夏の夜に聴くには、ぴったりの1枚です。]]>
Michael Buble 「Crazy Love」(2009)
http://y240.exblog.jp/12949472/
2009-11-14T00:04:00+09:00
2020-07-07T21:05:22+09:00
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2009
私は以前、彼の「Everything」という楽曲を聴いて、すっかり虜になってしまいました。初めこの声を聴き、てっきりジョン・メイヤーかと思ってしまいました。曲調も似ていますし・・・。その楽曲をアップしておきます。
今年34歳。なかなかのイケメンです。マイケルは2003年にデビューして以来、アルバムを3枚発表しており、この10月に待望の4枚目のアルバムが発表されたばかりです。
このニューアルバム、収録曲は以下の通り(公式サイトから抜粋)。
( )内は、オリジナル・アーティストもしくはカヴァーが有名なアーティスト
Cry Me A River(ジュリー・ロンドン)
All Of Me(スタンダード)
Georgia On My Mind(レイ・チャールズ)
Crazy Love(ヴァン・モリソン)
Haven't Met You Yet*(オリジナル)
All I Do Is Dream Of You(ディーン・マーティン)
Hold On*(オリジナル)
Heartache Tonight(イーグルス)
You're Nobody Till Somebody Loves You(ボビー・ダーリン)
Baby (You've Got What It Takes)(ダイナ・ワシントン・アンド・ブルック・ベントン)
At This Moment(ビリー・ヴェラ・アンド・ザ・ビーターズ)
Stardust(ナット・キング・コール)
Whatever It Takes(ロン・セクスミス)
オリジナルは2曲、あとはスタンダードナンバーを中心としたカバーです。
①「Cry Me A River」のスパイ映画のようなイントロには驚いてしまいましたが、基本はジャズスタンダード的な楽曲。この流れは②「All of Me」、③「Georgia on My Mind」と続きます。
ところがヴァン・モリソンの1970年の楽曲、④「Crazy Love」で、今までのジャージー感覚は薄れ、ちょっといぶし銀的なスワンプの香り漂う味わいに仕上がってます。マイケルのちょっとハスキーなヴォーカルが、本来この曲が持っているアーシーな感覚とマッチしてますね。
そして素敵なオリジナルナンバーの⑤「Haven't Met You Yet」。これ好みですね。この楽曲がファーストシングルであり、マイケルとアラン・チャン、エイミー・フォスター(デヴィッド・フォスターの娘)の共作です。
思いっきりポップな楽曲で、マイケルの非凡な才能を感じさせます。
オリジナルはもう1曲収録されてます。それが⑦「Hold On」。典型的なバラードですが、これまた素敵なメロディです。⑤と同じメンバーによる作品ですが、これもまたシングルカットされるんでしょうね。
他のカバーソングと比べると、ちょっと異色のカバーが⑧「Heartache Tonight」。ご存知イーグルスのカバーです。原曲はオーソドックスなヘビーロックなんですが、マイケルは軽やかなビッグバンド風にアレンジしております。こんなアレンジも「アリ」ですね。
ソウルフルなナンバーの⑩「Baby (You've Got What It Takes)」におけるマイケルのヴォーカル、とてもスティーヴィー・ワンダーに似てますね。実はソウルフルなヴォーカルにも感じさせるマイケルのヴォーカル、とても魅力的です。
ナット・キング・コールで有名な⑫「Stardust」は完全なジャズスタンダードなカバーですが、アカペラグループのNaturally7との共演が非常に味わい深いです。
このアルバム、既に全世界で2200万枚売れているそうです。こうしたジャズ的なアルバムは、リンダ・ロンシュタットやロッド・スチュアート等、大物アーチストが発表していますが、マイケルのように最初からジャズ的アプローチをして、大ヒットを記録したアーチストは少ないかもしれません。
決して派手なアルバムではないのですが、味わい深いアルバムです。こうしたアルバムが認められたということは、非常に喜ばしいことですね。]]>
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