従来、プロコル・ハルムといったら「青い影」というクラシカルなロックというイメージしか私にはなかったのですが、本作を聴いてみて、実はブルースやフォーキーな楽曲も演奏していたことに驚きを覚えた次第です。
プロコル・ハルムは1967年、ゲイリー・ブルッカーを中心に詩人のキース・リード、オルガンのマシュー・フィッシャー等で結成。同年4月にリリースされた彼等のデビュー曲「A Whiter Shade Of Pale」がビッグヒットを記録します。この邦題「青い影」、確かに名曲中の名曲ですね。ジョン・レノンは当時、「今の音楽業界でこの曲以外は聴く価値がない」とまで言っていたとか・・・。
さて、本作は1969年にリリースされた彼等の3枚目のアルバムです。
1曲目から「青い影」の臭いをプンプンさせたタイトル曲①「A Salty Dog」。クラシカルなメロディとオーバーなアレンジ。静と動がしっかりと生きた曲です。ドラムなんかも仰々しいですね。プロコル・ハルムのドラマーはB.J.Wilsonという方で、wikiによるとZEPに誘われたこともあるようです。確かにそのドラミングはずっしりと重たい感じがしますね。
そして私を驚かせたのが②「The Milk of Human Kindness」。そのネチッこいギター。プライアン・メイのギターの音色を連想してしまいました^^。
もちろんロビン・トロワーのプレイですが、恥ずかしながら、ロビンのギターを聴くのは初めてなんです。ジミ・ヘンドリックス・フォロワーとよく云われてますが、納得です。
③「Too Much Between Us」は更にびっくりでした(笑)。なんとも牧歌的でフォーキーな1曲。英国フォークといった趣でしょうか?
⑥「Juicy John Pink」・・・。この曲を単独で聴いて、プロコル・ハルムの演奏と気付く人がどれくらいいるでしょうか?? ロビンの楽曲ですが、完全にブルースですね。ここにはクラシカルなプロコル・ハルムは居りません。
YouTubeには2003年のライブ映像がありました。未聴の方はまずは驚いてください(笑)。
ロビンが提供したもう1曲、⑨「Crucifiction Land」。これもブルージーなロッカ・バラードです。これは⑥ほどブルース臭はありませんが、やっぱりプロコル・ハルム???と思ってしまう楽曲です。個人的にはこうした曲は好みですが・・・。
恐らく本作では①と並んで人気の高い1曲が⑩「Pilgrims Progress」ではないでしょうか?
「A Whiter Shade Of Pale」をモチーフとしたような作り。クラシカルなメロディとマシューのオルガンが心地いいですね。この曲も大好きなので、音源だけアップしておきます。
ロビン・トロワー在籍時のプロコル・ハルムは、ブルースやフォーキーなものも含めてプロコル・ハルムなのかもしれません。バラエティに富んだ1枚です。