迫力満点、Musician's Musicianのライヴアルバム皆さん、クリスマスイヴは如何お過ごしでしょうか? 我が家は、Wiiの登場によりリビングがドタバタ状態となり、愛犬が吼えまくっておりました^^。
さてクリスマスとは全く関係ありません、リトル・フィートの登場です。
ジミー・ペイジやミック・ジャガー、スティーヴ・マリオット、果ては桑田圭祐がサザンのデビューアルバムで「愛しのフィート」なる曲まで作ってしまうほど、プロのミュージシャンのファンも多いリトル・フィート。ミュージシャンズ・ミュージシャンとも呼ばれている所以ですね。
恥ずかしながら、私はつい最近までリトル・フィートというと「Willin'」しか知りませんでした。それが大きな勘違いの素でしたね。その圧倒的なうねりが聴ける彼等のライヴアルバム「Waiting for Columbus」に腰を抜かしてしまいました。
リトル・フィートは1969年、ローウェル・ジョージ(G)、ロイ・エストラダ(B)、ビル・ペイン(Key)、リッチー・ヘイワード(Ds)の4名で結成。リーダーのローウェルとロイは元々はフランク・ザッパのマザーズ出身。ローウェルはマザーズ時代にドラッグが歌詞に出てくる「willin'」を作曲。一説にはドラッグを一切やらないフランク・ザッパが、この曲が原因でローウェルを追い出したとの記事もありますが、この素晴らしい名曲にザッパが感動し、独立を促したとする性善説的なエピソードを尊重したいですね。
彼等の音の特徴を一言で表せば「うねり」といえましょう。その圧倒的な音圧が詰め込まれた素晴らしいライヴアルバムが本作です。
例えば②「Fat Man In The Bath Tub」は名盤「Dixie Chicken」に収録されたナンバーですが、スタジオ録音とこのライヴを比べてみれば、その音圧の違いは一聴瞭然でしょう。これはグイグイと引っ張るリズム隊、特にドラムのリッチー・ヘイワードに寄るところが大きいと思います。
彼のドラムは物凄いうねりを感じさせますね。一説にはZepのジョン・ボーナムも彼からの影響が少なからずあると云われてます。手数が多い訳ではないのですが、リズムで聴かせてしまう凄いドラマーです。
本作では一番好きな曲が③「All That You Dream」です。このイントロのリズム、グイグイ来ますね~。1972年にはリズムギターにローウェルの後輩であるポール・バレールが参加してますが、彼のリズムギターがいい味出してますよ。
ビル・ペインのシンセ等結構フュージョン色も加わっており、後期リトル・フィートの特徴がよく出ている曲です。いい曲なのでYouTubeアップしておきます。グイグイイってみてください^^。
⑥「Time Loves a Hero」はあまりにもドゥービー似ています。中期ドゥービーっぽいですね。ヴォーカルはパットそっくりだし、コーラスもドゥービーらしい。
この曲を発表した1977年当時、ローウェルは体調不良でビル・ペインが本領発揮した時期。つまりドゥービーを変革したマイケル・マクドナルド同様、ビルも同じ立ち位置であったのですね。尚、この曲が収録されたアルバムにはドゥービーがゲスト参加してます(やっぱりね)。
うねりやグルーヴを感じたいなら、やはり⑩「Dixie Chicken」でしょうね。ここでの演奏は9分近いものです。ビルのアドリブ、ローウェルのスライド、すべて堪能できます。
圧巻はこの曲からメドレーで続く⑪「Tripe Face Boogie」。強烈なブギーソングです。大音量で聴きましょう。
そして単なるブギーソングではありません。間奏ではシンセが大胆にも導入され、熱い演奏が繰り広げられます。
フォーク&カントリー臭漂う代表曲⑬「Willin'」は本作ではちょっと違和感ありますね。リトル・フィート版バラードといったところでしょうか? こうしたトラッキングソングは米国人には堪らないのでしょう。
⑮「Feats Don't Fail Me Now」・・・。完全にステージと観客が一体になってます。観客の歓声もよく聴こえるし、ノリに乗っている様子がよく分かります。
凄いステージですね・・・。
本来このバンドはローウェルのスライドが有名なのですが、個人的にはこのグルーヴ感が堪りませんね。