古くて新しい上質なポップス集!
竹内まりやの新譜が出ましたね。個人的にはそれほど興味はなかったのですが、たまたま聴く機会があり、今ではすっかりヘビロテ化しております(笑)。
多くのブロガーさんが本作レビューされてますので、今更の感もあるのですが、私なりのレビューを残しておきたいと思います。
さて竹内まりやといえば私としては「Natalie」で見せたカントリーフレイバー溢れる曲や、「もう一度」のような山下達郎節全開のポップスが大好きです。本作ではそういった楽曲がフューチャーされている印象ですね。
ベースに竹内まりやのオリジナリティが確りあるなかで、新たにさらりと聴かせてしまうところは、流石竹内まりや&山下達郎です!
①「君住む街角」は意表を付く50年代ジャズオーケストラ風サウンド。実際当時のカバーソングですね。この曲、1曲目に収まるべくして収まったと達郎氏は仰っていましたが、通常このテの曲はアルバムの最後に持ってくると収まりがいいと思われます。ただし本作、やはりエンディングトラックは⑫「人生の扉」しかないでしょうね。この曲の持つ素晴らしさは多くのブロガーさんがご指摘されているので、ここではセンチメンタル・シティ・ロマンスの名アレンジと、まりや嬢の味のある歌詞が素晴らしいとだけ申しておきます^^。これがエンディングトラックに収まってしまうと、やはり「君住む街角」は1曲目しかないでしょうね。
私の大好きな②「スロー・ラブ」。ミーハーと言われようが、やはりこれは竹内まりや&山下達郎流の素晴らしいポップスです!こうしたメリハリの効いたリズムは青山純のドラムでないといけないのですが、なんと本作、青山純氏はドラムを叩いていないとのこと。青山純ファンの私としては、そこだけが納得できません。誰かなぜ青山純が本作で叩いていないのか?、ご存知な方いらっしゃいますか???
この曲のエンディングはいかにも山下達郎らしいアレンジのコーラスが魅力的です。間奏部分の♪Love Love Love~♪のコーラスは、アソシエイションのソフトロックの超名曲「Everything That Touches You」のコーラスアレンジを連想させます。いや絶対にこの曲がベースになっている筈!と一人勝手に思っています(誰も思ってないって??)。
竹内まりや節の③「返信」や⑩「終楽章」、つまり「駅」のようなマイナーバラードって、彼女の十八番ですが、私は苦手です。スミマセン。
カントリー大好きな私としてはやはり⑤「シンクロニシティ」の哀愁漂うスチールギターが心に染みます。これも⑫「人生の扉」同様、センチメンタル・シティ・ロマンスのアレンジがいいですね。
こうしたスタイルの楽曲には、まりや嬢のアルトヴォイスが似合ってます。そうそう、センチメンタル・シティ・ロマンスのドラムは、元シュガーベイブの野口明彦氏だったんですね。業界、狭い世界です。
業界繋がりでいえば、⑦「Never Cry Butterfly」は大学の先輩でもあり、彼女をこの業界に引っ張りこんだ盟友、杉真理の作品で、彼が在籍しているピカデリーサーカスの楽曲ですね。
この曲、本当に味のある作品です。杉さんの曲にしては軽めのポップス然としていなくて、ちょっと骨のある渋い曲です。
竹内まりやのもうひとつの十八番がロッカバラードですかね?(例えば「リンダ」とか)
⑧「ラスト・デイト」は典型的なロッカバラード。このメロディライン、どこかで聴いたことがあるのですが思い出せません。ただこの曲名、ついつい岡田有希子のデビューシングルで、竹内まりやが楽曲提供した「ファーストデイト」を連想してしまいます。こんなことを連想しているのは私だけでしょうね(苦笑)。
⑨「クリスマスは一緒に」のリズム、というかギターカッティングは「プラスティック・ラブ」とそっくりですね。まりや嬢はサンソンで「この曲は達郎のギター・カッティングを入れたいばっかりに書いたようなところがある」と仰ってました。ですからあのカッティングがフューチャーされていて当然なんですね。
う~ん、やっぱり本作いいですね~。気付いたら毎日聴いてます^^。ポップスをこよなく愛する私としては、ややR&Bよりの山下達郎より、60年代ポップス愛好家の竹内まりやの楽曲の方がフィットしますね~。特に②「スロー・ラヴ」はストライクゾーンです。
古くて新しい、まさに美しく色褪せていくDenimのようなフォーエバーな彼女のポップスが大好きです。