ブルーアイドソウル系AORの名盤
以前から聴きたかったAORの名盤。今回ディスクユニオンで格安で購入したのですが、想像以上にいいですね。
グレッグ・ギドリーは米国ミシシッピー州出身で、母親がカントリー歌手だったことから、音楽環境には恵まれていたようです。幼い頃から家族でゴスペルを歌い、バンドを組む以前からピアノを習っていました。
1977年にはCBSソニーとライター契約を交わし、CLIMAX BLUES BAND, ENGLAND Dan & John Ford COLEY, Robbie DUPREE, EXILE, Johnny TAYLOR等に曲を提供。そして1982年、満を持して、自らのデビューアルバムを発表します。
本作にはギターにあのDan Huff、ベースにTOTOのDavid Hungate、サックスにはDavid Sanborn、そしてパーカッションには元Doobie BrothersのBobby LaKind等が参加。1982年当時の素晴らしきAORの音を聴かせてくれます。
シングルカットされた①「Goin' Down」が本作では一番有名でしょう。サビの前の部分なんか、ポール・デイヴィスの「クールナイト」を連想させます。またクールなキーボードとダン・ハフの乾いたギターは後期イーグルスを彷彿させますね。これぞ1982年のAORという感じです。
②「(That's) How Long」はモロドゥービー、というかマイケル・マクドナルドですね。特に ♪How Long♪ のコーラスの部分なんか、そっくりです。パーカッションが元ドゥービーのボビーというのも不思議な縁ですね。
そういえばグレッグのバイオグラフィーを見ていたら以下の文章を発見。
「He also joined some rock bands in Saint-Louis, playing with a good friend named Michael McDONALD!」
マイケルとは友人関係だったんですね!(と解釈していいんでしょうね??)
本作中一番好きな曲が④「If Love Doesn't Find Us」です。ほろ苦いメロウなバラードですね。こういうのに弱いんですよ、ミーハーなもので^^。
個人的には以前ご紹介した
ブルース・ヒバードの「You'll Never Let Me Go」と同じ路線の曲といった印象。
ダン・ハフのギターソロも、こうした曲にはぴったりくるハーモナイズド・ギターの雄、ジェイ・グレイドンのものとそっくりですね。
⑤「Gotta Have More Love」は後半、しつこく絡みつくようなダンのギターソロがいいですね。
アルバムタイトル曲である⑥「Over The Line」はロッカバラード風な3連リズムのロック。これはクールな印象はあまり感じられず、むしろこの時代に流行ったウエストコースト風AORロックです。
本作、全体的にはクールな感じのAORです。ジャケもグレッグの表情に憂いがあって本作にぴったり。いいですね。