70年代ソウルを見事に昇華したJ-POPの名盤!GW後半戦は全国的にいい天気でスタートしましたね。春のこんな日には妙に本作が聴きたくなります。今更の感もあるし、照れもありますが、でもやっぱり本作はいい。
学生時代、レンタルビデオ屋でバイトをしていたのですが、そのバイト先でドリカムを知り、まさに本作はリアルタイムで聴いてました。当時洋楽マニアの自分が、ここまで邦楽アーチストをリアルタイムで好きになることは殆どなかったので、我ながら驚きでしたね。
もう1曲目が全てでしょう。①「うれしい! たのしい! 大好き!」、曲名からしてドリカムらしい。こんなストレートな曲は吉田美和しか歌えないでしょう。イントロのアカペラのソウルフルなヴォーカルでノックアウトです。バックで終始鳴っているシンセは、モロにヴァン・マッコイのソウルクラシック「ハッスル」ですね^^。中村正人氏のアレンジも秀逸だと思います。
当時70年代ソウル、フィリーやディスコ等を含めた全てですが、それらを見事に自らの音楽に昇華してしまっているこのバンドに驚愕した記憶がありますね。
②「うれしはずかし朝帰り」。この曲名も彼ららしい。というか吉田美和ワールドですね。この①②でドリカムは完成してしまった感があります。それほど完璧なJ-POPです。GWはこの①②を流せば気分も高揚すること間違いなしですね。ジャケットも高揚感が漂っていていいですよね!
社会人1年目の同期の娘がよく歌っていた⑤「LAT. 43°N」。当時はこの曲のどこがいいのか?と思っていたものですが、マイナー調のよく練られた曲ですね。吉田美和の太いヴォーカルが冴える1曲。これは歌に自信のある人が歌うべき曲です。
本作は捨て曲がない名盤ですが、そんな素晴らしい楽曲のなかで、絶対の名曲と思うのが⑦「星空が映る海」。これ大好きなんですよね~。実は数あるドリカム作品のなかでも、一番好きかもしれません。本作を聴くのはこの曲のためといっても過言ではありませんので。
イントロのゴスペルタッチのアカペラが見事だし、その詞と楽曲が合っているんですよね。
♪ 風が遠くへ雲を運んで 満天の星空が見える
そっとあなたの肩にもたれて 流れ星見つけた♪
夜のドライブが何より大好きだった学生時代。この曲はそんな時代を思い起こさせてくれる大事な1曲です。フレンチホルンがいい味だしているんですよね~。星空の夜を見事に現してくれてます。これも中村正人氏のアレンジが冴えてますね。
そして気分がいくらか落ち着いたと思ったら、⑧「サンタと天使が笑う夜」のパーティーモードのイントロ。クリスマスソングって落ち着いた曲が多いのですが、流石ドリカム。見事なパーティーソングに仕立ててくれました。これも大好きな1曲です。
タイトルソングの⑨「LOVE GOES ON...」はドリカム流ファンク・チューンといったところでしょうか?本作で唯一気に入らないのは打ち込みサウンドが目立つこと。こうした楽曲はリアルなドラマーが叩いた方がいいと思うのですが、如何でしょうか?
⑩「未来予想図Ⅱ」はもう今更何の説明も不要でしょう。不朽の名バラードですね。個人的には中村正人のハモリバックコーラス(サビの部分です)を、カラオケで何の前触れもなく、突然やるのが大好きです^^。
本作は本当にいいアルバムですね。以降10年以上ドリカムをリアルタイムで聴いていましたが、個人的にはやっぱり本作がベストです。前述しましたが、2作目にして最高傑作を作ってしまったドリカムって、やっぱり只者ではありませんね。
あと当時から西川氏の役割には疑問を持っておりました。西川氏はキーボードとサウンド・デザインを担当していましたが、中村氏の才能を持ってすれば、西川氏のサウンド・デザインの役割って何だろうって、常々思ってました。3人(男2人、女1人)組というイメージ戦略なのか?
吉田美和のヴォーカル・作曲のセンス、中村正人のアレンジ能力、この2人があまりにも超越しているので、余計に西川氏に対しては、むしろ同情の気持ちが強かったですね。