村田和人らしさがストレートに現れた名作!村田さんの作品のなかではデビューアルバムと本作だけが長年未聴だったのですが、昨年の紙ジャケ化によりようやく聴くことができました!
本作は自身初プロデュース作品のサード・アルバムで、気心しれたバンドメンバーがレコーディングに参加してます。
オープニングはちょっとハードなロックナンバー、①「
We Love You」。
歓声を交えたオープニングでコンサートの幕開けを意識した曲でしょうか?
♪開演のベルが鳴り 待ちわびた 幕が開けば♪
歌詞どおりの演出ですね。
ちょっとハードなナンバーから一転、ウエストコースト的な乾いたギターソロで始まる②「Gimme Rain」は私のお気に入り。自身のライナーノーツによると、この曲、特に後半のブレイク後のコーラスがビートルズの影響を垣間見れるとよく言われたとのこと。私はビートルズよりもウエストコーストロックを連想します。でもブレイク後のコーラスは爽やかでいいですね。
④「Weekend Love」は土曜のモーニング・ワイドショーのテーマ曲になったとのこと。全く記憶にありません(笑)。
キャッチーなメロディが素敵な1曲。村田さんらしい曲ですね。
村田さん自身もお気に入りのエンディングのコーラス♪Get Your Love♪、いいですね~。山下達郎っぽいコーラスアレンジです。
本作では地味な印象の⑤「あの波をつかまえて」。実は本作で一番好きな曲かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=UCbtOLe8Tp0♪あいつの名前を 想い出した時 少しうつ向いた 夜がよみがえる♪
安藤芳彦氏のほろ苦い詞が、村田さんのノスタルジックなメロディとマッチした素晴らしい1曲。渋いギターは山下達郎氏。こうしたバックギターに関しては山下達郎は天下一品ですね。16ビートのカッティングだけではない達郎さんのギターが聴けます。こちらでは村田さんの弾き語りをアップしておきます。
別にこの曲に深い思い出がある訳ではないのですが、気分をノスタルジックにさせる名曲。
⑦「
Sexy Pacific」も味わい深い1曲。
南国ムードいっぱいの曲です。メロディラインが聞いたことのあるものだなあと思っていたら、解答がライナーノーツに書いてました。フォー・シーズンズの「シェリー」です。もちろん曲の雰囲気は全く違いますが、言われてみれば似てます。村田さんは「シェリー」がこの世で最高の曲だと思っているそうです。
ボートラを除いた最終トラック、⑩「Summer Vacation」。本作中一番人気の高い曲ですね。竹内まりや嬢とのデュエット。竹内まりやが歌うにはぴったりのポップスです。
一番がまりや嬢、二番が村田さんが歌いますが、キーが全く同じというのは驚異的です。まりや嬢がアルトヴォイスで声が低いのか、村田さんがハイトーンヴォイスで高いのか??
ハモリも息がぴったり。
本作(も含む紙ジャケリリース盤)は村田さん自身のライナーノーツもファン心をくすぐります。村田バンドは83年当時、あの小室哲哉がキーボードで在籍していたとのこと。翌年に彼はTMネットワークでデビューしますが、本作は彼を除いたバンドメンバーで録音されたもの。
後の小室ブームを村田さん他、バンドメンバーはどう見ていたのでしょう??
しかしこうしたポップス系の良質なアルバムって、最近めったにお目にかけなくなりましたね。村田さんの最新作に期待します。