5人目のイーグルスの繊細なソロアルバム大好きなJ.D.サウザーのセカンド・ソロアルバム。
彼はイーグルス・デビュー前に、グレン・フライとデュオを組んでいたくらい、イーグルスに最も近いアーチストですね。イーグルス加入はランディ・マイズナーに反対されていたらしく、結局はソロとしての道を歩んでおります。
ただイーグルスへのコンポーザーとしての貢献は大きく、イーグルスのセカンド・アルバム「Desperado」の裏ジャケットにはメンバー4人とジャクソン・ブラウン、そして彼が写っております(6人が取り押さえられた写真です。J.D.は右端でしょうか??)。
そんなことから彼を5人目のイーグルスと呼ぶ人もおります(ドン・フェルダー加入前のイーグルスは4人組ですね)。
本作は1976年に発表された自身、2枚目のアルバム。
1曲目のカリプソムードが漂う①「
Banging My Head Against the Moon」が楽しい。バックコーラスはDavid CrosbyとArt Garfunkel、Andrew GoldにJ.D.という豪華なメンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=mSteiUrCAe0J.D.というとフォークタッチで繊細なメロディラインが十八番ですね。これは②「If You Have Crying Eyes」(恋人リンダ・ロンシュタットとのデュエット)、③「Your Turn Now」、④「Faithless Love」、⑨「Doors Swing Open」等に顕著に現れてますが、そんななかで私が大好きなのがリンダもカバーした⑥「
Simple Man, Simple Dream」。わずか1分40秒強の小作品ですが、題名の通り、シンプルなメロディがJ.D.らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=KHnqZMvAZVs
新境地は⑦「Silver Blue」。なんとStanley Clarkeがアコースティックなベースを披露。あとはJ.D.のアコギとシンプルなオケのみの演奏。メロディが胸に染みます。
⑧「Midnight Prowl」も異色の組み合わせ。
ブルージーなナンバーでLowell Georgeがねちっこいスライド・ギターで参加。タイトなドラムはRussell Kunkel。そしてジャズ・タッチなフリューゲル・ホルンはDonald Byrd!
なかなかナイトムードが漂う力作だと思います。
⑤「Baby Come Home」は中期のイーグルスっぽい曲。
ミドルテンポのロックながらアコースティックなムードもミックスされた感じ。ここでのスライド・ギターは後にイーグルスへ参加するJoe Walsh。ドラムはブレッドのMike Botts。ちなみにMike Botts氏は昨年亡くなられてたんですね。
⑩「Black Rose」はどちらかというと憂いのある曲で、後期イーグルスのような雰囲気を持ちますね。ソリッドなギターが印象的。これはDanny Kootch。そしてこれもイーグルスのようなコーラス。声の主は当然ながらGlenn Frey、Don Henley、そしてNed DohenyとJ.D.の面々。
参加メンバーも豪華ですが、J.D.のコンポーザー振りが冴え渡る名盤ですね。私は、より有名な次作「You're Only Lonely」よりこちらのほうが、彼の繊細な部分がよく現れていて好きです。