ブラスロックの名盤!知的な香り漂うファンク?BS&Tはアル・クーパーが中心となって結成された「ホーンを入れたジャズ・ロックバンド」で、当時はあのランディ・ブレッカーも在籍していたバンドです。
1stは商業的な成功を収めることができず、アルが脱退。第二期メンバーで1968年の暮れに発表されたのが本作。
1曲目からなんとクラシックの作曲家、エリック・サティーの①「
Variations On A Theme By Erik Satie」をフューチャー。フルートが知的な香りを漂わせてますね~。
https://www.youtube.com/watch?v=GreaN1ljqGYそういうアルバム、と思いきや、②「Smiling Phases」はトラフィックのカバー。
https://www.youtube.com/watch?v=8gxwutvlTw8のどかな、カントリー的な曲ですが、複雑にリズムが変化していくところがBS&Tらしい。
このアルバムのハイライトはやはり⑦「
Spinning Wheel」でしょう。シングルヒット曲であると同時に日本では、大昔日本テレビ系で放送されていた番組(番組名を忘れましたが)で、ニュースを採り上げる際の挿入歌となってました。
とにかくこれぞブラスロック!という感じで、ファンキーです。ヴォーカルのD.C.トーマスによる曲ですが、アレンジも冴えてますね。こうしたジャズ的なアレンジが「さらっ」とできるところが、BS&Tの凄さです。
⑨「Blues - Part II」にはクリームの「サンシャイン・オブ・ラブ」「スピーンフル」が途中引用されており、当時人気絶頂期であったクリームへの挑戦状??とも思ってしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=O1ZRcI3g9vsBS&Tとシカゴはよく比較されますが、シカゴがロックをベースにしていたのに対して、BS&Tはジャズがベースにあったものと思います。BS&Tはロックとジャズの融合を真摯に実践していた先駆者です。その演奏力はハイレベルであり、玄人好みかもしれませんが、今聴いても新鮮です。70年代のプログレ、ファンクなどの橋渡し的存在だったかもしれませんね。
ちなみにドラムのボビー・コロンビーは後にCBSのプロデューサーとなり、あの天才ジャコ・パストリアスの衝撃のデビューアルバム「ジャコ・パストリアス の肖像」をプロデュースすることとなります。