聴こう聴こうと思っていた角松敏生の「Sea Is A Lady 2017」。先日、ついに購入し、ここ数日の愛聴盤となっております。発売当初はAmazonの評価も賛否両論。否の多くは1987年のオリジナル作品(
「Sea Is A Lady」)との比較におけるもの。確かに私もオリジナル盤は、そのアレンジが耳にこびりついている程、毎日聴きまくってました。ですから本作のリメイクにはオリジナルとの違いから多少の違和感を覚えたのも事実。でもそもそも本作、やっぱり先入観なしに、あくまでも独立した新作として聴くのがベストかと。そして間違いなく、本作もクオリティの高い名盤です。
ちなみに本作の収録曲は以下の通り。前作でのインタールードとして使われた故佐藤博氏の「SEA SONG」、カシオペアの桜井氏と青木氏のベースバトルの「THE BASS BATTLE」、「JUNE BRIDE (INSTRUMENTAL)」の3曲がカットされ、新たに以下の5、6、10が新収録されてます(といっても5も6も過去に別の作品で発表されたもの)。
【収録曲】
1. WAY TO THE SHORE
2. SEA LINE
3. NIGHT SIGHT OF PORT ISLAND
4. SUNSET OF MICRO BEACH
5. Ryoko!!
6. Summer Babe
7. 52ND STREET
8. MIDSUMMER DRIVIN’
9. LOVIN’ YOU
10. Evening Skyline
11. OSHI-TAO-SHITAI
オリジナルのリズム隊は村上“ポンタ”秀一(Ds)、青木智仁(Bs)という強力な布陣。これに対して本作のリズム隊は山本真央樹(Ds)、山内薫(Bs)という現在の角松敏生バンドのメンバー。特に山本君はまだ25歳と若い!で、彼、実はBow Wowの山本恭司の息子で、バークレー音楽大学にも通った、凄腕ドラマー。正直、オリジナルのポンタさんのドラムが凄すぎたので、誰が叩いても、あの味は出せないだろうと思ったのですが、実際、本作での彼のプレイ、スゴイです。
先にエンディングの曲を紹介するのも恐縮ですが、その映像を見れば、本作のグルーヴを感じて貰えるかと思い…。そのエンディング曲の⑪「OSHI-TAO-SHITAI」のレコーディング映像をアップしておきます。この曲、なんと14分強の演奏。だからこれを先に紹介するのは邪道なんですが、特に9分過ぎからのベースとのファンクなプレイ→角松氏自身のパーカッションプレイ→11分40秒過ぎからのドラムソロ!!スゴイです。
順番逆ですが(笑)、オープニングソングの①「Way To The Shore」…、分厚いコーラスのスローなスタート、懐かしい。そしてあっという間に②「Sea Line」のギターカッティングへ。オリジナルは、この①②の流れを聴きまくっていたので。でも本作の②のギターカッティング、オリジナルとは音程がちょっと違う??
あ~、でも角松氏が弾くギターの音色、いいですね。ちょっと粘着質というか、よりロック色が濃くなったような。日本のフュージョン史でも、これだけ歌心のあるバンド(アーチスト)って、未だにいないような気がします。
インタールード的な⑤「Ryoko !!」。こちらは新作。というか1983年発表の「On The City Shore」に収録されていたもの。シャッフルビートが心地よい、小粋な楽曲。1983年バージョンをアップしておきます。
⑥「Summer Babe」はデビューアルバムに収録されていたナンバーで歌もの。正直、なぜこの曲、というか歌ものを収録したのか、ちょっと疑問が残ります。オリジナルと同様に、全曲インストにしてほしかった。アップしたのは昨年のコンサートの映像。ドラムは山本君ではなく、ポンタさんですね。
私の大好きなロックチューンの⑧「Midsummer Drivin'」。こちらもよりギターが熱い! アップしたのは2011年のライブバージョン。元T‐スクエアの本田さんの、激しいサックスソロも堪能出来ます。
本作中、一番フュージョンっぽいのがホントの新作の⑩「Evening Skyline」。シャカタクへのオマージュソング。エレピ手動、女性コーラス…、シャカタクっぽいけど、実は本作最後の前述の、あまりにも熱い「OSHI-TAO-SHITAI」の前の、クールダウンソングとして、実に効果的。
結局、本作、オリジナルとどう違うのか、なんて愚問であって、それぞれの音を楽しむことが一番。本作、やっぱり今年夏の定番アルバムとなりそうです。