ロマン・アンドレンをご存知でしょうか。意外と知らない方も多いのではないでしょうか。私も最近まで知らず、つい最近ラジオで彼の名曲「Bumblebee」を偶然耳にし、一発で気に入ってしまったアーチストです。その「Bumblebee」は、チック・コリアの「
What Game Shall We Play Today」っぽい曲といえばイメージが沸くでしょうか。
「北欧のデオダード」と呼ばれているロマン、スウェーデンのアーチストで、デビューは2004年。アルバム「Ambessa's Dream」でデビュー。このアルバム、長らく日本では未発売でしたが、12年の時を経て、今年9月にようやく発売されております。そしてセカンドアルバム「Juanita(ファニータ)」が大ヒット。前述の「Bumblebee」もこのアルバムに収録されていた楽曲で、その他の楽曲もブラジリアン・フュージョン・テイスト溢れるものばかりで、業界の間では注目を集めました。
そして本作は、そういった流れの中で、日本のPヴァイン・レコード(スペースシャワーネットワーク100%子会社)が企画。ロマンがその企画に賛同し、制作に至ったものです。
本作収録曲は「Ambessa's Dream」から2曲、「Juanita」から8曲、未発表曲1曲、オルタネイト・テイク1曲の計12曲。
アルバムトップはオープニングに相応しい①「Let's Live Forever, Love」。なんだか山下達郎の楽曲を連想させるイントロです。イントロ長いですが、すごく高揚感ありますよね。ワクワクしてきます。
名曲②「Bumblebee」で和んでいただきましょう。ヴォーカルはミリアム・アイーダ。2003年デビューのスウェーデンのボッサ歌手ですが、彼女のヴォーカルがまたいいんですよね。この曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの「Wave」も連想させますね。
デビューアルバムからの選曲、③「Nawana」は一転して、スリリングなラテン・フュージョン・ナンバー。ロマン自身は「70年代初期のサンタナのよう」と表現されてますが、確かにそんな感じの1曲です。フルートがメロディをリードしていくところや、緊張感を煽るドラム&パーカッションがいいですね。
ちょっと毛色の違う楽曲もピックアップしておきます。ファンキーな⑦「If Tomorrow Will Come」。ロマンが弾くフェンダー・ローズの響き、ファンキーな楽曲にもぴったりです。ここでもヴォーカルはミリアム・アイーダです。インコグニートなんかのファンキーかつフュージョンタッチな世界ですね~。
ホーンアレンジが熱いジャズを連想させる⑩「Vasto Como o Céu」。間奏のサックスソロ、それを煽りまくるドラムが素晴らしい。全編に亘って素晴らしいドラムを叩いているのはハンガリー出身のゾルタン・クゾーツ・Jr。スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドのThe Flower Kingsのドラマー。プログレッシブバンドらしく、本作でも手数の多いドラミングを聞かせてくれてます!
素晴らしいアルバム・・・だったのではないでしょうか。私自身、音楽を相当浅く広く聴いているつもりですが、まだまだ知らない世界がいっぱいありますね(苦笑)。