ひょっとしたら本国フランスより知名度があるかもしれないクレモンティーヌ。ベン・シドランが大好きな私は、よくクレモンティーヌを聞いてました。特に1993年に発表した「Clementine Sings Ben Sidran」なんて素敵なアルバムでした。ベンのクールな楽曲には、ボッサが似合うクレモンティーヌのサイレントヴォイスがよく似合う。でもここしばらく、クレモンティーヌ、聞いてませんでした。
で、今回、久しぶりにクレモンティーヌと渋谷系のコラボアルバムが安く売られていたので購入。これがまた、この暑い夏にピッタリ!
渋谷系・・・、正確にはオリジナル・ラブの田島貴男、ピチカートの高浪敬太郎、小沢健二、そしてGONTITIがクレモンティーヌとコラボしたアルバム。本作が発表された1992年って、そんな時代だったんですね。渋谷系なんて言っても、今の若い方々、知らないでしょ?
本作はクレモンティーヌの日本でのセカンドアルバム。日本サイドもよく企画してくれました!企画した中心人物はプロデューサーの井出靖。
でも1曲目から渋谷系サウンドではなく、しっかりとクレモンティーヌの持ち味が出ている①「Lete」。
曲を聴いて頂ければわかりますよね。そう、GONTITIとのコラボです。バックのサウンドはリゾート・ボッサ。アントニオ・カルロス・ジョビンがお好きなら一発でお気に入りに分類されるであろう、そのサウンドは、実に真夏の午後にピッタリ!まどろんでください。
②「マドモワゼル・エメ」はドスの効いたリズム、ハーモニカ、そしてスライド・ギターがとてもアーシー。口笛なんかが効果的に使われるあたりはお洒落系サウンドらしい。この曲は高浪敬太郎作。
オザケンとのコラボは⑧「Pillow Talk」のみ。この曲は1973年のシルヴィアのヒット曲で、原曲はスィートソウルの名曲。これをオザケンがアレンジ。クレモンティーヌにぴったりな洒落た仕上がりとなってます。
田島さんとのコラボもご紹介しておきます。個人的に気に入ったのが、⑨「サントロペで」。4ビートのジャズをクレモンティーヌが軽い感じで歌いこなしてます。ビブラフォーンとかフリューゲル・ホルンとか、楽器も使い方も洒落てていいですね。
クレモンティーヌって、もともとボサノバタッチを得意とする歌手ですが、ここに収録されている楽曲は、よく聴くと結構いろいろなタイプの楽曲が収録されており、どれもが彼女らしさ溢れるアレンジとなってます。
クレモンティーヌ、近年はこんなカバーも話題となりました。これ大好きです!
あ、でも彼女の本領発揮はこっちですよね。
クレモンティーヌが奏でる楽曲は、どれもこの暑苦しい季節を癒してくれますね~。