アメリカンロックの代表格、ヴァン・へイレンは大好きなバンドのひとつですが、個人的にはやっぱりデイヴ時代の初期、なかでもアルバム「1984」前までのアルバムが好きです。
「Van Halen」~
「Diver Down」までどれも大好きなのですが、最近妙に再評価しているのが「Fair Warning」。邦題「戒厳令」と付けられたこの4枚目のアルバムは、他のアルバムと比べてもヒット曲がなく、地味な存在かもしれませんね。
ファーストアルバムでライトハンド奏法を披露したエディ、ここではスラップ奏法とタッピング奏法の複合技を1曲目から惜しげもなく披露しております。①「Mean Street」のイントロはまさにエディの独壇場。アップしたのは1998年の映像ですから、ヴォーカルもデイヴではなく、ゲイリー・シェローン。元エクストリームのゲイリーですね。私はもうこの当時はリアルタイムにヴァン・ヘイレンはフォローしていなかったので、ゲイリー在籍時のヴァン・ヘイレンの音は知りませんが、映像を見る限り、洗練されたゲイリーの容姿とヴァン・ヘイレンの音は合っていないような。
ヴァン・ヘイレンのサウンドはウエストコースト出身だけあって、同じアメリカンハードロックの括りのグランドファンクレイルロードとは違い、どこか底抜けに明るい、カラッとしたサウンドに特徴があります。ブルース臭もかなり少ないですよね。④「Hear About It Later」なんかは典型的なヴァン・ヘイレン・サウンドの1曲です。この曲のコーラスを聞いてもすぐお分かりの通り、ベースのマイケル・アンソニーのハイトーンコーラスも、あまり目立ちませんが、かなりスゴイと思います。
「Hear About It Later」よりももっとハードな⑤「Unchainedも本作では人気の高いナンバー。ここでもマイケルの唸りを上げているベースとコーラスが結構好きだったりします。エンディングではエディも弾きまくってます。それにしてもアレックスのフォーバスドラムは派手過ぎ!個人的にはアレックスのドラムはあまり好きではありません。でも独特の乾いた音はヴァン・ヘイレンサウンドにぴったりですね。
アルバムにはだいたい数曲ロックンロールナンバーが収録されてますが、本作では⑦「So This Is Love?」あたりがそうでしょうか。こちらのナンバーは強烈なシャッフルナンバーでもあります。ホント外国の方って、シャッフルのリズム感がスゴイですね。
でも重ね重ね今のヴァン・ヘイレンのベースに、エディの息子が収まっていることは不満ですね。とは云え、感情剥き出しのバンド内にあって、性格の不一致からなる脱退劇なんて当たり前なんで、嘆いていてもしょうがないのですが。ヴァン・ヘイレンのベーシスト兼コーラスは、やっぱりマイケルをおいて他にいないと思ってます(結局後釜に身内を据えたことも、ひょっとしたらマイケルの後釜の成り手がいなかったため…なのでしょうかね)。
マイケルはサミー・ヘイガーやジョー・サトリアーニとチキンフッドを結成してますが、正直こちらの音にはあまり興味がありません。