最近の拙ブログのアクセスランキングを見ていると、邦楽のアルバム記事が上位を占めるようになってきてます。本来洋楽を中心に書き綴っているのですが、やっぱり一般的には洋楽はマイナーな扱いを受けているのでしょうか。
さて、そういう訳でもないのですが、本日ハードオフで山口百恵のオリジナルアルバムを105円で購入。正直彼女のアルバムなんて聴いてこともなかったのですが、取りあえずレアな作品だったので購入してしまいました。
1977年に発表された、彼女の13枚目の「花ざかり」というアルバム。実はこの前の作品(「GOLDEN FLIGHT」)はロンドン録音で、元キング・クリムゾンのメンバーなんかも参加したものらしいのですが、その次の作品。花をテーマとしたアルバムというところが、何とも粋ですね。
山口百恵さんって、私の中ではすましているイメージなんですが、このアルバムのジャケットは実にいい笑顔をしています。アルバムもこの笑顔のまま、歌っているような作品もあります(つまり途中で笑っている作品もあるんです)。
まずは全作品の作詞・作曲一覧を見ておきましょう。結構興味深いです。
①花筆文字 作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
②陽のあたる坂道 作詞: 松本隆、作曲: 佐藤健、編曲: 萩田光雄
③悲願花 作詞・作曲: 谷村新司、編曲: 川村栄二
④言はぬが花 作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 若草恵
⑤青い羊歯 -アジアンタム- 作詞・作曲: 北野弦、編曲: 船山基紀
⑥飛騨の吊り橋 作詞: 松本隆、作曲: 岸田智史、編曲: 川村栄二
⑦秋桜 作詞・作曲: さだまさし、編曲: 萩田光雄
⑧あまりりす 作詞: 松本隆、作曲: 岸田智史、編曲: 船山基紀
⑨ドライフラワー 作詞・作曲: 岸田智史、編曲: 萩田光雄
⑩1 2⁄3 作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
⑪最後の頁 作詞・作曲: さだまさし、編曲: 佐藤準
⑫寒椿 作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 若草恵
山口百恵は1976年の「横須賀ストーリー」で、初めて阿木&宇崎コンビの作品を歌うのですが、このコンビを指名したのは本人らしいです。そしてこのアルバムでもそのコンビの作品が4曲収録されてます(どれもすばらしい作品です)。
前作から曲を提供している谷村さんが1曲。「いい日旅立ち」のビッグヒットは翌年の話ですね。
本作からのヒット曲はさだまさし作「秋桜」。松田聖子の作品にもニューミュージック界の重鎮等の名前が見受けられますが、この時点で山口百恵のアルバムにもそういった傾向が見受けられますね。
そして一番気になるのが岸田智史・・・。我々世代は「きみの朝」で有名な歌手ですが、実は彼、本作プロデューサーでもある酒井政利氏の秘蔵っ子で、1976年にデビューを果たしてます。「きみの朝」のビッグヒットは1979年。実は金八先生は当初岸田さんに話が廻ってきたのですが、このヒットのせいで多忙を極め、同じ事務所の武田鉄矢が代わり主演を務めたとの信じられないエピソードがあります(結局岸田さんも新八先生を務めるのですが・・・)。
あと個人的には松本隆さんが詞を3曲提供していることが気になります。
ちなみに5曲目の北野弦さん、ディレクターの川瀬泰雄氏のペンネームです。
つらつらと書いてしまいましたので、簡単に気に入った曲をアップしておきます。
まずは②「
陽のあたる坂道」。心に染み入るメロディ、そして、ですます調の松本さんの詞が実にいい。この歌詞は港区に実在する霊南坂をモデルにしたものです。霊南坂でピンと来た方は百恵ファンですね(笑)。そうです、彼女と三浦友和さんは1980年に霊南坂教会で結婚しているんですね~。この曲の歌詞、この坂道で他の女性と一緒にいた好きな男性とすれ違う・・・、そして教会は坂の上、結ばれる日を夢見た私・・・。
う~ん、この歌詞、実に意味深です。松本さんは何かを知っていたのでしょうか。
間奏のギターソロ、これがまた素晴らしい。誰が演奏しているのでしょうか・・・。
殆ど語られることのない④「
言はぬが花」。
でも私は本作中、一番大好きな曲です。何といってもコミカルな作風が魅力的。花がテーマのこのアルバム、恋人の家に行くのに抜け道を発見、そこには9コの山茶花が。そして思わずさざんが9と言ってしまいます(笑)。百恵さん、ホントに笑ってます!さざんが9・・・、言わぬが花、ということですね。面白い!
ところでこの曲の演奏、私はShogunを連想してしまいます。このアルバムにはミュージシャンのクレジットがないのですが、おそらくShogunのメンバーや、パラシュートのメンバーが参加していると思われます。
岸田さんの⑨「ドライフラワー」もいいですね。