このデニースのデビューアルバム、正直ほとんど認識がありませんでした。我々エイティーズ世代はデニースといえば映画フットルースの挿入歌「Let's Hear It for the Boy」があまりにも有名。でも個人的にはこの曲、あまり好きではなく、よってデニースのアルバムといっても引っ掛かるものがなかったんですよね。でもこのCDを手にとってみて、プロデュースがモーリス・ホワイト!? 時代は1976年。これはもしや、と思って購入した次第。 これがまた素晴らしい内容だったんです。そう、この時代のフリーソウルの香りがプンプンする名盤だったんですよね。
①「It's Important to Me」から違う意味で期待を裏切られました。これは素晴らしいと。確かこの当時発表された、デヴィッド・フォスターがプロデュースした幻の1枚、ジェイ・P・モーガンのナイスなアルバムに極めて音が近いですね。とてもダンサブルでリズムが強烈。そして音はAOR。エンディング近くでギターソロが流れますが、どことなくコーネル・デュプリーっぽい。
そして最初の聴き所、②「That's What Friends Are For」。ディオンヌが歌った同名曲がありますが、曲は違います。こちらはデニースの愛らしいヴォーカルが光る1曲。演奏も穏やかだし、すごく心温まる1曲です。
④「Cause You Love Me Baby」も愛らしい1曲。イントロのエレピやカッティングギターが目覚めの1曲っぽくていいですね。黒人シンガーって誰もがパワフルに歌うというイメージがありますが、デニースにしてもミニーにしても、実に愛らしく歌うシンガーです。この曲もそういったデニースのキャラクターとEW&Fの演奏が実にマッチしてますね。といってもEW&Fが如何にもアースらしく演奏しているかというと決してそうではなく、かなり抑え気味のフュージョンライクな演奏ですし。