ここ千葉は素晴らしい天気です。梅雨に入る前の、つかの間の晴れ間なのでしょうか。
さて今回はスティーヴ・ウィンウッドがリーダーを務めていたトラフィックのデビューアルバムをご紹介します。
過去トラフィックはセカンドアルバム「
Traffic」をご紹介しておりますが、私自身はそれほどトラフィックについては詳しくありません。
たまたまスマホにアルバム「Mr Fantasy」を入れてあって、ふとしたことから聴いてみたら、コレがいいじゃないですか。ここ数週間、気が向いたときには本作を聴いてました。
スペンサー・デイヴィス・グループを脱退し、自身のグループを結成すべく動いたスティーヴ・ウィンウッド。1967年にこのトラフィックを結成し、3枚のアルバムを発表後、浮気心が生じたのか、エリック・クラプトンとブラインド・フェイスというスーパーバンドを結成。でもすぐにトラフィックに戻り、結局1974年に解散してしまいます。
このデビューアルバムは以降のトラフィックとは若干色彩が異なりますが、結構楽しめるアルバムです。
まずはインパクトの強いジャズサイケロック的な①「
Heaven Is In Your Mind」。目まぐるしく拍子が変わって、聞き手を飽きさせません。ソウルフルでダイナミックなスティーヴのヴォーカル。妖しげなクリス・ウッドのサックス。後段から登場してくるデイヴ・メイスンのシャープなギター。タイトなジム・キャパルディのドラム。
もうデビューアルバムのこの1曲目から、極めて独創的な音楽ですね。
彼等の代表曲ともいえるのが⑤「
Dear Mr. Fantasy」。
https://www.youtube.com/watch?v=dyMiUmrouZUこの映像は既にデイヴ・メイスンはいない、1972年の演奏のもの。スティーヴ、クリス、ジムの他に、ドラムはロジャー・ホーキンス。
ここでのギターはスティーヴ・ウィンウッド。実はギターも上手いスティーヴ。すごい才能ですね。
このアルバムは「味わい」という見地から言えば、B面が素晴らしいなあと思ってます。
独特の緊張感、そして展開がとてもスリリングなんですよね。
特に⑥「
Dealer」・・・。
最初は静かなアコギからスタートするのですが、クリスの中世的な怪しさを醸し出すフルートが登場してから様相が一変します。そしてジムの鳴り響くパーカッション。このパーカッションが段々うるさくなってきます。
以前はこのテの音が苦手だったのですが、歳を経るにつれて、結構病みつきになってきてます(笑)。
そしてデイヴのシタールが鳴り響く⑦「Utterly Simple」。いや~、ジョージ・ハリスンがお得意のインドの世界ですね。
この曲も、このアルバムの流れの中に見事に納まってますね。
途中から電話の呼び鈴が鳴り、なにやら会話が聞こえてきます。サイケ感覚に溢れてますね。会話というか、1人で喋っている声ですが。
オリジナルアルバムのエンディング曲は⑩「Giving To You」。
スティーヴのオルガンが相変わらず黒っぽくてカッコイイ。
アップした映像はプロモーションビデオのようですが、なぜフォルクスワーゲンの工場をメンバーが視察する映像なのか、よく分かりませんね。逆にサイケな感じもしますね。
一般的にはトラフィックって玄人向きなのでしょうか。確かにポップではないし、商業的なヒット曲も少ないですしね。でも味わいあるアルバムばかりだし、何より若かりし頃の才気溢れるスティーヴが素晴らしい。