ビージーズについては当ブログでは、私の大好きな
「How Deep Is Your Love」や、アンディ・ギブをトリビュートとした素晴らしいライヴ映像の
「(Our Love) Don't Throw It All Away」をご紹介してありますが、実はアルバムとしてのご紹介は今回が初めてだったんですよね。
初めてのご紹介ということで、ビージーズにとっては転換期となった重要なアルバムを・・・。
プロデュースはあのアリフ・マーディン。永らくビージーズのプロデュースはマネジャーでもあるロバート・スティッグウッドが務めてきていたものの、マンネリ感が否めず、ロバートの発案もあり、アリフを起用。1974年に「Mr. Natural」を発表、そして更にR&Bを意識した作風を押し進めた「Main Course」を翌年1975年に発表。ついに商業的なビッグヒットを記録します。
このアルバムのイメージは殆ど多くの方々は②「Jive Talkin」や①「Nights on Broadway」といったビージーズ初期には見られないリズムを強調したナンバーにあるでしょう。実際それら2曲はシングルカットされ、「Nights on Broadway」は全米7位、そして「Jive Talkin」に至っては全米1位を記録します。
恐らく従来のファンからすれば「Jive Talkin」については賛否両論、いやそのメロディを無視したようなリズム重視のサウンドに拒絶反応を示したのかもしれません。でも後の商業的な成功の歴史を知る私たちにとって、ロックの歴史をも変える重要な楽曲として「Jive Talkin」を記憶に留めておくべきでしょう。
それにしてもこの②「
Jive Talkin」のミュートするカッティングギターとバスドラのファンキーなイントロ、そしてスウィンギーなスネアフィルで始まる ♪ It's just your jive talkin・・・ ♪ の歌いだしから感動です。
この軽快なドラムは元エイメン・コーナー、そしてビージーズのドラマーとしてセッションに加わっていたDennis Bryon。なんとも味のあるバックビート感たっぷりのドラムです。この楽曲のミソはカッティングギターとドラムですね。私の大好きなかっこいい1曲。
このアルバム、リズム一辺倒かといえば、実は違います。しっかりとメロディ重視の素晴らしい楽曲が数多く収録されているんですよね。それが悪くいえばアルバムを中途半端なものとしているとも言えますし、バラエティに富んでいるとも言えます。
④「
Songbird」はそんな素晴らしいメロディを持ったバラード(「 Jive Talkin」とのギャップがありすぎる(笑))。
メロディがどことなく1973年のエルトン・ジョンの大ヒット曲「Goodbye Yellow Brick Road」に似ていると思うのは私だけでしょうか?
でもビージーズの素晴らしいハーモニーが堪能できる1曲。
隠れ名曲の⑤「Fanny (Be Tender With My Love) 」。
といっても当時は3枚目のシングルとして発表されたナンバー。地味な1曲なんですが、心暖まるナンバー。初期ビージーズの良さを併せ持った楽曲で、だからこそシングルカットもされたのでしょう。こうしたナンバーも大好きですね。
それにしてもアップした当時のPV、バリーっていい男ですね~。
バリーのいい男ぶりを見ていたら、思わず後に発表された「
Guilty」のバリーを思い出してしまいました。知らない?? 後にバーブラ・ストライサンドと組んで発表した極上のAORの名曲です。お互い白い服装でのステージを。
⑧「
Come on Over」はのちに同じオーストラリア育ちで交流の深いオリビア・ニュートンジョンがカバーしてヒットさせた楽曲。
あのオリビアの名盤「水の中の妖精」のタイトルトラックです。ちょっとフォーキーでカントリーなオリビアのヴァージョンもなかなかですね。
最後の⑩「
Baby as You Turn Away」もビージーズらしいメロディアスなナンバー。
やっぱりビージーズはハーモニーが美しいし、ハーモニーが活かされているナンバーがいいですね。
全10曲。ある意味R&Bの影響が深く窺えるナンバーは①~③、他はどれもが往年のビージーズ・サウンドの延長線と言えなくもないですね。
とはいえビージーズは1976年、「You Should Be Dancing」も大ヒットを記録し、いよいよ「Night Fever」でディスコブームの牽引者として大成功を収めるのでした。